PandoraPartyProject

SS詳細

憂いのラヴァンドラ

登場人物一覧

ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
ベルディグリの傍ら
ジルーシャ・グレイの関係者
→ イラスト

名前:シャノワール
種族:獣種
性別:女
年齢:16
一人称:僕
二人称:君
口調:だよ、だね、だよね
特徴:繊細、人間不信
設定:
 ラサの出身。幼少期に人攫いに捕まり、兄・シャナトから引き離された不遇な少女。
 彼女にとって兄は唯一の希望であり、肉親。だが、兄にとっては『妹が存在するという記憶』さえ彼方へと消え去っている。
 兄の助けを待ちながら、少女は天義のある教団に販売され、暗殺者として育て上げられる。
 教団に仇為す者を殺す事を望まれた不遇な。何処にでも居るけれど、何処にも居ないような、影のような娘。
 軽い身のこなしと蹴り技を得意とし、人を殺しても眉1つ動かさない非常な少女。コードネームは『黒猫』
 ――と、語られるが本来は花や小動物とのふれあいを好む心優しい娘であった。
 人を殺すのも傷付ける事も恐ろしい事だと認識して居ると言うのに。教団の言いなりになって他者を害して他者を殺す。
 そんな己が一番嫌いで、せめて『殺す相手を覚えておきたい』と命を奪うその刹那に、フードの下で謝罪を述べる。辛く、泣き出しそうな、不器用なだけの少女であった。

 暗殺者でしか居られないほどに汚れきったシャノワールにとって、唯一の心の支えが生き別れた兄である。
 兄の元へと逃げ帰り、彼に抱き締められたいと。そう願う反面、他者の命を奪う事になれきった己ではその資格もないのだと諦観を覚える。
 シャノワールにとって唯一の希望であった兄は、今の己に対して幻滅するのでは無いかと言う恐怖の象徴とも相成った。
 ならば、居場所など、此処にしか無いのだと。表情を動かさず、悲しげに笑いながら任務を遂行する。
 イレギュラーズのような英雄にもなれやしない。兄の前で胸を張って誇れることもない。薄汚れた己の汚いてのひらが。誰かを抱き締めて愛する資格なんてないのだと。
 誰かに触れることをも厭い、誰かに笑いかけることさえも恐ろしい。他者のかたわらに自分がある事で破滅を齎すのでは無いかと卑屈にも、怯え続ける日々を過ごす。

 ――僕は、綺麗なんかじゃ無いよ。

 シャノワールは諦観のかたわらに寄り添って、任務を熟す。何時の日か、運命が流転し『逃げ出す』道が現われるか、破滅に寄り添うことになるのかは、彼女と出会う者次第なのかも知れないが。

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