SS詳細
由香の毎日
登場人物一覧
名前:一ノ瀬 由香
一人称: あたし
二人称:あなた、~さん
口調:だ、だよ、だよね?
特徴:【可愛い】 【愛嬌がある】 【年下に見える】 【長髪】 【魔法少女風】
設定:
13歳。沢山の事に興味のあるお年頃。
おはようと笑い合っていた幼馴染みもいないけれど、幸せだと感じていたママとのご飯もないけれど。
当たり前ばかりの世界が変化して、新しいばかりに変わって。
それでも由香は前を向き、何時だって楽しいねと笑みを浮かべて過ごしている。
訪れた混沌での生活は由香にとって楽しいことばかり。パパとママに『教えてあげる』為に何だってチャレンジを。
初めて食べるものも沢山。日本にはなかった食べ物でも一度は口にしてみたい。甘いものも辛いものもなんだって美味しく食べなくちゃ『損』だから。
お洒落だって大好き。きっと、友達にはコスプレだ! と笑われる服だって沢山沢山着てみたい。
可愛いお洋服に、試しに着用してみた鎧に、それから……その中で、とびきりの『大好き』を見つけたい。
「趣味を作りなさい」と父が言っていた。
指折り数えて見れば「食べること」「お洒落」「お外に出ること」……それから、最近は魔法の練習に路地裏の猫探しに……。
何にだって興味があって、チャレンジする事が楽しくて。多の恣意を探せば趣味と言えるほどに没頭したり長続きして居ない気がして由香は小さく笑みを零した。
パパが言うような『とっても素敵な趣味』はまだまだ出来そうにないけれど、何だってチャレンジしたい。
街を歩けば沢山の面白いが溢れているから。食べ歩きも沢山してレシピを覚えてお料理を趣味にしても楽しい筈だ。
そうやって、沢山の事に触れる『おためし期間』だと自分のことを言い聞かせた。
ローレットで働く時に紹介された下宿先のパン屋の女将さんはママとは少し違っておっかないところもあるけれど。
「由香」と呼んで笑ってくれる快活な笑顔が大好きで。
日替わりにサンドウィッチを持たして背を叩いて送り出してくれる。気の向くまま、足の向くまま。
好奇心は乙女の何よりの原動力になる筈だから。
楽しいことは日記帳にちゃんと忘れない様に書き連ねて。辛いことも、悲しいことも。由香が生きてきた証を残すように。
――今日も、いってきます!
おまけSS『『いってらっしゃい』』
こじんまりとした幻想のパン屋。それが由香の下宿だった。
ローレットの住居斡旋で年若い由香を一人で住ませるのはどうかと意見が上がり、用意された下宿先だ。勿論、何時でも一人で暮らしたくなれば家屋を紹介される手筈だ。
両親との別離の戸惑いで暫くは置いて貰ったが『パン屋さんのお手伝い』も其れなりに馴染んできた。
パン屋の女将さんは怒ると怖い。それでも、由香を我が子のように大事にしてくれていることは分かる。
「由香、今日は何処に行くんだい?」
「そうだなあ……通りをぐるっと歩いてこようかな?」
「じゃあ、帰りにトマトと、好きな材料を買っておいで。明日のお弁当だよ」
にかりと笑った女将さんが行ってらっしゃいと肩を叩いてくれる。その言葉が『
――少しの寂しさが過った。