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黎明院・ゼラムの述懐

登場人物一覧

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
黎明院・ゼフィラの関係者
→ イラスト

 ――この忌まわしき世界へとやってきて、幾日、幾時が過ぎたか。私の目標は未だ達せられない。だが、歩みを止めることはない。

名前:黎明院・ゼラム
種族:旅人ウォーカー・人間
性別:女
年齢:22歳(情報登録時点)
一人称:私
二人称:あなた、~さん
口調:~です。~でしょう。~ですか?
特徴:クール、学者肌、社交的、頭脳明晰

 練達での仕事も慣れた。私は私の知識と力を総動員して、練達の様々な機関へと潜りこんだ。秘書として、運営を手伝うものの一人として。名家の令嬢として叩き込まれた礼儀作法と社交性は、こんな所で役に立つことになったわけで、人生、何時、何がどう役に立つか分からないものだ。
 ――己惚れるわけではないが、相応の信頼と実績を、私は得たと思う。彼らの代理として、ローレットへ依頼を繋ぐこともできるし……皮肉な事だが、あらゆる世界の科学技術の結晶たるこの練達という世界は、私の目的と研究の助けにもなった。多くの学者たちが目指しているであろう元世界への帰還。それは私も、想いを同じくする所だ。

 ……端的に言えば、私はこの混沌世界と言うものが嫌いだ。憎んでいると言ってもいい。自分が召喚されたこともそうだが、母様を……ゼフィラ母様を、この地へと連れ去ったことこそが、最も憎むべき世界の悪意だった。
 母様は死んだと聞かされていた……私がずっと幼い時に。元より体の弱い方だったから、死は避けられないものだったのかもしれない。だから、『死は受け入れいてた』。お父様達の、おじい様おばあ様たちの『落胆』は、母様を失ったが故のそれだと理解していた。
 違ったのだ。お母様は、死の間際に――混沌世界へと連れされられていた。だから本当は、母様は家族の前から忽然と姿を消した。この世界は、私たちの家族から、『愛する者の死に目』を奪ったのだ。
 もちろん、ゼフィラ母様は死んではいない。私はこの目で確認した。この世界で生きる母様の姿を。生きていることは良い。だが、『私の家族を傷つけた』この世界を、私は許すわけにはいかない……。

 私の最終目標は二つ。一つは、『母と共に元世界へと帰還する事』。そして『この世界を可能な限り傷つけてやる事』だ。とりわけ後者は、私と同じく思いを持つ者たちとの接触に成功した。たとえそれが、魔に属する者であろうとも……私は構わない。
 私はこの世界への復讐を完遂する。そのためなら……手段などは選ばないのだから。

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