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ロザリオをその手に抱きながら

あなたの音色

登場人物一覧

ガブリエル・ロウ・バルツァーレク(p3n000077)
遊楽伯爵
アベリア・クォーツ・バルツァーレク(p3p004937)
願いの先

名前:リア・クォーツ
一人称:あたし
二人称:あなた、~さん
口調:ね、よ、なのね、なのよね?
特徴:――あたたかい人
設定:
 ……これは独り言なのですが。
 私は女性という方々を遠ざけておりました。
 いえ、女性が嫌いだとかそういう事ではありません。しかしご理解頂けるかと思いますが、私は立場上誰かと親密になる事にも――些かの思案が必要なのです。私は決して失脚する訳にはいかないのと同時に、誰かと懇意であると見られる事にも意識を向けねばならない。

 この国がもう少しばかり優しい国であったなら――

 ……話が逸れましたね。ええ、引き続きこれは只の独り言ですが。
 私は女性を遠ざけておりました。
 誰もがそこにいて、しかし誰をも目に映さぬかのように……

 しかし私はある日――音色を聞いたのです。

 それは美しい音色でした。耳を撫ぜる輝き。甘美なる響きが私を揺らして。
 その時からでしょうか。私が『彼女』という存在を意識したのは。
 これは独り言ですので誰とは申し上げませんが、しかし。
 初めてでした。
 私は彼女の手を取りたいと――ええ、些か欲が出てしまったのですよ。
 たった一時の舞踊。
 たった一瞬限りの煌めきなれど。
 どうかこの手にその暖かさを抱きたいと、私は思ってしまった。
 ええ。今まで誰しもを抱かなかったのに私は彼女と共にあった。
 歩を合わせた舞踊の中に――あったのですから。

 ……ふふ。太陽に恋焦がれた鳥が如何なる末路を迎えたか、知らない訳ではないのですが。

 つい、目が眩みました。
 後悔も悔いも無い一時の甘美に身を委ねたのです。
 指先から彼女を離すのが惜しい程の――流れに。
 ……二度同じ事をする勇気はありませんね。
 次が。もし次があったのなら。
 その身をこの指先から零す事は――ないかもしれませんから。

 ……ああそういえば。
 つい先日、贈り物をしてしまいました。
 とある衣装なのですが……ええ流石に私の名前を出しはしませんでしたが。
 ですが、もしかしたら気付いて頂けるかもしれませんね。
 あの衣装は……少々『似せ』た所がありますし、その上――

 贈り物の片隅に、私の薔薇を添えましたので。

 ああ――いや、もしかしたら私は。
 きっと気付いてほしいと。
 またも欲が出ているのかもしれません。

 暖かな貴女に。

  • ロザリオをその手に抱きながら完了
  • GM名茶零四
  • 種別設定委託
  • 納品日2020年12月11日
  • ・アベリア・クォーツ・バルツァーレク(p3p004937
    ・ガブリエル・ロウ・バルツァーレク(p3n000077

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