聖女の烙印

登場人物一覧

名前：リリィ・ローゼス
一人称：私
二人称：～君
口調：公務時や他者の前では男性的（～だ、～だな、～なのか）だが、親しい人やプライベートでは女性的な口調に変わる
特徴：月の下では白銀、日の下では灰銀の光を帯びる髪と翼。垂れ目がちで柔和な顔立ちは眠たげに見える。服の上からでも分かるグラマラスな肢体。公務時は戦闘用コートにコンバットブーツ、親友の形見である大きな丸眼鏡を愛用する。
設定：天義の主都から遠く離れた辺境領に生まれ、幼くして親を失い教会に育てられる。

ある日、リリィは領主が暗殺される夢を見る。
それを神のお告げと考えたリリィは危険を領主に知らせ、暗殺は未然に終わる。
若き領主は自分の危機を救った娘に一目惚れ。
領主の妻にふさわしい身分を与え、同時に領地を盛り上げ中央にその価値を知らしめるためにリリィを聖女に祭り上げる。

しかし領主暗殺計画を裏で糸引いていた貴族は、リリィを神の名を語り領主を誑かす魔女として告発。
邪魔な聖女を始末し、領主の権威失墜を企てる。
証拠をでっち上げられ囚われたリリィを救ったのは、同じ孤児として育った親友・グレイシス。
背格好や容姿が似ていた彼女はリリィの身代わりなって火刑に。
リリィは再び奇跡の復活を遂げた聖女に仕立てられる。

親友を身代わりにして生き延びた慟哭の涙は聖水を結晶化。
祈りを込めた断罪の弾丸が黒幕の貴族を撃ち抜く。

領主の身と領地の安寧を守ったリリィであったが、求婚する領主に別れを告げ、銃騎士なるべく主都に向かった。
そして今また、より公正に正義を執行するため、召喚に応じてローレットに身を移す。

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実のところリリィの予知夢は無意識下に蓄積された情報が夢という形で現れたに過ぎない。
彼女が神託と思ったのは、敬虔さからくる解釈の一つ。

彼女が目から、あるいは心で涙を流すたび、聖水は弾丸となり、祈りは標的に届くだろう。
慈悲深く厳格なる神の御手でも解きほぐせぬ複雑に絡み合った人の情と業。
その糸を断ち切るためにリリィの銃はある。

領主はリリィを得るために手段を選ばなかったが、生涯ただ一度の恋だった。
親友は命と引き替えにリリィの心に消えぬ瑕疵を残し、彼女の永遠になった。

罪深きはその微笑み、その肉の器。
男も女も彼女を愛した者は、彼女を手に入れずにはいられない。