PandoraPartyProject

サンプルSS詳細

冒険

 少女は空を見あげた。
 雲一つない蒼天は、正に『冒険のはじまり』に相応しい。
 船員の掛け声で帆を結んでいた縄が一斉に放たれる。
 白い帆がシーツのように広がり巨大な船体がきしんだ音をたてた。
 出航が迫った船の甲板では慌ただしく人が動いている。
 出会う者、別れる者。
 行く者、帰る者。
 笑う者、泣く者。
 それはほんのわずかな時間であったが、間近で見る人間模様は少女の冒険心をくすぐった。

PAGETOPPAGEBOTTOM