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また、と言って
登場人物一覧
名前:小金井・正純
一人称:私
二人称:~君、~さん
口調:ですねぇ、ます、ですかー?
特徴:星を信仰する社の巫女。遮那にとって姉のような近しい存在。美味しいお茶を淹れる。
設定:
おお、正純。今日も来てくれたのか?
其方も自分の社が有るだろうに、いつも悪いな。
だが、其方の淹れてくれるお茶は美味いからな。最近の私の楽しみなのだ。
安奈や喜代婆も正純の茶は美味いと言うておったわ。
特に喜代婆は口うるさく無いものの茶にはこだわるからな。その喜代婆が上手いと言うからには誇って良いぞ。
何だ照れておるのか? ふふ、其方には何時までも、そうして笑っていて欲しいものだ。
初めて会ったときは祝勝会の時だったが、その時は張り詰めた弓弦のような表情をしておったからな。
あの時、其方に誓った言葉は偽りの無い真実ではあったのだが。
もっとこう、凜とした眼差しで監視されるのかと思っていたのだ。
きちんとせねば、弓矢で射貫くぞぐらいの。
ふふ、分かっておる。今の正純がそんな事をするとは思っておらぬよ。
其処から沢山の会話をしたからな。
こうして其方が茶を淹れてくれるようになるとは思ってなかったが。
そうだ。いつも美味しい茶を淹れてくれる代わりに、今度、私のお気に入りの茶屋に行かぬか?
其処のみたらし団子がとても美味でな。是非、正純にも味わって欲しいのだ。
其方には励まして貰った。
慣れぬ執務に疲弊していた所へ、背を押してくれただろう。
寂しい時は神使を呼べと言ってくれただろう。
私は、その場で慰めてくれぬ、其方にこそ励まされたのだ。
重圧に押しつぶされて泣くだけでは駄目だと言われたようでな。
しっかりと、背負うものを見つめて自分で立ち上がれと見守ってくれているようで。
ああ、その様な支えをしてくれるのかと胸が晴れたのだ。
だから、今度礼をさせてくれ。
正純にはとっておきの美味いみたらし団子を食わせてやる。