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愛の欠片、涙の名残

登場人物一覧

シェリオ・アデラ(p3p007986)
癒やしの魔法人形

名前:シェリオ・アデラ
一人称:おれ
二人称:あんた
口調:だな、だろ、だろう?
特徴:菫色の髪を肩口で切った癖のないボブカット。頭頂近くだけ跳ね。瞳は紫紺の花の色。右の目元に泣き黒子。柳姿は女性と見紛うほど。
設定:引きこもりの魔女に作られた魔法人形。

シェリオが元いた世界は魔法と科学が発達した世界だったが、栄華を誇った魔導文明はたび重なる戦争と人的災害により衰退の一途を辿っていた。
激減した人口を補うため、人々は魔法人形を生み出す。
それは死者の肉体を科学によって再生し、魔術によって仮初めの魂を吹き込むもの。
当初は人形と交わり子を成すことで出生率低下を抑止する意味があった。
しかし無垢な魂を持つ魔法人形を生殖目的ではなく愛玩物として求める者達が増えると、好みの人間を殺して人形に変えるという犯罪行為まで横行する。
特に若く美しい人間は魔法人形の素体として狙われた。

シェリオの元となった少年の名はエミリオ・アランサバル。
大戦で勝ち残った魔導王国の貴族の末裔で、人を惹き付ける知性と美貌と兼ね備えながら性情は怠惰。
己の欲望に忠実な以外は責務を果たさず遊興に耽る、典型的な腐敗貴族であった。
自分好みの魔法人形を買い求めるばかりではなく、魔法人形に造り変えるために殺戮を繰り返すことさえ。
魔法人形となった若い侍女と侍従を忠実な僕として調教すると、やがて彼の周りは魔法人形だけに。

そんな彼の元にも唯一幼い頃から側に仕えてきた十歳年上の魔導師がいた。
エミリオの魔法人形製作に手を貸していた魔導師だが、ある夜、初めて主のエミリオに逆らう。

エミリオの心に無自覚な孤独があること。
孤独を埋める愛とは求められる喜びだと。

『これが私の愛です。貴方が他を求めるのなら、いっそ』

迸る積年の想いがエミリオの身を裂く。
だが愛を知らぬエミリオにとって、身を奪われることは隷従の証。
心に生まれた感情の奔流、身体に生まれた熱を持て余した果てに、拗れた関係を断とうとエミリオは魔導師から逃げた。
その身を魔法人形に変えさせないために。

『生まれ変わったら幸せにおなり』

人知れず自ら命を断ったエミリオを見つけた魔女は、肌に残された印と涙を見て呟いた。
魔女と二人の穏やかな生活は、ありふれた愛に溢れている。

首の金属チョーカーは魔法人形の証明。
小さな黒子はエミリオとは違うと言う主張。
与えられた愛の欠片、流した涙の名残だ。

  • 愛の欠片、涙の名残完了
  • GM名八島礼
  • 種別設定委託
  • 納品日2020年10月07日
  • ・シェリオ・アデラ(p3p007986

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