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OVD症候群(オーバーライドシンドローム)

登場人物一覧

アクセル・オーストレーム(p3p004765)
闇医者
アクセル・オーストレームの関係者
→ イラスト

診断名:OR症候群オーバーライドシンドローム
(画像1:OR症候群のグリムアザースの姿)

『世界が……新しい世界が見えるんです! 新しい世界がッ! 俺は、新しい俺になったんですっ!』
練達の広場で叫ぶ狂人の声を、誰もまともに聞いてはいなかった。「そういうもの」だと思ったし、関わり合いになりたくはなかった。
「こういう奴の多くなった季節だよな」

「……自分が、誰だか分からない?」
『闇医者』アクセル・オーストレーム(p3p004765)が、行き倒れた患者を保護したのは、奇しくも同じような時期だった。
記憶喪失であると思ったが、よく話を聞いてみればそれも違うのだ。

曰く、自分の頭の中に、別の誰かがいるのだという。不愉快な深淵の声が響き渡っていると。そして、患者は時折不気味な笑い声を上げた。誰かの人格が上書きされてしまったかのようだった。

この病気にかかると、二重人格のような状態になり、進行とともに「X」の人格が上書きされ、本来あったはずの人格が失われてしまう。そして最期には、別人となる。姿も変質し、恐ろしい魔種へと変じてしまうのだ。
そうなれば、もう救いはない。
練達は、これをOVD症候群(オーバーライドシンドローム)と結論し、患者を密かに収容している。
一部の研究者たちは、患者をコールドスリープさせることを選んだ。もう二度と、彼らが目覚めないように。

アクセル・オーストレームの洞察:
高熱にうなされる。一晩で症状は収まるが、以来、眠気を発症する。

Phase.1:過眠の症状が出はじめる。忘れっぽくなる。名前を呼んでも反応しない。治療が可能。
Phase.2:別人であるという主張。意識の混濁。泡が弾けるような、耳慣れない言葉の上書き。急な水中呼吸の能力。代償としての地上での呼吸困難。外見の変化。……治療は難しくなる。
Phase.3:本来の人格の完全なる消去・上書き。魔種化、あるいは拭い去れない狂気。治療は不可能。

Phase.1までの段階で、呼びかけ、自分が誰であるか思い出させることが出来れば、治癒は可能である。アクセルがやったように。
2であっても、運が良ければもどってこられるだろう。
眠っている患者のどれほどが、助かる患者だろうか?

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