SS詳細
冷静沈着な仲裁者
登場人物一覧
名前:浅木 礼久
種族:旅人
性別:男
年齢:25
一人称:俺
二人称:君
口調:だな、だろう
特徴:【短髪】【眼鏡】【無造作ヘア】
設定:
夢を具現化するギフトを持つ旅人。
持ち前の正義感で揉め事に介入して、
さながら指揮者の如く場を調律して問題を解決する。
それでいて照れ屋で
お礼を言われることに慣れてない。
ある日、幻想にて。
オリヴィアが依頼から戻ってきたところ、ローレットへと向かう途中でその現場へと出くわす。
「いたい、いたいよー」
「わーん、ボクのくるまがー!」
街角の交差点で、4,5歳くらいの少女と少年が泣き叫ぶ。少女は膝を擦りむいており、少年は壊れた車のおもちゃを両手で抱えていた。
「うちの子に怪我をさせて!」
「そっちがアタシの子のおもちゃを壊したんでしょ!?」
顔を見合わせた双方の母親は一触即発の状態。
野次馬が集まる中、中央へと進み出た礼久が仲裁に当たっていた。
「……状況から、出会いがしらの事故だね」
この現場に立ち会った彼は困っている子供達を見過ごせず、声をかけていたようだ。
どうやら、今回は少女と少年のおもちゃがほぼ同時に飛び出した結果の事故らしい。
「誰か、細工が得意な方は……?」
礼久は怪我した少女に応急処置を施しながら、周囲へと呼び掛ける。
その後、ローレットにまで掛け合い、器用さに秀でたイレギュラーズを連れ、車のおもちゃを元の様に走れるようになるまで面倒を見ていた。
「「ありがとうございました」」
事態が収集した頃には、日が暮れかけていた。
礼を告げる2組の親子に、俯きながらも小さく手を振る礼久は歩き出す。
「やるじゃないか、礼久」
「オリヴィア……」
壁を背に預けたオリヴィアに声を掛けられ、礼久はぼんやりとした目を少しだけ大きく見張る。
「今日はアタシが奢ってやるよ」
「え、あっ……」
手を引っ張られながらも、礼久は小さく微笑むのだった。