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『些細なことについて』について
登場人物一覧
- ニルの関係者
→ イラスト
名前:ミニミス
種族:秘宝種
性別:男性
年齢(或いは外見年齢):Unknown
一人称:私
二人称:あなた様、~様
口調:です、ます、でしょう、ですか?
特徴:
『デ・ミニミスの残滓』
他者から自身に対する印象や記憶を薄れさせる、または失くしてしまう能力。
能力は当人との関係性が薄いものほど強固に作用する……が、それはあくまでも「当人にとっての他者」にのみ作用する。要するに当人が「友人」や「家族」「恋人」など対象を縁深い存在と捉えていればこの能力は働かないのである。
この能力がギフトによるものか、他の外的要因であるのかどうかは定かではない。『調べた者が軈て興味を抱かなくなったために』。
設定:
ニルと同様の製作者によって生まれた秘宝種。製造順としてはニルの『弟』に当たる存在。
コアもニル同様シトリン。肋骨の一部に存在しているが、現在は呪符と拘束具で隠されている。
ミニミスは元々、ニルに施されていた『プロセス』の反動に対する緩和を行うために作られた補助役である。
元々精神面におけるダメージはニル自身のギフトによって軽減されていたが、それでも癒しきれない心の傷がニルの製造者達に恨みとして向けられることが無きよう、それらに代わってミニミスがニルに『プロセス』を行っていた。
――ミニミスが感情を抱かない相手は、ミニミスに感情を覚えない。
『デ・ミニミス』による能力と、ニル自身のギフト、それら二重の備えによって、ニルは内的要因による傷を現在まで免れ得たのである。
……それが続けば、良かったのだろうが。
ミニミスはニルを知ってしまった。
幾度心の傷を負って記憶を失いながらも、再び笑顔を浮かべて日々に一喜一憂するその姿を、ミニミスは覚えてしまった。
――だから『デ・ミニミス』は、最早ニルに働かなくなってしまった。
役割を失った彼は排斥されるはずだった。
能力は外部に影響を与えないよう呪符と拘束具で封じられ『残滓』となり、あとは殺処分を待つだけ。
……それをミニミス自身も理解していたから、彼は覚悟を決めた。
「彼の能力が働かない相手」が、より自由を手にできるよう、己の手を製造者達の血で染める覚悟を。
その後に何が起きたか、どうなったかはミニミス自身しか知らない。
確かなことは、現在のニルは特異運命座標として自由な日々を過ごしており、逆にミニミスは様々な奴隷商の元を転々としているという噂話の存在だけだ。