SS詳細
Little Little Lamb
登場人物一覧
名前:メイメイ
一人称:わたし
二人称:~さま(おにいさま、おねえさま)
口調:です、ます、ですか?
特徴:もふもふ好き、食いしん坊
設定:
牧畜や毛織物、刺繍細工で生計を立てる数家族で構成された小さな小さな部族、その一家族の末の娘がメイメイだ。
混沌世界のメイメイ・ルーよりも幾分か幼く、両親と二人の兄と四人の姉と仲睦まじく過ごす毎日だ。
絵本を愛し、早くから仕事をする姉たちの手伝いをするために刺繍を学びながら穏やかに流れる日々を幸福に過ごしている。
メイメイは曽祖母が好きだった。仕事をまだ出来る年齢ではない彼女の面倒を見ているのは何時も曽祖母であった。
曽祖母が語る教訓めいた『羊と狼』の物語――飢えた狼さんが仔羊を食べてしまいそうになる物語はメイメイにとっては悲しいお話であった。
狼さんが襲い掛かろうとしたその時に、猟師が助けてくれるのだ。
もし、何かが違えば狼さんは羊を食べなかっただろうか? 狼は本当に怖い存在なのだろうか?
絵本の中で仔羊さんと狼さんは仲良くなれないでいる。どうしてなのか、分からないけれど、仲良くなる事ができたならば……。
――そして、ある日、メイメイは洞窟の中で一人の青年と出会った。
彼はそんなにも恐ろしい事はやっていないと言った。勿論、メイメイも己を前にして優しく微笑んでくれた彼がその様なことをするとは思えない。
大怪我を負っていたアルトをメイメイは介抱し「悪い猟師さんはもういませんよ」と微笑んだ。
まだ幼いメイメイは
故に、少女は青年に定期的に食事を運び、傷の手当をし続けた。
「心配させてしまうから、おにいさま、おねえさまにはひみつですよ」
そうして、メイメイは小さな体で大きな秘密を抱えている。
……狼の獣種の脱出兵を匿うという、とても恐ろしい『秘密』を胸に抱いて。
何時の日か、狼さんは怖くないのだと曽祖母に教えると、そう決意しながら。