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熱砂の天心
登場人物一覧
- 笹木 花丸の関係者
→ イラスト
名前:シハーブ・アル・シャーヒル
種族:人間種
性別:男
年齢(或いは外見年齢):27歳
一人称:俺
二人称:お前
口調:だ、だろ、だな?
設定:
ラサ傭兵商会連合に所属するシャーヒル商会の代表。貿易商として混沌各地で商売を行っている。
また、孤児院等にも積極的に支援を行い、スラムへの支援など慈善事業なども手がけている。
故に、『心優しきシャーヒル』としてラサではその名も知れた存在で或る。
商会の名を売る以外には得のない行動であると一部の人間からは偽善者と誹られることもあるが、シハーブは支援を止めることはない。
実のところ、シハーブはシャーヒル家の子供ではない。流浪の民として旅をするパサジール・ルメスの子であった。
然し、実の父が旅の途中でパカダクラからの落馬(落駱駝)事故を起こし、寝たきりになった事でシャーヒルの前代がシハーブを引き取った。
本来の名はシハーブ・ルメス。父が亡くなった後も、子が居ないシャーヒル夫妻に可愛がられ、彼等の商いを継いだ。
故に、その心やさしさを尊び、自身も同じように『不運な子供を幸福にしたい』と考えて行動している。
旅の者を見かければ水を分け与え、怪我をする者には優しく声を掛ける。
ラサの熱砂の砂漠の中でも燦々と輝く太陽のように彼の心は輝き、決して曇ることはない。
護身術などは身につけており、シャーヒル商会の代表としてある程度の戦闘は熟すことが可能で或る。
ただ、最後、『命を奪う』と言うことが彼にとっては忌避感が拭えぬ事であった。
恐ろしく、悍ましい。人を幸福にしたいと願う者が人の命を奪う。そんなことがあって良いものかと自問自答を繰り返す。
だが、『偽善者のシャーヒル』に対して妬む者は日夜、彼へと暗殺者を差し向けることだろう。
命を奪えぬ『心優しきシャーヒル』は暗殺者を捕え、野に返しその命を永らえさせては、隙を見せる。
「俺は誰かを幸福にしたいと願っているんだ。それが例え偽善であろうとも、さ。
パサジール・ルメスとして旅をしていた時、水がなくなり乾きを知った。食物を喪い飢えを知った。
父が怪我をし動けなくなったとき、子供一人で此れからの未来を歩むことが出来ない恐怖を知った。
そんな、苦しみと悲しみを、他の誰にも抱いて欲しくない。……甘いって思うなら、そう笑ってくれよ」