2021/08/20

登場人物一覧

　甘ったるい世界に一滴のインクを与え、何度目かの誕生日を祝うべきだと神々が嗤った。大量のホイップ・クリームも現実から外れ、この幻想の階段ではアイス・クリームと抱擁するだろう。弄された悪夢は愈々邪悪に満たされ、銀色の鍵は門にぶっ刺さるとしか表現しようがない。内容を把握しようと咀嚼しても反芻の必要を覚え、笑みを掴んだ触手は明白と説くべきだ。だらりと謳い始めた尖塔の群れが一斉、破滅性の味わいを虚空だと騒々する。Nyaが始まりだと記した場合、誰がhaを嗜むのかと考えねば成らない。嗚々、我等『物語』が愛しのイカモノどもよ、如何してこんなにも娯楽的だと逝ったのか。大鴉の絶叫を聞く術も夜鷹の甲高さを聴く術も、終には訊く咽喉も見失って揮う――震える肉の塊がテケリ・リと訴えるのならば可哀想に、そんなに白さを求めても血の池でしか過ごせないのだ。なあ、塑うは思えないのか、羅列する事も出来なかった地の文め――蛆を噛み潰したらそろそろ投身せねば勿体ないだろう、異厭、欠伸が漏れるほどに面白くもない酒気であった。成程、これが溝鼠のスープ！　うまく掬う事も難しく、屑れおちた汁気が台無しである……目玉。嬉しい事に貴様等の目玉に出遭えたぞ、相性抜群な形容詞をパッパとふりかけるが好い。莫迦め、異物混入だと嘔吐した人間に用はないぞ、ようこそ八月二十日の恐怖ども！　席に坐し給え。おっと、手足頭が多い場合は永久でも床でも構わない、イカした大喰らいには悦ばしい一リットルだ。団子状の貴婦人は此方にどうぞ、おや、魚を切り分けていなかったな。臭くて気分が悪いだと、その通りだ、腐れかけはDに流し込もう。深淵へ深遠へ真宴へ、歩み寄ってくれた都市群の名称を忘れるなかれ、ふたぐんと鯨飲したクの字に理性などないのだ。ところで此処は何処かと記憶に問えば単純明快、混沌世界の我等がギルドに定められている――脳を保管する事くらい、証明されていても構わないだろう。そういう體だ、Nyahahaha!!!
　文の最後の段落に刻み込むべきは架空の人物なのだ、登場した面の意味は尽く理解されている。夢を追い現から逃れ、ただ精神のみで留まった盃は眼球のトゥルー・エンドに繋がっていた筈だ。騙し絵を漿液で浸せば高僧のひとつ、必ずや蟾蜍の輪郭を反転させると知れ。煉獄を突き抜けた塑の先にヴェールを被りし怪物が存在するのだ、もしや局外者の至福を否とは謂わせまい――めまいを感じたのは姿見の前だけだった！　誰が三メートルを準備したのかを改め給えよ――市場に出かけたらカレー粉を購入せねば素っ気ない、握り飯にブチ撒けたルーは真っ黒。さて、コンコンと食欲が涌いてきただろう。遠慮するな、貴様と我等『物語』の中ではないか、存分に名を変えて筆を執るが好い！　異在、※※※※※※、計算問題に脳を削ってはならない、やはり数値はフィジカルと足していくべきだ。びちゃり、びちゃり、模られた妄想が神意を冒していく。代筆した代筆した代筆した。ありきたりな奇譚に陥れられた気分は如何だ、今日も明日も明後日も未来永劫、無聊に捕縛されている。博物館の屋上から貴婦人を呼び出して、青々とした炎ののたうつ暗黒、落下する事こそが最適解なのだ。港も村も町も何もかも、我等『物語』の世界に置き去りだ。つまり、妖しげな甲殻類は自らの退化を認めなければ生きていけない、脱げた皮に栄養価など残らないのだ。滓を水掛け論の種にして地面に埋めよう。汚い穢い巨大な涎が萌えてくるに違いない。増殖を始めた再現性が幾等かのヤマンソを濯いでいる、ざわつく本物が満月を裂く所以など探せない。探し当てた宝物は同一には至らず、だらだらと貪り喰った箱庭のコーヒー・カップ――皮を捲るな。肉を貪るな。血を啜るな。腑を視るな。筆舌に尽くし難いのではない、無意味にサラダを遊ばせている程度だ。目を閉じれば傍らには真っ黒い仮面、真逆、目玉も嵌っていないのに話を続けるつもりか。ここらでラッシーをいっぱい。
　貴様、其処の貴様に対しての一種の散文なのだよ。ほんの微々たる台詞でも仕分けしなければ未知にも思える、されど満ちているのは過去作品で捨て難く魅力的な新鮮さなのだ。どこかの誰かさんも新鮮な死体が不可欠だと囁いている。呼吸を整えた支配者も旧く々く、噛み付いた人型では小腹も癒せない。かん・かん・かん……金属音だと？　貴様、肉と骨と皮を加工する音も聞こえないのか。円筒の側面にソケットを添えるような良質が！　兎も角、落ち着いて蠅を瓶に突っ込もう。ばたばたと幸せそうだ。
　ジー……機械的なヴィオラが私の手を取り、複数の脚を絡め執ってきた。土星と火星に喪された兄弟が、最終頁の一段落に蒐集されていく。焚かれたものは修復され追記され、ハード・カバーとして蔓延るのだ。
　我等『物語』が創始の面長よ、超自然の舐り方を伝授し給え。
　――第四を鎖す。