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『若き雌伏の領主』、ウィルフレッド
登場人物一覧
- 志屍 志の関係者
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名前:ウィルフレッド・フォン・ジーグ
種族:純種・人間種
性別:男
年齢(或いは外見年齢):13歳
一人称:ぼく
二人称:あなた、~さん
口調:だ、だよ、だね、だよね、かい?
特徴:柔らかな物腰と、怜悧な思考を持つ少年。
設定:
幻想に領地を構える、小領主の一人。かつては広大な領地を持つ家系であったが、所属派閥の勢いが縮小していくに従い、その領地も取り上げられる形で失って行ったという。
現在ジーグ家は、ミーミルンド男爵の派閥に属している。ミーミルンド派閥は、かつては王家の相談役を祖に持つ一大派閥であったが、マルガレータ・フォン・ミーミルンドの『事故死』をきっかけに、急速に規模を縮小、没落の一途をたどっている。
派閥への参加を行ったのはウィルフレッドの父、グレンヴィスの判断であった。そのことを気に病んでか、心労がたたってか、グレンヴィスは病に倒れ、早世することとなる。その後を継いだのが、未だ子供であるウィルフレッドだった。
受け継いだものは小さな領地。残った者は少ないながらも忠節を尽くす家臣たち。このまま弱小領主として歴史の影に消えていくかと思われたジーグ家であったが、しかしウィルフレッドはそれを良しとはしなかった。
「ぼくは諦めません。必ずジーグ家を復興させます」
残る忠臣たちを前に、彼はそう宣言した。
生き残るためなら何でもやってやる。ウィルフレッドは、ありとあらゆるものを利用する判断力と度胸に充ち溢れた人物であった。
現在、彼は自身の忠臣たちを様々な場所に派遣し、あらゆる情報を入手して回っている。例えば、商人カール・ラメンターことニコライ・シエルトなどがそれだ。部下たちが集めた情報は、彼がいずれ再起を図る際の強力な武器となるはずだ。
志屍 瑠璃の名は、前述のカールつながりで、名前を知っている程度。とはいえ、有用そうな人物である、とは思っているらしい。
先般の『リーグルの唄』に端を発する幻想国内の動乱について、ミーミルンド派閥内も大きく揺れているようだ。とりわけ、盟主たるミーミルンドの動きは、彼の目に見てもどこか怪しい……。ジーグ家が懇意にしているバランツ家にも、何やら胡散臭そうな動きが見える。
ウィルフレッドは、己が企図する『派閥よりの離脱』を、今このタイミングに行うべきかを考えているようだ。
動くべきか。動かざるべきか。彼は今、己の命運をかけた最大の岐路に立たされている。