SS詳細
究極の黄金
登場人物一覧
名前:カイロ・コールド
一人称:私
二人称:呼び捨て
口調:です、ます、ですか?
特徴:【愛嬌がある】【聖職者風】【鋭い牙】【糸目】
設定:
カイロ・コールドには全てを賭けて追い求めているものがある。古くよりラサに伝わる『究極の黄金』の伝承だ。
伝承に曰く、全てが黄金で造られた巨大な城がラサの砂漠の何処かに存在すると言う。城の中では無数の金貨が海のように地面を覆い尽くしており、死者すら蘇らせる黄金色の泉が絶えず湧いている。その最奥にはこれまた黄金の豪奢な玉座があり、その座には太陽の輝きさえもかくやと言わんばかりに眩く輝く金色の剣が置かれている。
玉座の横には獅子を思わせる形の黄金のゴーレムが主人を待つように侍っており、このゴーレムに認められた者こそが城の主人として、城中の黄金を恣に出来ると言う。
カイロは、コールド商会(現コールド食品)の長の長子としてラサに生まれた。家族は父親と妹のみ。母親は、カイロが物心着く前に他界した。
父親は、カイロを一流の商人とすべく幼い頃よりスパルタ教育を施した。娯楽や自由時間など無く、体罰も当たり前であったが、カイロは従順にその教育を受けていた。『究極の黄金』にのめり込むまでは。
最初に『究極の黄金』の伝承を聞いた時、カイロは荒唐無稽な噂と切り捨てていた。だがいつの頃からか、カイロはあらん限りの手段を使い『究極の黄金』の情報を熱心に集めるようになっていた。
その「手段」の中には商会からの資金横領さえ含まれている。しかもカイロは、施された教育の結果を発揮して横領を見事に隠蔽してのけた。最早、商会の未来などカイロにはどうでもいいことだった。
やがて横領は発覚するが、既にカイロは逃亡。程なくして父親も逃亡し、わずかな資産と妹のみが残された。なお、父親は逃亡中に盗賊の襲撃に遭い死亡している。
「究極の黄金は人を狂わせる」と言うが、カイロもまた狂ったのか、それとも元よりその素養があったのかは定かでは無い。確かなのは、既にカイロは「そうなってしまった」と言うことだけだ。
また、カイロはただで『究極の黄金』が得られるのは面白くないとも思っており、その過程として途方もない冒険を望んでいる。
故に、カイロは願いを叶える色宝には興味を示さず、『究極の黄金』の幻を見せられた時に至っては即座に偽物と切って捨てている。
カイロの全ては、『究極の黄金』に至るためにある。