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光の祝福を願う
登場人物一覧
名前:天香・瑠々
種族:八百万(雷の精霊)
性別:女性
年齢:12歳
一人称:瑠々、私
二人称:~殿、長胤兄様、蛍姉様、遮那兄様
口調:です、ます、なのです
特徴:遮那の義妹。遮那が拾った八百万の少女。
金色の髪を三つ編みにして、緑柘榴の瞳で笑顔を見せる。
消息不明になる前の遮那にとっては可愛くて仕方が無い妹。目に入れても痛くない程、溺愛している。
設定:
遮那が15歳の時に拾った八百万の少女。当時瑠々は7歳だった。
ある嵐の夜。妙に屋敷の外が騒がしい事に気付いた遮那は戸を開けた。
眩い雷の光が空に走り、轟音が響き渡る。
目を凝らせば、何やら小さい光の球が逃げ惑うように空を駆けていた。
横殴りの雨に逆らうように左右に振れる光輝。
どこか意志があるように感じて遮那は嵐の中に飛び出す。
何かから逃げ惑っているような動きを見せる光輝を追いかけた。
ちょうど頭上に来るぐらいまで追いついた遮那の目の前で、その光輝は落雷を受ける。
激しい光と爆音が静まった時、遮那の足下に蹲る少女が現れたのだ。
それが瑠々。後に遮那の愛しき義妹となる少女だった。
「遮那兄様! 瑠々は怒っているのですよ!」
「すまない。瑠々。許せ……」
「嫌です! 何で、瑠々の傍に居てくれないんですか! 兄様は瑠々が居ないと何も出来ないのに!」
「…………」
「駄目です! 行っちゃやです! 兄様! 遮那兄様!」
泣いて縋る瑠々の頭を撫でる遮那は苦しげで。
本当なら誰にも見つからず天香を去るつもりだったのだろう。
最後に一度だけ瑠々の寝顔を見たいと思ってしまったばかりに、見つかってしまった。
普段はあどけない表情で天真爛漫な少女であるが、遮那から見ても瑠々は聡い子供だった。
だから、遮那が自分達の元から去ろうとしている事を感じ取ったのだろう。
大粒の涙を零し絶対に離さないと縋る指を外し。
「どうか、達者で」
愛しき義妹の前から、闇夜へと飛び去った。
――其方を泣かせてしまう不甲斐ない兄を許して欲しい。
されど、私には成さねばならぬ事がある。
どうかどうか。瑠々が歩む未来に光があらんことを祈っている。