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偉大なる祖先よ。グラシオアよ栄光あれ
登場人物一覧
名前:グラシオア・フィン・ガードナー
種族:人間種(魔種)
性別:男
年齢:21歳
一人称:私(本来は『僕』)
二人称:貴様(本来は『貴方、君』)
口調:~だ。~だろう?(本来は『~だよ、~だよね?』)
特徴:上記の口調が入り乱れる。(私と言ったり僕と言ったり口調が安定しない)
設定:
ガードナー家には偉大な功績を成した祖先『グラシオア』がいた。
彼は多くの民を守り、多くの戦いを勝利へと導いた正に英雄。
故にガードナー家は彼にあやかって代々長子は『グラシオア』の名を継ぐ決まりがあった――当代の『グラシオア』である彼の本当の名は『■■■■』である。
本来の彼は穏やかであり争いを好まない若者であった。
剣術の才能もあまりなく、どちらかと言えば本を読む方が好む程に。
しかし家の期待は彼の在り様を許さなかった。
武に優れているべきである。他を導く存在であって然るべきである――
年を経るごとに圧を増す期待と責務は彼を苦しめ、しかし生真面目な気質であった彼は逃れず応えようと努力し――努力してしまい――
やがて『ある日』糸が切れる。
それは彼が狂気へと落ちる音だった。
期待に応えられぬ自らを責め『グラシオア』であらねばと深く渇望した。『こう』であってはならない『ああ』でなければ。『■■■■』など不要である。『■■■■』という意思が残っているから己は駄目なのだと――
振り切った先に辿り着いたのは言い伝えられし祖先のコピー。
幼少より幾度となく。呪いの如く話され続けた『グラシオア』そのものへと変貌すれば。
自らは至高の存在になれると落ち切って。
……誕生したのは他を統べる傲慢の塊。
魔種へと落ちて、しかし以前よりも隔絶した力を手に入れた彼はグラシオアとして活動する。絶大なる武を抱いて、他者に威厳を示し、ガードナー家はますますの繁栄を極めた。
その成功をもって彼はますます狂う。
素晴らしい。偉大なる祖先はやはり素晴らしい。
そうだ誰も彼も『偉大なる祖先』に成ればよいではないか。
リゲル――君もそうだ。偉大なる父上に『成ろう』
だって彼は素晴らしい。
君も分かるだろう? きっと素晴らしい世界が開けている――
ははははは。
――グラシオア・フィン・ガードナーが魔種である事が判明した後、討伐隊が編成。
その動きを察知したグラシオアは行方を暗ませる。
自らを心棒する者達も含め――いずこかへと。