SS詳細
蒼き月夜の教導者
登場人物一覧
名前:ルーキス・グリムゲルデ
種族:旅人
性別:女性
外見年齢:25
一人称:私
二人称:キミ、呼び捨て
口調:だ、だよ、だよね?
特徴:【理知的】【浮世離れ】【眼鏡】
私立Edelstein魔術学院に務める魔術講師。
奇しくも、その名称は混沌でのルーキス・グリムゲルデがそちら側で開いた喫茶店のそれと同じであり、Edelsteinの創設時から関わっていたとも言われている。
そもそも、Edelstein魔術学院は伝承・正義の国境の一角に中立地帯として存在する小さな私塾である。
『ある種の特異な魔術体系を有する魔術師達が己の研究の発展の為に』生徒という名の助手を受け入れることで出来たという。
その事情の通り魔術または魔法を専門とし、かつその体系が特徴的であれば来る者拒まずの体制となっている。
それ故、禁呪や非人道的な研究がされたりもすることもあるのだが、その気配のあった講師はいつの間にか姿を消し、学院を去ったことになっているという。
ルーキスの専攻は召喚術、鉱石学、錬金術、天文学(月)など。
特に召喚術と錬金術は極めて高く体系化され、完成されている一方で――あるいはだからなのか――非常に難解で且つ癖が強い。
授業中でこそ真剣であるがゆえの恐ろしさもあるが、分からないところや着いていけないとちゃんと言えば一人一人に丁寧に教えてくれる。
褒めるところは褒め、律するところは律し、守るべきものは守り、導くべき者は導き、手放すべき者は手放す、教導者らしい教導者。
授業の外では社交的かつ気さくなお姉さんといった雰囲気を見せる。
そのため、授業は非常に反響が大きく、生徒も多い。
なお、そんな風に対応しているので生徒たちからはかなりモテる。
そしてそのたびに右手の薬指に光る一対の翼を模した宵の指輪が撃沈させる。
それでも言い寄る生徒には魔銃が火を噴いたりしなかったりするという。
その他にも教会や聖遺物を苦手とし月夜を好む性質や、その風貌に関しては混沌におけるルーキスとほとんど差がない。
すなわち、ネクストにおけるルーキス・グリムゲルデという女性は『教導者』としての一面がより濃く反映されていると言える。
本人はあまり過去を語らずこれからの研究に没頭している部分が多いが、Edelstein創設以前は軍に属していたとも言われている。
おまけSS『ルーキス先生の召喚術』
「気を付けて慎重に。一個でも手順を間違えるとどうなるか分からないからね」
美しき白髪を右腕で微かに払って、右手の指先でつまむように手に取る術具を見せながら、ルーキスは一人一人の生徒たちに視線を巡らせた。
とは言いつつ、『どこの手順をどう間違えたらどうなるか』はある程度の察しがついている。
けれど、それは今はまだ言わないでおこう。
――ほら、今日もきっと一人ぐらいは。
「キミ達はまだ私の召喚術における初歩の初歩に足の先を入れただけだ。
焦らず、一つ一つでいいんだよ」
生徒たちの手元には小さな魔法陣が描かれた紙が一枚。
「私が一人一人見ていくから、それまで召喚しちゃだめだよ」
なんてことを言いながら、1人目、2人目と小さな猫のような小動物を召喚するのを見ていると、うわぁ、と悲鳴が一つ。
――ほら、思った通り。一人ぐらいはヒトの話を聞かないのだから。
「そこのキミ、2つ目の手順を横着したね?」
驚いた様子を見せた生徒へ、歩いていく。