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国を背負う銀星
国を背負う銀星
登場人物一覧
名前:リゲル=アークライト
一人称:俺、私
二人称:君、貴方
口調:だね、だよ、かい?
特徴:天義貴族
設定:
天義、聖騎士団の詰め所にて調査資料を書くことになったリンツァトルテの手元にあったのはアークライト卿――リゲルの事をどう思うか、という質問書であった。
「……どう、とは」
堅物である彼は頭を悩ませた。此れが彼の後輩なら「良い人! 友達!」と羽のような気持ちで微笑んでくれるのだろうが、リンツァトルテ・コンフィズリーと言う青年にそんなことが出来るわけが無い。
「……良き、戦友だと思うが」
ぐぬ、と息を飲む。リンツァトルテは記載する資料にはもう少し詳細な事を求められている事を説明書を見て気付いたのだ。
「ふむ」と唸る。羽ペンのインクを無駄遣いするのもアレだ。一息吐いてからリンツァトルテは記す。
リゲル=アークライト卿はネメシスに訪れた昏き闇の日を払うが為に尽力してくれた特異運命座標である。
共に同じ天義貴族という肩書きを背負い、父との対面という大変痛ましい場面と相対してもその信念は揺らぐことが無かった。
それ故に、彼がいなければ俺はあの時、剣を握れなかったのではないかとさえ感じている。
彼は間違いなくネメシスの救世の為にその力を尽くした一人である――
つん、とリンツァトルテを突いたのは後輩の少女であった。彼の手元のその内容をまじまじと見た後、首を傾げるだけだ。
「先輩、素直にリゲルは友達! もっと色々遊びに行きたい! 練達は楽しかった! 次は何処に行く? お誘い待ってまーす! って書けば良いのに」
「なっ―――!?」
……こう言う時に素直で笑顔のチャーミングな後輩にリンツァトルテは勝てないのだった。