SS詳細
石油+
登場人物一覧
名前:ハンス・キングスレー
種族:飛行種
性別:男性
年齢:20
一人称:僕
二人称:~くん、~さん
口調:です、ですね、でしょう?、だよ、だね
特徴:いいにおい、お洒落、寂しがり、エゴイスト
設定:
ハンス・キングスレーを語るにおいて、<カルペ・ディエム>の説明を外す事は難しい。
それはかつて幻想と天義の狭間の水域、『ヘリオトロープの丘』と呼ばれる幻の地に在ったとされる宗教結社であり、彼の狭い世界の全てであった。
欲望を全の一とするカルトは刹那的な快楽主義と全ての肯定という或る種の思考放棄の極致に、他力本願なる『願望器』を産み落とす。
それが教団における聖人であり、生まれ持った祝福を理由に彼らに期待を一身に背負った幸せの青い鳥――ハンス・キングスレーその人である。
カルトに例外に漏れず、不可解にして不合理的な彼等の教条が定める『祝福』或いは『救済』が果たして俗世に通用するものかは知れなかった。
それは閉鎖社会の抱いた哀れな妄想であり、暴走だったかも知れない。
しかしながらハンスは間違いなく彼等にとっては聖別された存在であり、特別な象徴に他ならなかった。
混沌のハンスとネクストのハンスの道を決定的なまでに違えさせたのは彼を囚える黄金の鳥籠の行く末であった。
混沌におけるハンスの檻は宿業たる魔種によって破られたが、ネクストにおいては異なる。
人外じみて美しく、そしてその芸術家の彫像の如き容貌に『相応しく』。
教団の望んだ通り天使の心を有し育ったハンスは天上の音楽を奏で、終末のラッパを吹くかのように生まれ育った教団を破壊したのである。
鳥籠を破壊されなかったハンスは心通わす友人と出会う事もなく、何に救われる事もなく『完成』したのだ。
『教義の通り』に自身の好奇心なる快楽を優先し、彼が誰かの耳元で誘惑堕落を囁けば老若男女が魅了に狂う。
彼はまさに人の魂を歪める質量を持った魔性であり、全ての欲得を肯定する庭は彼にとって最も容易い狩場だったのである。
あらゆる生命を誘惑し、人々の欲望で遊び、他者を自らの幸福と快楽の為に消費する――その行為は強いて言えば『天使の実験』に過ぎず、何の使命感も何の達成感も無く、自身を囲う全ての人々の感情を、価値観を歪めたハンスは結果的に生じた『破滅的結末』に感慨する事も無く、行く先も決めずに解き放たれた。
この魔性は人を狂わす石油の如しであった。アラブ歓迎。慈悲はない――
- 石油+完了
- GM名YAMIDEITEI
- 種別設定委託
- 納品日2021年05月25日
- ・リラグレーテ(p3x008418)