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『<祓い屋>夢喰の咎』雑賀 才蔵編
登場人物一覧
名前:雑賀 才蔵
一人称:俺
二人称:ミス(ミスタ)
口調:だな、だろ、だろう?
特徴:任務中に仲間を護るため愛しき人をその手で葬った罪を抱えている。暁月には親近感があるようだ。
設定:
二月も中旬に差し掛かったこの日。
才蔵はカフェ・ローレットからの要請で『燈堂家防衛戦』へと参加していた。
希望ヶ浜の祓い屋燈堂一門といえば、夜妖憑きを祓う集団として有名だった。
特に、当主の暁月とは希望ヶ浜学園で出会い、世間話をするぐらいの仲ではあったのだ。
その『知人』からの救援要請だ。
才蔵は死力を尽くし、迫り来る夜妖から、眠っている暁月達を守ったのだ。
そして、一息吐く間も無く悪性怪異獏馬と龍成が燈堂の地に出現した。
才蔵は目の前に現われた幻影が恋人へと姿を変えていくのをじっと見つめて居た。
己が標的ごと撃ち殺した愛しき人。その罪を忘れぬ為に遺品を持ち歩いているのだ。
才蔵の前に現われるのはきっと恋人以外に居なかった。
けれど、決定的に。
目の前の恋人が本物ではないと分かってしまう。
本物であるならば己が殺したという事実を背負って生きている才蔵にとって、それは救いになるからだ。
だから、そんな事は有り得ないのだ。
才蔵が背負う罪は許されるものではない。他人がいくら許したとしても己が許さない。
グリード・ラプターの照準は正確に、恋人の形をした幻影を打ち抜いた。
「才蔵、酷い顔してるな」
「ミスタ・暁月こそ。『同じような顔』してるとおもうが」
同じように愛しき人の幻影を打ち払う事に心を乱されている。
狙い定めた銃口が外れる事も、横薙ぐ太刀筋が鈍る事も無いけれど。
それでも、知人――否、『友人』の顔色が苦痛を滲ませている事は分かるのだ。
『双別の軛』は成功し、獏馬は弱い怪異となった。
この二月の事件から龍成と獏馬が燈堂家本邸に住むようになった。
体調が整わない廻と同じようにあまねとしゅう(獏馬)も観察が必要なためだ。
才蔵は燈堂家本邸に足を運ぶ内に違和感を感じるようになる。
『普通』であるはずの暁月の様子が少し変なのだ。
見た目は変わった様子は無い。けれど何処か変であると感じる。
それが何なのか、分からないが気に掛けておくに越したことは無いだろう。