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『変わり者』を支える若き学士

登場人物一覧

マーク(p3x001309)
データの旅人

名前:マルク・シリング
種族:人間種
性別:男性
外見年齢:22
一人称:僕
二人称:~さん
口調:だ、だよ、だよね?/【目上、交渉相手】丁寧系
特徴:外見【柔和】【凡庸】【学者風】【モブ顔】【たれ目】/内面【朴訥】【世話好き】【理知的】

 幻想の辺境、鉄帝との国境近くの寒村を出身とする、やや垂れ目がちな線の細い印象の青年――それがマルク・シリングという青年である。
 これはネクストにおいても混沌においても変わらない。
 マルクの運命が混沌と変わったのは、テレーゼ・フォン・ブラウベルクという少女との出会い方であった。

「ギルダー様、私に1人、良い人材を紹介してほしいのですけれど」
 学才と商才を買われて商家に引き取られたマルクは、そんな言葉と共に、兵役に出るよりも前にシリング商会を訪れた『変わり者』の令嬢に『今後の市場での優遇処置』を条件に召し上げられた。

 そこから先は、まず先にテレーゼ・フォン・ブラウベルクという貴族の現実こんとんとの差異を記さねばなるまい。
 混沌におけるテレーゼは、幻想南部に存在する小貴族ブラウベルク家の実質的当主であり、イオニアス・フォン・オランジュベネの血の繋がらない姪にあたる。
 対してネクストにおけるテレーゼは、婿にあたる。
 1世代繰り上がったような差と、反転がないせいか比較的善良になっているイオニアスの影響でテレーゼの立ち位置はまるで違う。
 『貴族の令嬢としてのやるべきこと』が人生の基幹となったテレーゼは、それを『暇』と切り捨て、ブラウベルク領南部の一部を兄に割譲させて自分の領地としている。

 さて、改めてマルクの話に戻ろう。そんな『変わり者の令嬢』に側仕えとして起用されたマルクは、割譲されたブラウベルク領南部の中心地・エーレンフェルトにおいて、持ち前の柔軟な物腰と商才、学才を発揮して交易都市として発展させた。
 その一方、一見すると穏やかながら刹那主義的で野心家の一面も見せるテレーゼを支える参謀としても活動しているらしく、そもそもエーレンフェルト割譲自体、マルクの策という噂もある。

  • 『変わり者』を支える若き学士完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別設定委託
  • 納品日2021年06月06日
  • ・マーク(p3x001309
    ※ おまけSS『ある日の、ありふれた一頁』付き

おまけSS『ある日の、ありふれた一頁』

「マルクさん、今日の予定はなんでしたっけ?」
 空色の青をした髪を風にさらりと遊ばせ、テレーゼが微笑する。
「午前中に執務は終わりましたから、急を要するものはありません」
 それはいつも通りの受け答え。
 分かり切った問いを聞いて、マルクはいつものように分かり切ったことを告げる。
「そうですか。そういえば、近頃、賊が出るという話が聞かれましたけど?」
「それなら、もう討伐準備を始めています。直ぐにでも報告が聞けるとおもいます」
「そうですか……それならいいんです。
 あの義弟に家の主導権を持ってかれる前に、自分の身を守れるようにしておきましょう。
 その為の作戦、考えてますよね?」
「はい、今日も交易と町の市場の活気は続いていますし、近隣の村落の開拓も進めています」
「それじゃあ、いつも通りお願いしますね? マルクさんの事、頼りにしてますから」
 静かに、テレーゼがその笑みを深くする。
「ありがとうございます。それじゃあ、いつも通り、お茶にしますか?」
 テレーゼの微笑を肯定と取って、マルクはその場を後にする。
 ――それはいつもどおりのこと。何も変わらぬ、いつも通りの日常だった。

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