偏愛のピース

登場人物一覧

名前：ピエース＝ピエース
一人称：ワタクシ
二人称：ミス（ミスタ）
口調：デス、マス、デスカ？
特徴：オッドアイの宝石を塗りつぶすかのように、ドミノマスクを付けた旅芸人。口元のミステリアスなほくろが人々を惹きつけ、惑わす。人形(ぬいぐるみを含む)を誰よりも愛し、気に入った人間を『お人形』と呼び、執着する。
設定：
　年齢も性別も不詳。その名はpièce【戯曲】。物心がつく頃から人形とともに生き、ギフト──あるいは琺瑯の瞳の乙女によって、人形に仮初めの命を与え、単純な動作の反復を行わせることが出来る。現在は一人、いや、沢山の名も無き、人形達と旅をし──満月の日、愛すべき人形達と踊る姿が度々、目撃されている。飄々としているが、キレ者かつやり手。

　過去には、旅芸人を隠れ蓑に後ろ暗い仕事を請け負う一座に属していたらしいが、ピエースの外出中に起きた『火災』によってほとんどの者が焼死し、一座は解散してしまう。そう、数名の行方不明者を見つけることも──火災の原因を探すこともなく。それから、ピエースは炎の中で踊る幾多の人形の夢を見るようになった。とても美しい夢だ。それは白昼夢によく、似ている。
「命は永遠ではない。ただ、人形であるならばその身は朽ちずにいられるのかもしれない。なぁ、あんたはそれを笑うだろうか？」
　真っ黒な人形がたどたどしく、嗤った。それは、祈りにも呪いにも聞こえた。でも、これは誰の言葉だろう？　それとも、幻だろうか？

　狂人は何も解らなかった。なぜ、『お人形』に固執するのか。だが、聞かずにはいられない。
「素敵な人、ワタクシのお人形にナリませんカ？」