PandoraPartyProject

SS詳細

未だ、希望を願い得る者

登場人物一覧

シュテルン(p3p006791)
ブルースターは枯れ果てて
シュテルンの関係者
→ イラスト

名前:シュテルン―――――――//或いは:それを取り巻く者たち

種族:カオスシード

性別:女性

年齢:22(推定)

一人称:シュテ

二人称:あなた、呼び捨て

口調:「……の。……よ。……だ、ね。」等、子供っぽい口調。

特徴:【無表情】【スタイル抜群】【子供】【純情可憐】【好奇心旺盛】【血液恐怖症】

設定:
 ――十数年前、平凡な家族と共に暮らす一人の少女が居た。
 少女は歌を唄うことが得意だった。家族も、住まう町の人々も褒めてくれたそれを、少女自身幼いながらも誇りに思っていた。
 けれども、嗚呼。
 それが総ての災禍の所以になるなどと、一体だれが思うものか。

 バーロン・エストレージャ。
 天義の聖騎士団長を現人神と奉じる奇矯な貴族は、ある日唐突に少女の家族の元へと押し掛けた。
 そうして、告げた言葉は一つだけ――「その子供の声を、彼の方に捧げる供物とする」と。
 思想にも、要求にも、理不尽なそれらを少女の両親は撥ね退け……だから、殺された。
 少女の両親を殺した者の名は、タハト・クリムペシャ・アマルティア。
 彼女の、実の兄の名前であった。

 バーロンが少女の両親に理不尽な要求を叩きつけるより遥かに前、彼は陰ながらタハトに接触して、美しい声の持ち主である妹と、それを誉めそやす両親への嫉妬と怒りを煽るように唆していたのだ。
 醜い感情に支配されたタハトの思考は、そうして両親を殺した後も晴れることなく――今や憤怒の魔種と化して尚、少女への『復讐』を企んでいる。

 両親を喪い、兄を失くした少女をバーロンは強引に引き取り、以降は彼女を地下牢に閉じ込め、『現人神』への賛歌を謳わせるだけの日々を送らせた。
 その時、少女は5歳であり――その過酷な日々は、一日とて休まる日を与えられなかった。
 ある日。唐突に空中庭園に召喚され、特異運命座標として自由を得る時までは。



 両親の暗殺の瞬間、夥しい血だまりを広げた二人を見た少女は、その時から精神の成長を止めたままである。
 しかし、この『止まった時間』は一概に彼女と一般的な社会を隔てる障害、と言うだけではなく………両親の死の光景と言う最大の痛苦から、己を護る殻でもあるのだ。

 徒にその時を早めれば、待っているのは崩壊する精神に連なる自死か発狂になりかねない。
 ……けれども。
 何時か、誰か。その心を優しく包み、繋ぎ止めてくれる誰かが居れば。
 取り戻せるものは、未だ、在るのかもしれない。

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