SS詳細
にゃん♡にゃんねこカフェ!!
登場人物一覧
ローレットの隅でラクリマ・イース(p3p004247)はサンドリヨン・ブルーと一緒に焼き芋を楽しんでいる。それは五分前のことだった。
「あの、ラクリマ・イースさんですよね!」
顔を真っ赤にした
「だ、大ファンなんです! これ、差し入れです! 焼き芋なんですけど良かったら食べてください! じゃ、じゃあ!」
「サンドリヨンさん、良かったら一緒に食べます?」
瞳に物欲しそうな顔のサンドリヨンが大胆に映り込んだ。
焼きいもはとても甘かった。
「あ、サンドリヨンさん。明日、俺とねこカフェに行きません? なんか行きたくなって」
ラクリマは微笑む。
「ねこ?」
「はい。え、まさか知らない?」
「え? いや、し、知ってますよ! あの可愛い子達ですよね? でも、僕は猫と相性が良くないかもしれません……よく、逃げられちゃうので」
「そういうことか。でも、大丈夫。猫は遠くからでも可愛い。むしろ、そこにいるだけで尊い。だから、行きません? 猫の楽園に俺と」
キリッとするラクリマ。
「楽園! ラクリマさん、僕行きます!」
「ふふ、そうこなくっちゃ!」
謎のテンションでラクリマとサンドリヨンは握手を交わす。
ねこカフェの前でサンドリヨンは神妙な顔をしている。
「ラ、ラクリマさん。は、入りますよ……!」
「ええ」
今日はフリータイムで過ごすことを決め、ラクリマは拳をしっかり握っている。
「「!!」」
視界にはにゃんこ。様々な猫が広い部屋の中で、自由に過ごしている。ソファにちょんと座り、後肢で耳を掻き始めるぶち猫。クッションの上で白目を剥く三毛猫。客の膝に乗り、ひたすら撫でられるグレイの猫やクンクンと匂いを嗅ぎながら移動する白猫、籠の中でぐっすり眠る黒猫。そこには、壮大なにゃんこパラダイスが広がっている。猫はとてもリラックスしているようだ。それに会話がほとんど聞こえないのは、このねこカフェでは
(ひやぁ!! 可愛すぎるッ!)
ラクリマとサンドリヨンは見つめあい、叫びそうになる心を抑え、深呼吸。
「す、すす……座りましょう、ラクリマさん……」
「ええ、俺もそれを提案しようと思っていたところでした……」
かちんこちんで正座をすれば、途端に猫に囲まれ始める。
(あ~~! 興味津々でとても人懐っこい。うあぁああ~~! おめめが綺麗だねぇ、君! 毛並みもいいねぇ!! モフモフで吸いたくなりますよ、俺ぇ!!!)
ラクリマはデレッデレを通り越して、真顔になっていた。
「くっ……!!」
「!!」
胸を押さえるラクリマ。動揺かつ猛烈にときめいてしまう。だが、その動きがとてもスローだった為か猫達を驚かすことはなかった。流石、ローレット・イレギュラーズ。
(冷静沈着にいこう、ラクリマ。推しが……推しが来ているんだ!)
「ひょぇ……」
そんな誓いは三秒でさよならした。三毛猫がラクリマの膝に飛び乗ったのだ。
「あふっ……」
それからすぐに背伸びをし、三毛猫はラクリマの鼻先をちょいちょいし始めた。優しい感触とピンク&あずき色の肉球がたまらん。むしろ、けしからん。
(いいのぉ? 俺、いいのぉ? ボーナスタイムですね、これは)
目を閉じ、肉球が鼻に触れる度にすーはーするラクリマ。鼻の下を伸ばし、真っ赤な顔で三毛猫を愛している。
「ラ、ラクリマさん……ま、まだ……触っちゃ駄目ですもんね?」
ひそひそ声のサンドリヨン。ハッとするラクリマ。
(しま……! サンドリヨンさんのことを忘れて……)
「!!」
目をかっぴらくラクリマ。サンドリヨンの傍には白猫がポーズを変えながら、撫でろと腹を見せている。
「サンドリヨンさん……」
「はい……」
ごくりと喉を鳴らすサンドリヨン。その横を黒猫が尾を振りながら通り過ぎていく。
「大丈夫、合法です」
何故か、耳打ちするラクリマ。
「!! い、いきます。ふぁっ、柔らか……ふわふわです……ラクリマさん……んはっ……」
猫という存在にとろけるサンドリヨン。そして、隣にいるラクリマもまた──
「あっ。うん、うん、甘えん坊ですねぇ~♡」
甘い声を発するラクリマ。三毛猫は目を細めながら、ラクリマの手に頭を盛大に擦り付けている。
おまけSS『テンションMAX』
「ラクリマさん、ラクリマさん!」
「サンドリヨンさん? どうしました?」
「見てください! ねこカフェで可愛いマグカップが売ってたので買ってきちゃいました! じゃーん! 三毛猫さんと黒猫さんです」
「なっ……わっ……可愛い……!!」
「えへへ、ですよね! ということで三毛猫さんの方をラクリマさんにプレゼントしちゃいます!」
「えっ!? ありがとうございます。俺、凄く嬉しいです!!」