SS詳細
疾走全裸乙女 ♡はじめての風編♡
登場人物一覧
切っ掛けはいつだって些細なことだ。目の前に誰かが倒れていたら迷わず助けようとするし喉が渇いたら飲み物を飲む。ただ、それだけのこと。じゃあ、君は知っているかい──フラワリングホワイトを。そうだよ、とても素敵なギフトだ。初めて視線を合わせた相手の鼓動を、3秒間だけ昂まらせる。今日はその話を──いや、彼女達の話をしようじゃないか。至極、
気まぐれに立ち寄った街だった。だから、ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は傘なんて持ってもいなかった。青い空が瞬く間に鈍色に変わり、これは一雨ありそうだななんて思っていたら案の定、頬に水の粒がぽつりと跳ねた。ウィズィは濡れた頬に触れ、空を見上げる。
「わっ、雨だよ! 雨! みっちゃん、傘持ってたりする?」
女の声が聞こえた。
「ううん、今日は持ってない! わっ、どんどん降ってくるね! あ、ほら! 奈緒、あそこの喫茶店まで走ろう~~~!!」
別の女が甲高い声を上げ、靴音をばたばたと響かせウィズィから遠ざかっていく。彼女達は喫茶店で熱い珈琲を飲みながら楽しい時間を過ごすのだろうか。
「良い時間ですね、きっと……」
ウィズィは呟き、びくりと震え上がった。
「あの、今、良いですか?」
吐き出した息は獣のようでウィズィはその音に興奮する。
「え、あの? わたしが何かしましたでしょうか?」
「……」
ウィズィは目を細めた。
(ああ、やば……この女、抱きてぇ~~!!)
下腹部が瞬く間に疼き──唇を×××、耳を××××ら、××に嚙みつき、今度は服を××××。
「……?」
(あっれれ? 返事をしませんね。いったい、どうしたのでしょうか?)
それでも、ウィズィの真剣な顔つきに澄恋は視線を逸らすことが出来ない。そのうち、ウィズィはぺろりと自らの唇を舐め、無言で澄恋を引っ張っていく。もう、抱きたくて抱きたくて仕方がなかった。雨が強く降り始める。
「え? あ、あの? 一緒に雨宿りでしょうか? あれ?」
澄恋はウィズィに引っ張られ、路地裏の壁を背にする。
「あの、此処に屋根はないのですけど? 濡れちゃいますよ~~?」
澄恋はきょろきょろと辺りを見渡し、その身を静かに震わせる。頬にウィズィの熱い手が触れていた。
「えと?」
「少し、静かにしてください」
掠れた甘い声。ウィズィの両手が澄恋の頬を包み、唇をあっという間に塞ぐ。言うなれば、嚙みつくような余裕のないキス──からの舌。
「!?」
目を見開く澄恋。情熱的なキスとテクニックにびっくり。
(ぐっはっ! 良すぎて吐血しそうになるくらいのキッスですよ、これは! む? ということは、これは誓いのキスでしょうか? ──んっ、あっ!? あっ、危なかった……! これぞ、花嫁修業の賜物ですね!!)
澄恋はがくりと落ちそうになる腰を支えるため、ウィズィの首にどうにか両腕を回したのだ。その瞬間、ウィズィがくっと笑う。
(大抵の女の子は此処で失神するんですけどね?)
ふと、ウィズィの手がだらりと下がり、花嫁衣裳の上から澄恋の胸に触れ、その輪郭を必死に探し出そうとする。路地裏、降りしきる雨とキス。高まり合う興奮。ウィズィは澄恋の牙や口内を舌先で味わいながら、手は澄恋の胸を世話しなく探し、雨はリア充を滅するかの如く、降り続く。澄恋以外、大忙しだ。
「ああ、笑っちゃうくらい楽しくなってきました……!」
興奮した表情を浮かべるウィズィ。めちゃくちゃ良い顔をしている。
「はい、わたしもです……! あの、もっと沢山して……くれませんか?」
澄恋は頬を染め、誘うように笑った。
雨の音さえ聞こえなかった。
見つめ、絡み、互いの唇や舌を何度も甘噛みし、震え──蔦のように抱きあう。
「今日はとても素晴らしい日ですね!」
澄恋が目を細め、顔をとろけさせる。愛をひしひしと感じ、脳内では既に縁側で一緒に茶を飲んでいる。
「きゃっ!? ごめんなさい!! し、失礼しました!!」
迷い混んだのだろう。雨でぐっしょりと濡れた女がウィズィと澄恋をびっくりした表情で見つめ、すぐに走り去っていった。
「驚かせてしまったようです」
ふふと笑う澄恋。甘い汗と雨が混じり、へっちなオーラが漂う。
「ええ、そのようで」
ウィズィが強気に笑い、前髪から雨を滴らせ真っ直ぐ、澄恋を見た。澄恋は目を細める。とても素敵な人だと思った。
「それにしても、暑いですね」
ウィズィは腕を伸ばし澄恋を引き寄せ、澄恋の服を乱暴に脱がせ、自らの服を脱ぎ散らかし微笑む。澄恋は喉を鳴らしウィズィに見惚れ、ときめく。
「鍛えているのでしょうか……至極、良い身体です……」
澄恋は綿帽子を脱ぎ、ウィズィの引き締まった身体を味わうように唇を脇腹に落とし、上目遣いで微笑む。
「あの……あなたの名前を教えていただけませんか?」
「私はウィズィ ニャ ラァム。では、今度は貴女の名前を」
ウィンクを得意気に決めるウィズィ。水も滴るいい女が凛と立ち、楽しそうに澄恋の身体に触れる。
「ええ、ウィズィ様。わたしは澄恋と申します」
並の女であれば瞬く間に悲鳴を上げ、水泳選手のようにウィズィの胸の中に飛び込み、シーツという名の海で泳ぐはずなのだが──澄恋は手でハートを作り、にこにこしている。ウィズィは楽しそうに笑う。
(あ~~、面白い人です!)
