SS詳細
リースリットにすりすりする本
登場人物一覧
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これは同人サークル『表ファンド』にて配布された同人誌『リースリットにすりすりする本』の内容である。
混沌世界に実在する人物団体なにかっつーとエロいピンにされる深緑バニーとは関係ないんだからね、勘違いしないでよねっ(ツンデレ)。
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俺の名は新田催!
普通の高校生だ。
ネットで偶然手に入れた催眠アプリで幾人ものクラスメイトたちの痴態を露わにしてきた。
今度のターゲットは……。
「おはよう……新田くん。肩に、蝉の抜け殻ついてますよ……」
秋の葡萄酒畑のごとく黄金色の長髪。
腰に届くような髪がPPP学園制服の短いスカート丈に重なってさらさらと揺れていた。
彼女の名はリースリット。出席番号23番。
クラスで村焼き委員をしている美少女だ。
すれ違った時にふわりと香る甘いブドウのような香りはなんだろう。
豊かな、しかし主張しすぎない美しい乳房はなんだろう。
ほっそりと、しかしどこか健康的な肌はなんだろう。
左耳にかかる髪だけをワンポイントにまとめた三連リボンと、長く突き出たエルフ耳。
その魅力にとりつかれた男たちが焼却炉前で告白するも、いつも玉砕していた。
そらみろ今日もだ。
「ごめんなさい……つきあうとか、私、わからないから……」
目をそらして、顔を赤らめて男子の告白を断わるリースリット。
その顔つきから脈ありかもと思い込んだ男子の食い下がりっぷりは軽くエンタメ化していて、パリピ組はリースリットが告白されるたびに影からのぞき見しているという。
だが、残念だったな。
リースリットはもう、俺のものになるんだよ!
「バイバイ……新田くん。肩に、福助人形ついてますよ……」
放課後の教室。委員会の仕事で残っていたリースリットは、偶然を装って教室に入った俺とすれ違った。
甘い香りに我を忘れないうちに……っと。
起動した催眠アプリの催眠画面を見せると、リースリットは簡単に堕ちた。
「フ……堕ちたな」
目をぐるぐるとさせるリースリットの耳元に、画面を見せたまま囁きかける。
「いいかぁ、リースリットぉ。お前は今からあんなとこやこんなとこに、あんなものやこんなものをすりすりするんだ。
ただしすりすりしている間俺のことは見えない。いいな?」
「はい……」
「ククク、いいぞ。まずはこの教室でだ。始めろ」
アプリ画面を閉じ、黒板の前に立つ俺こと新田催。
それがまるで見えてないように……いや見えていないのだろう。リースリットは『忘れ物しちゃった』といって教室の扉をしめた。
そしてそっと内鍵をかけると、自分の机へと歩いて行く。
揺れる短いスカートの内側がどうなってるのか楽しみだなあ、ええ?
きっとこうなるに違いない……!
あっ机の角だ!
↓
すりすり
↓
気持ちいい!
↓
昇天
↓
俺満足
↓
世界平和
さあ俺の可愛いリースリットぉ、世界平和のために机の角にすりすりしろぉ!
「あ、机の角だ……」
自分の机をじっと見つめたリースリットは、そっと自分のスカートの裾を掴んだ。
自分の『いたずら』を自覚しているように、その罪深さが分かっているかのように赤面し、けれどあらがえぬ欲望に突き動かされるように歩み寄る。
教室に『誰も居ない』ことを確認し、廊下を誰も通らないことを願うように振り返り、そして……!
「あー、机の角つめたくてきもちいい……」
といってうっとりとほおずりをした。
「…………」
「世界平和ー……」
「……」
それから軽く二十分くらい机の角にほおずりすると、リースリットは『私、なにやってるんだろう……誰にも見られてないですよね……?』とか言いながら慌てて服を整え、鞄を掴んで教室を出て行った。
窓を見る。反射した窓には、唇を噛んで顔中の全ての筋肉をつかって皺という皺をつくって血涙を流す俺こと新田催の顔が映っていた。
俺は諦めない。なぜなら新田催だから。
三週間にわたるストーキングの末、リースリットが必ず乗る電車を突き止めた俺はホームに並ぶリースリットの背後にそっと立ち、彼女の肩を叩いた。
「おはよう……新田くん。肩に木彫りの熊ついてますよ……」
振り返ったリースリットに、俺はすかさず催眠アプリの画面を見せた。
「フッ……堕ちたな」
目をぐるぐるにしたリースリットの耳元に、小声で囁いやてる。
「福す……じゃなくてリースリットぉ。おまえは今から電車のなかですりすりするんだ」
「はい……」
「いいか、今回は胸だ。胸だぞ。間違えるなよ? 絶対間違えるなよ?」
「はい……」
「あと相手はおっさんだ。その辺の脂ののった……ああ今前に並んでるやつがいい。このおっさんにやるんだ。おっさんの大事なものをすりすりするんだよ」
「はい……」
「復唱してみろ」
「胸……すり……前のおっさん……大事なもの……」
「あと尻もだ! おしりもやれ!」
「しりも……」
「そうだ、いけ」
すぐに列車はやってきた。プシューという音と共に開く扉へ、リースリットは何の疑いもなく乗り込んでいく。
ククク、一体おっさんの何をすりすりするんですかねぇ――こうだ!
あっ、おっさんの大事なものだ!
↓
すりすり
↓
おっさん大慌て
↓
さらにすりすり
↓
きもちいい……!
↓
おっさんもあらがえない!
↓
さ、次の駅で、おりようか……。
↓
世界中の病気が治る
ククク、リースリットぉ! 世界中の病気を治すためにおっさんをすりすりしてやるんだよぉ!
俺の狙いどおりリースリットはおっさんを押すように車両の隅へ寄せ、そっと手を伸ばした。
巧みな、そしてどこに入れられているのかも気づけないほど素早いリースリットのすりすりはおっさんの――!!!!
(あっ、おっさんの大事なものだ)
おっさんの高級そうな革財布をスリとって自分のポケットにいれた。
「あ、あれ!? 僕の財布がない! いつのまに!?」
とか言ってる隙にハイもうひとスリ!
おっさんの尻ポケットに手を伸ばしたかと思ったらもうスマホをスッてる! 天才! 神!
が、背後にいた別のおっさんがリースリットの手首をガッと掴んだ。
「さ、次の駅で、おりようか……」
「私服警官!?」
止まる列車。
開く扉。
引っ張られていくリースリット。
だがそこはリースリット。私服警官の手を捻るようにして拘束を解くと、隣のホームめがけてダッシュ&ジャンプ!
列車一両分の幅を飛び越えると、ホームを転がってその衝撃を逃がした。
「……あばよ、です!」
ビッと二本指を立てると、リースリットはそのまま駅の出口へダッシュ。警官も慌てて追いかけるが満員電車直後の人混みがそれを許さない!
なんという華麗な逃走! なんという華麗な犯罪!
俺こと新田催は思わず拍手していた!
血の涙を!!!!!!
流しながらな!!!!!
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――Produced by PPP, Ltd
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