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触れなば燃えぬ炎にて
登場人物一覧
名前:
『フリッカー』××××
通り名の由来は有する能力。燐のような微かな炎の扱いを得手とすることから、彼女と敵対した者がつけた呼び名。
真実の名を知る者は、僅か8名。
その内、仮にその呼び名を彼女が許すとしたら……それはきっと、嘗ての家族を看取ったことに大きく貢献した砂食む吸血姫と、『魔種』でなく『彼女』に真っ向から向き合った平凡な人間のみ。
一人称:
「私」。これもまた、魔種として彼女がつけた虚勢の一つ。
二人称:
平時は「貴方」。感情を制御できないときは「お前」「貴様」など、荒々しい口調に変わる。
この場合で言う制御できない感情とは、怒りのみを指す話ではない。歓喜や哀惜、或いは自身の心に深く印象付けられた特定個人に対して、自然と口にすることもある。
口調:
平時は「ね、よ、なのね、なのよね?」。感情を制御できないとき(上記参照)は「~、だ。だろう。~だ、な?」。
平時の口調は若干女性らしいということから使いたがらない。
これは、彼女が魔種となる前……浮浪児としての生活を送っていた頃、幼い口調や女性らしい口調は相手に侮られるかも知れない、と言う個人的な考えに因るもの。
特徴:
感情の振れ幅によって、身体性能、能力の強度が上下しやすい。
嘗てはその方向性が純種に対する強い憎しみだけに向けられていた為、高いレベルで安定した能力を使えていた。
今現在も、それに大きな変わりはない――『致命的な相手』に『再会』でもしない限りは。
設定:
元人間種の魔種。有する罪業は『憤怒』。
魔種となる前は浮浪児であり、同じ境遇の子供たちと共に逞しく生きていた。
だがその生活と命もまた、大人たちの醜い感情によって奪われる。これにより、彼女は『原罪の呼び声』に惹かれ、魔種となることを選択した。
その境遇ゆえ、彼女は純種に対して諦観からの憎しみを強く抱いている。その年齢が高ければ高いほど――とはいえ、老人でない程度の――その感情はより強く焚きつけられるだろう。
かと言って、彼女は出会した純種全てに殺意を抱き、攻撃を行うことは無い。
先にも言った通り、彼女は純種に期待を抱かず、その存在に対する希望を諦めただけだ。
向かってくる相手には全力を以て応戦するが、そうでもない限り、彼女は孤独に生き、他者に自己の生き方を左右されることなく、自身の心身に於ける全てが年月によって風化することを望んでいるだけなのである。