「澄恋さんね。なら、もう少しだけ私と──」
手を重ね、ゆっくりとキスをする。
雨は……くっ! あろうことか止み、水溜まりに青い空が映っている。
「ウィズィ様、早く! 早く、行きましょう! この街がわたしたちを呼んでいますよ!」
全裸でそわそわする澄恋。
「ええ! 恥ずかしいのですが私、そういうの大好きです! 澄恋さん、素っ裸を存分に楽しみましょ~~!! あ~ワクワクです!」
によによするウィズィ。意図は分からないが今から
「おやおやぁ! ウィズィ様は恥ずかしいのですね。わたしは風! 風を感じています! あ゛~~~大地と愛が気持ちE~~!!」
澄恋はノリノリで両手を空に伸ばし、雄叫びを上げた。
「かっ、かっ! か弱い乙女ぇええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
からの宙返り。花嫁は絶好調だ。一方でウィズィは澄恋の叫びに一瞬、ぽかんとしたがすぐににやりとする。
(ふふ、見ちゃいました!!)
ウィズィはにやにやしながら走る準備──澄恋の裸体を上から下までガン見しつつ、柔軟体操を行っている。青春の1ページみたいで何だか狡い。
「よぉし、絶好調! 走りますよ~~~!」
澄恋はパンと頬を叩き、謎の気合いを入れ、仁王立ちでばぁーんと立っている。
「むむ! 女性警察官の気配がします」
ウィズィが澄恋の下半身をハイタッチするかのように触れ、振り返ると。
「貴女達!! ど、どうして裸なんですか!?」
キュートな顔立ちの女性警察官が顔を真っ赤にし驚く。不幸なことにパトロール中のようだ。
『それは……二人だけの秘密です』
ウィズィと澄恋は自らの唇に人差し指を当てノリノリで駆け出す。
「ウィズィ様、このスリル楽しいです!」
「はい、癖になっちゃいそうですよ!」
「待ちなさい!」
女性警察官はローレット・イレギュラーズの素早さに敵うはずもなく途中で力尽き、見えなくなった。
「産まれた時の姿! すなわち、裸体が一番のオシャレですよね、ウィズィ様! 健康にも良いですしね! 火照った身体に風がキマる~~!」
並走し、澄恋の身体をガン見しているウィズィの胸や腰を何度も楽しそうに指で
「ええ。澄恋さん、裸体はファッションかつパッションです! う~ん、良い風と羞恥心がぐっときますね、心に! 誰よりも強くなれそうです!」
身をよじり、ウィズィは鷲のポーズを軽やかに決め、失速。
「す~み~れ~さぁん!」
ぴょんと澄恋の背後に立ち、両手で澄恋の胸を嬉しそうに掴んだ。
「ふふ、お胸を発見しました!」
『◎✕□△ッ!?』
途端に聞こえる絶叫。女性専用の美容室の前、ガラス張りのところであろうことか立ち止まったのだ、澄恋とウィズィは。驚愕する女性スタッフと客達の前で澄恋とウィズィは飛び出し、『いぇ~い♪』
ダブルピースをしつこく披露し、変顔で横断歩道を駆け抜け──公園にたどり着く。水飲み場でウィズィは、がぶがぶと水を飲み、「見るのも見られるの超気持ちいいですね、快感が娯楽になりそうです!」
顔を上げ、軽やかにうんていにしがみつく。
「ほっ、ほっ、ほっ♡」
良く解らない声を発し、どんどん進んでいくウィズィ。無邪気かつ筋肉が最高だが、全裸であることを我々は忘れてはならない。
「皆様の驚く顔がとても良かったです。ウィズィ様! また、一緒に走りましょうねっ!!」
澄恋は言いながら、
「見てください! ハイスピードですよ! って、あれ!? あぶ、あぶ、あぶぅ!?」
地面に頭と尻がつきそうなくらい激しく揺れている。
「澄恋さん!!」
うんていから手を離し、澄恋のスプリング遊具を片手で押さえるウィズィ。まるで、王子のよう。ただ、服は勿論着ていない。
「ウィズィ様! た、たっ、助かりました!!」
澄恋は潤んだ瞳でウィズィを見つめ、よろよろとウィズィの胸に飛び込む。

おまけSS『それぞれのファン達』
「ねぇねぇ! 今日、ウィズィ様が近くにいたみたいなんだけどあ~~、是非とも口説いてもらいたかったわよ!」
「ふふ、貴女、彼女のファンだものね」
「そうなの、あの身体……ほんと……良いわよね……見惚れて涎が出ちゃうし、触りたくて震えちゃう♡!! で、君は澄恋さんのファンなんでしょ?」
「そうそう。彼ピを錬成する方法を教えてもらいたくて! 若い髪の毛とか必要なのかなぁ? それに花嫁修行を一緒にしてみたいんだ!! ほら? 花嫁って誰よりも強くなきゃいけないでしょ?」