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ナディア・ベールの肖像・3

登場人物一覧

沁入 礼拝(p3p005251)
足女
沁入 礼拝の関係者
→ イラスト

名前:ナディア・ベール
種族:グリムアザース
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):若く見える
一人称:わたしたち
二人称:おまえ 呼び捨て
口調:よ なの ですか? 子供っぽい口調と敬語が混じる
特徴:血色の悪い病的に白い肌 色のない髪 赤い瞳 太いへその尾とその先に連なる我が子 二本角
特徴(我が子):ぶよぶよに膨れ上がった肉塊 表面を覆う充血した粘膜 常に空腹を訴える巨大な口のみが人間性を残す
設定:
 ナディア・ベール。
 怠惰の魔種。己の身へ起きた事実から目を背け、神へすがっただけの弱い女。
 胎内へ飼っていた我が子はとうに反転し、彼女を呼び続けた。その誘惑に負け、ナディアは魔種へ変わった。
 腐敗した貴族によって踏みつけられてきた彼女は幻想という国そのものを憎んでいる。
 もはや帰るべき場所はない。家族を皆殺しにしたのは彼女自身の意志だから。「救い」と言う名の斧をふるい、愛する家族へ救済<死>を与えたあの時から、この運命は決まっていたのだろう。
 今夜も彼女は闇に紛れ暗躍する。
 もはやそのまなこに良心も理性もかけらも残っていない。あるのは血しぶきの快楽への欲求と豪雨の如き復讐心、うるわしい善意の残り香。貧民も貴族も関係ない。幻想に属している、それだけで彼女の狂気の対象となり「呼ばれる」。彼女の狂気に触れたものは、犬畜生であろうと反転してしまうだろう。彼女を野放しにする限り、幻想民は眠れぬ夜を過ごすことになる。

 かつてあった美しい翼はもうなく、すべての色を我が子に吸い上げられた体には二本の角。
 ごっそりと肉の落ちた腹からは太いへその緒が飛び出ており、巨大な肉塊と化した我が子へつながっている。
「もう誰にもわたしたちは止められない。腐ったこの国から誰もを救ってみせる」
 かろうじて赤を残した瞳に映るのは血の色。高ぶりに負けて次々と咲かせる花。もっともっととよがるのは己の意思か、それとも名もなき我が子か。二体でひとつの魔種になった彼女と対峙するならば、よほどの覚悟を持って挑まねばならないだろう。
 膨れ上がった子の巨大な口から発せられる呼び声はウォーカーといえど注意しなくては、一撃で意識を持っていかれる。
 彼女にとって「反転」とは「救済」だ。ねじくれた、心からの善意を持ってナディアはあなたを「呼ぶ」だろう。その声に抗うことができるのか、それはあなたの魂の強さにかかっている。

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