PandoraPartyProject

SS詳細

計画的強行

登場人物一覧

月待 真那(p3p008312)
はらぺこフレンズ
真道 陽往(p3p008778)
双銃の狼

●前回のあらずじ

 特異運命座標イレギュラーズイレギュラーズである真那と陽往は、陽往の故郷で開催されるという七彩の祝祭セブンス・ハーベストに向かうことに決めた。
 馴染みの店の『喜々一発』の店主を誘い、飲食店部門で向かうことになった三人の挑戦は続く。
 具体的に言うと――

●そろそろキャベツとレタスと白菜の見分けはついたかな?
「もうすぐなんだよな」
「何がじゃ」
「ほんまな」
「いや、お祭り」
 カレンダーを指し示した陽往。日付はもうすぐだ。
 赤い丸でぐるぐると囲まれたその日付。店主――善吉も頷き、皿を拭いていた手を止めて肯定する。洗濯を繰り返して少しずつ古びてきたエプロンを身に纏った真那はキャベツを手に取りキャベツの籠へ収納すると陽往の方へと向き直った。
「知っておる」
「うん、そやな?」
「でさ、俺の村ある場所って結構遠いじゃん」
「まぁのう」
「それがどうしたん?」
 そう、陽往の家は喜々一発の裏に面する森を抜けた先。近いといえば近いが、獣道を抜けていくともなれば遠いのだ。道中いつものように獣に襲われる可能性も無きにしも非ず。
 そういう可能性を考慮してのことだろう。陽往は皿を洗っていた手を止めて善吉の方へ向き直った。
「たぶんお祭りの期間ってなる泊まりこみのほうがいいと思うんだよな、俺」
「まぁのう……となるとそろそろレシピノートと皿だけを持っていくべきかのう。ここから三人じゃと何日くらいかかりそうじゃ?」
「じーちゃんの体力次第じゃねーかな。じいちゃんいつもスーパーいくとき何分くらいかかってた?」
「徒歩でなら20分程度じゃのう」
「なら二日かな」
 てきぱきと決めていく善吉と陽往。真那は葉物根菜肉果物にわけていたその手を止めて二人に向けて手を上げた。
「ってことはうちらも三日分の着替えがいるって事やんな?」
「あーうーん、俺は五日分くらい持ってくつもりだな。真那もそれくらいがいいと思うぜ」
「なんでなんー?」
 真那はまた首を傾げた。やれやれと首を横に振った陽往の代わりに善吉が説明する。
「天候の変化とか、不測の事態に備えておくものなんじゃろうさ、まぁ足りないよりは余った方がいいじゃろうて」
「せやなぁ、わかった! 私も五日分、準備しておく!」
 こくこくと頷いて同意を示した真那に陽往も頷き笑みをかえして。
「さて、じゃあいつ出発にするんじゃ? 移動を早くするもよし、未だここでレシピを練るもよしじゃが」
「え、俺今晩のつもりだったんだけど」
「そういうことは早く言わんか!!! 真那、準備じゃ」
「うん!! ハル、あのな、そんな大荷物持ってくるんやったらちゃんと前日に説明しとかなあかんねんで?」
「お、おー……悪い」
 しゅんとへこんだ陽往を横目に善吉と真那は部屋中の荷物をてきぱきと纏めだす。行動力だけはあるようだ。
「よし、できたぞ」
「おっちゃんはやない?!! 私はまだ~、もーちょい待って!」
「おう。あと一時間な!」

●たびだち
 その日は空が綺麗だった。
 秋らしい雲一つない日。森に一歩踏み出だせば星々がひょっこりと顔を出す。
 街の街頭に阻まれることなく瞬きだした星に真那は『わぁ!』と声を上げた。
 陽往を先頭に善吉、真那の順で進んでいく。本来ならば真那を真ん中にしたかったのだが、善吉は生憎老人である。そんな老人を後ろにしてしまっては、体力がなくてぜえぜえ言っているのをしらずにおいてずんずん進んでしまいそうだという真那の意見から真那が後ろに回ることになった。なおこれを聞いているときの善吉の顔には青筋が浮かんでいたようだ。
「にしてもハルの村行くの久々やな~、みんな元気かな?」
「俺が聞いてる限りは元気そうだぜ。今年は果物が大収穫だったらしいから、おみやげにちょっと持たせてもらえるかもな!」
「わしは行ったことがないのう。どういったとこなんじゃ?」
 楽しみだと笑った善吉。たくさんの荷物の中には土産の品もあるようで。
「じーちゃんそれなんだ?」
「土産じゃ」
「なんで?」
 ぱちぱちと不思議そうに瞬いた陽往に善吉は苦笑いして答えた。
「お世話になってたりする人のところへいくときには手土産を持っていくのが社会のマナーというもんなんじゃよ。
 まぁこれはわしの手作りじゃし気に入ってもらえるかは怪しいがのう」
「へー……」
 祭が近づいていることは実感していたがまさかここまで準備に色々あるとは。陽往はぼんやりと前を歩く。
「ハル?!」
「え」

 ごつん。

 ぼんやりとしていたせいか陽往は頭をぶつけてしまう。
 うげ、と痛そうに頭をさすっているところを見た善吉と真那はけらけらとその姿を笑った。
「ふ。ふふ、これも土産話になるな?」
「じゃのう。まぁ今日はだいぶ歩いたしそろそろ休むことにしてもいいかもしれんの」
「ちぇっ、じーちゃんが休みたいだけじゃねえのかよ!」
 ぶーぶー頬を膨らませた陽往を横目に二人は荷物を置いてテントを張りだした。
 いつのまにやら用意してあったのかテントには喜々一発と店の名前までご丁寧に刺繍してある。
 ふてくされるも気持ちを持ち直した陽往は二人の元へ駆けて行った。

「それじゃ、おやすみなさーい」
「蹴るんじゃないぞ」
「じーちゃんしんぱいしすぎだろ」

「ぐぇっ」
「すぴー……ごはん……」
「うおおおおおおおおおお飯飯飯飯飯!!!!!!!」
「どんな夢をみとるんじゃお前らは」

 翌朝。
 ぐっすり眠った真那や陽往とは裏腹に、善吉は目の下に隈を作っていたのだった。

 つづく。

  • 計画的強行完了
  • NM名
  • 種別SS
  • 納品日2020年11月23日
  • ・月待 真那(p3p008312
    ・真道 陽往(p3p008778

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