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ラド・バウ闘士名鑑サンプル
『山賊』グドルフ・ボイデル
●人物像
ラサ出身。49歳、身長180センチ、体重89キロ。未婚。右利き。
『山賊』と言えば、この男を想像する者も居るのではないだろうか。
ラサの傭兵時代に腕を磨き、今は山賊として様々な者から大金を奪って豪遊しているという、ある意味の成功者。
「この世は力が全て、金は第二、そこに酒とオンナがあれば人生に文句はねえな」と山賊らしい名言も残している。
その出自から恨みを多く買っている犯罪者であるのは間違いないが、力でモノを言わせる鉄帝ならば彼の行いや生き方を咎める者は居ない。
また、ファイトマネーの使い道も「酒、肉、オンナ」である。まさしく見た目通りの山賊であると言えよう。
現在はレガド・イルシオンをメインの活動拠点に移し、その中に存在するギルド、『ローレット』にも所属している。
●寸評
ラド・バウD級闘士。が、観客の動員数は非常に低く、彼の試合を観に来るメインの客層は同じような経歴の荒くれものたちであり、コテンパンにやられて無様な姿を笑いたい悪趣味な連中だけだろう。
その見た目通り、己の拳や蹴りのみならず、鉄の剣や斧を主な得物とする、シンプルなパワーファイター。
また、クロスボウを扱ったり、酒臭い息を吐きかけて戦意を奪うなどの変わり種(汚い手)も持ち合わせ、万人の相手に対応出来るようにして居るとは本人の談。
使用する武器に大した愛着もこだわりは無く、コロコロと装備を変える。適当にその辺りで買ったものや、山賊としての戦利品を使用するようだ。
安定した勝ち筋がウリで、粗雑な見た目に反してただ力任せのゴリ押しで戦っている訳では無い。
傭兵時代に培ってきたであろう、『自らが生き残る事を最善とする』という戦い方が如実に現れている。
反面、爆発的な火力は無く、押し込まれた時はアッサリと負ける事も多い。
長丁場にわたる泥試合を彼自身が好む事もあり、いわゆる『魅せる』戦いをする事は無いのが人気の無さに拍車をかける。
そしてビッグマウスなマイクパフォーマンスも賛否両論だ。
対戦相手に「こんな奴が相手じゃ楽勝過ぎる、殺さないようにする方が難しい」とのたまった直後の試合で、わずか30秒のうちに地に沈められたのは記憶に新しいだろう。
大抵、その後の言い訳は「本気を出すのを忘れた」、「二日酔いの上に腹の調子が悪かった」などと言い残す。
また、現状絶対に勝ち目が無いような本当の強者にはそもそも戦いを挑まず、ペコペコしたり、反感を買わないような言動をとるなど、強かな(悪く言えば情けない)一面も見せる。
(ジャーナリスト:M)