PandoraPartyProject

SS詳細

グウィネル・バークシーという人物について(下)

登場人物一覧

沁入 礼拝(p3p005251)
足女
沁入 礼拝の関係者
→ イラスト

名前:『汚泥』グウィネル・バークシー
種族:魔種
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):21
一人称:私(わたくし)
二人称:相手の立場次第で敬称を変える
口調:~ですわ、~ですの、~ですこと?
特徴:【純真無垢】【清廉潔白】【正義】【世間知らず】【だったばかりに】
設定:
バークシー家の領地は、すでに取り返しのつかない汚染にまみれていた。
土は生命を否定し、作物を育てることが出来ない。
空気は濁り、住む者の脳を侵す。人々は堕落と快楽を求め、残った数少ない資源を費やすばかりとなった。
誰もが言う。こうなったのは彼女のせいだと。
『妖婦』『悪意』『汚泥』グウィネル・バークシー。

バークシー家は領地を汚染した罪により、貴族位を剥奪された。
グウィネルの父はそれでも家族を養おうと仕事を求めたが、誰も手を差し伸べようとはしなかった。
石を投げられ、罵倒に苦しみ、ついに彼はグウィネルを奴隷として売り払うことを決める。
「お前さえいなければ」
それが、グウィネルが父からかけられた最後の言葉だった。

汚染され、見放された土地。『元バークシー領』。
グウィネルを買い求める声は多かった。
暴力をふるっても、誰も咎めない。それどころか、囃し立てては喜ぶ人々。
脳を侵された彼らに、まともな倫理など残ってはおらず、感情の歯止めをかけることなど出来ないのだ。
純潔はまっさきに失った。腕も足も、羽さえも喜んで切り売りされた。
それでも、それでもと、グウィネルは自分が犯した罪に対する罰なのだと、甘んじて受け入れた。

いつしか。
いつしか彼女が、グウィネル・バークシーであったことを誰もが忘れた頃。
彼女は情欲のために一晩を二束三文で貸し出される奴隷に落ちていた。
それは最後の客の話。
彼女が本当に、自身の正義を諦めてその『声』に委ねることとなった直前のお話。
見すぼらしい男だった。
脳の汚染が進んで目はうつろ、抵抗の出来ない彼女に息を荒くして覆いかぶさるだけの男。
彼は情欲に身を任せているだけで、彼女を見ては居ないようだった。
ぶつぶつとうわ言のように、同じことを繰り返している。
グウィネルにとってはそれでも守るべき民。優しい言葉をかけようとして―――
「お前さえいなければ。お前さえ居なければ。お前さえ居なければ。お前さえ……」

PAGETOPPAGEBOTTOM