SS詳細
クレアという人物
登場人物一覧
名前:クレア・クロウ・ヴァイツ(クレア・エタリカ)
一人称:アタシ
二人称:アンタ
口調:~だよ。~だろ。~だから?(~なの。~よね。~かしら?)
特徴:美形・ボンキュッバン・胸に傷・武器が大鉈と銃・二面性・『家族』への変質的な執着
設定:
マルクの幼馴染。
マルクへほのかな思いを抱いており、大人になったらマルクのお嫁さんになりたいと思っていた。しかし村が食いつぶされるほどの冬に家族を奪われ、マルクとふたり、生き残りとして偶然通りかかったキャラバンに発見される。
その後は鉄帝国の辺境貴族エタリカ家に政略結婚の道具として引き取られ辛酸をなめた。
家庭教師が付けられ、テーブルマナーはもちろん歩き方にまでダメ出しをされる日々。名ばかりの家族は関心を向けず、クレアは孤独の淵に追いやられた。
しかし生き延びることが最優先だった村で暮らしていただけあって、多少のことでは動じないうえに、労苦を惜しまない気立ての良さに加え、小さなことにも喜びを見出すことができたため、しだいに周りのメイドたちが味方してくれるようになった。主人一家からの覚えもめでたくなり、特に三男からは姉代わりに慕われるようになった。
このようにたゆまぬ努力と笑顔で穏やかな生活を勝ち取ったある日、悲劇は起きた。
ある夏の夜。メイドの一人が暑さに耐えかねて窓を開け放したまま眠ったのだ。その窓から盗賊団が侵入した。『クロウ・ヴァイツ』、火つけ・強盗・殺人、なんでもやる無法者の集まりである。盗賊団はめぼしい宝を奪い去ると館に火をつけ、虐殺を始めた。目の前で親しい人々が殺されていく恐怖。クレアはひとりでも逃がそうと走り回ったが、その願いはかなう事は無く、逆にその胆力と美貌を買われ、強制的に盗賊団のボスの情婦にされてしまった。
自分の命を護れるのは自分だけだと覚悟を決めたクレアは武器の扱いを学び始める。最初は見よう見まねで。やがて面白がった盗賊たちから指導を受けるようになった。やがてクレアは気づいた。彼らもまた感情を持ち、生きていること、ルールを重んじ、仲間を大切にするある種の『家族』であること。『家族』は守らねばならない。
クレアはある日、横暴極まりない盗賊団のボスを倒すと自分が長の座におさまった。
クロウ・ヴァイツは勢力を増し、クレアは今日も新たな『家族』のため強奪に明け暮れる。胸の奥にすすり泣く少女を抱えながら。