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暗闇の先

登場人物一覧

小金井・正純(p3p008000)
ただの女
小金井・正純の関係者
→ イラスト

名前:御狩 明将(みかり あきまさ)
種族:八百万
性別:男性
年齢:15歳(遮那と同年)
一人称:私、俺
二人称:貴殿、貴方、遮那様、お前(対:吉野)、正純さん
口調:~です、ですか、かもしれませんね。素の時:だろ、だよな。かもしれない。
特徴:天香長胤派貴族『御狩頼将』の五男。
設定:
 父より聞かされた長胤の功績や武勇に目を輝かせた幼少時代。
 神逐の戦いの折り、一家総出で戦い抜いた兄達は全員討ち死に。
 長胤の死に戦場から帰った父は覚悟を持って家を焼き払い自害した。
 それが彼にとっての忠誠の証だったのだろう。
 母は父と共に往くことを望み。当時元服ではなかった『子供』の明将だけが焼け出された。
 兄と共に戦場で華々しく散ることも出来ず、父母のように主の為に忠義を尽くすことも出来ず。
 たった一人、逆賊天香長胤を信奉する家の子供として取り残されたのだ。

 今まで心優しく接してくれていた近所の人々が、手の平を返したように明将を冷たくあしらった。
 仕方がない事だろう。身に振りかかる火の粉は振り払われるべきだ。
 周りの住人の害虫を見るような視線が明将に突き刺さる。
 面倒くさい。早くどこかへ行ってしまえ。見えない所で死んでほしい。
 そんな視線から逃げるように、人の目の届かぬ場所へ登っていく明将。
 空腹と朦朧とする意識の中進んだ先に見えた社。
 人の気配に咄嗟に逃げようとするも絡んだ足が縺れて地面に転がった。
 手を差し伸べてくれたのは 小金井・正純。遠い場所からやってきた『神の御使い』だった。

 正純に拾われ星の社に住むようになった明将は、来訪した『天香遮那』に大層驚いた。
 現在の天香当主。逆賊を打ち取った者。父の仇。
 本来であれば今すぐにでも打ち倒さなければならない相手だろう。
 けれど、自分や正純へ屈託無い笑顔を向ける遮那は自分と同じ子供だった。

「……父は長胤様に忠誠を誓っていました。貴方には、思う所があります」
 思うところがある。それは事実だろう。
 けれど、それは果たして『己自身』の気持ちなのだろうか。
「そうか。兄を慕ってくれていたのだな、ありがとう。その想いに恥じぬよう精進して往く」
 否定されるのだと思っていた。周りの住人と同じように嫌な視線を向けられるのだと。
 そうされる事で嫌な奴として遮那を嫌ってしまえたのに。それを打ち砕くように。
 遮那は明将の言葉を受け止め、それでも尚、手を伸ばしたのだ。

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