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『伽藍構造』
登場人物一覧
- 雑賀 才蔵の関係者
→ イラスト
名前:『伽藍構造』樹城 空理(きじょう くり)
種族:旅人(両親が旅人であった、希望ヶ浜生まれ)
性別:女
年齢:15歳
一人称:ボク
二人称:キミ
口調:だよ、だよね、かい?
特徴:夜妖憑き
設定:
再現性東京2010街・希望ヶ浜に棲まう少女――現在は澄原病院夜妖病棟での入退院を繰り返している少女。
樹城 空理に転機が訪れたのは中学2年生の頃である。天真爛漫に、日々を謳歌していた空理には良くある不幸が訪れる。
彼女にとっては理不尽とも言える事柄で突如として両親が離婚した。数少ない親族の間でたらい回しになり、やっとの事で引き取ってくれた遠縁の親戚が不運の事故で亡くなったことで天涯孤独となったのである。
14歳になったばかりの彼女を引き取ることが出来ないと親族達は口さがなく言い合った。
彼女は限界であった。苦しい、逃げたいと願い続けた彼女は『ある日、出会った』のだ。
それは彼女にとっては天の救い。他者から見れば悍ましい不幸。彼女にとっては幸福たる出来事。他者から見れば存在してはいけない悪夢。
それが『伽藍構造』である。現在の空理は『本来の空理と呼ばれていた少女』ではない。夜妖が憑き、其の儘彼女に成り済ましている。
『伽藍構造』と呼ばれた夜妖は空理の体を動かし日常生活を行っている。空理は『くだらない日常』から離れる為に体という代償『伽藍構造』に支払ったのだろう。
『伽藍構造』は元は『消えた無くなりたい』と願った人々の願いに呼応したように『乗っ取り』を行う夜妖であったと推測される。
それは空理の体を乗っ取り、空理として過ごすことを選択したのだ。
――だが、ただの少女には一人で暮らすことは出来なかった。
故に身分を明かした『伽藍構造』は澄原病院に少女の無事を保証する代わりの衣食住の手引きを行うように交渉を行った。
特異的な夜妖との共存に院長 澄原晴陽は要観察対象であると決定した。長期的な保護と観察を行わねばならないこの対象の管理を彼女は希望ヶ浜学園へと依頼すると決めたのだ。
澄原病院より空理の『保護観察』の依頼を受け、才蔵が彼女の引き取り手として立候補した。
……故にのんびりとした共存を行っているわけだが、人の生活は悪くないためにその日常を脅かされない限り『伽藍構造』には敵意は存在しない。
「ボクはキミを殺したいわけでも無ければ、死にたいわけでも無いんだよ。人としての生活を教えてくれるかい?」
おまけSS『澄原病院 夜妖専門診療科カルテ』
病名: 伽藍構造
症状: 人の心の隙間に巣喰う夜妖。罹患患者の心を喰らい尽して最後は精神を崩壊させ、植物人間状態に追い込むと言われている。
此度の罹患患者は特異的なケースであると推測される。
case『樹城 空理』:
伽藍構造との相性が良かった事、そして彼女自身が其れを望んだことで共存関係が完成されていると推測される。
空理自体の意識は表層意識に存在せず、眠りについて居るであろう。夜妖憑きとしての代償が体の施行である事を考えれば空理自身の精神はまだ現存しているであろう。
故に、彼女に関しては保護観察の対象とし希望ヶ浜学園に管理を一任する。