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シナリオ詳細

やべえ(語彙力)遺跡の話

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 その日、ローレットにある書類が届いた。平たくいえば、依頼書である。
 だが、内容が要領を得ない。依頼の報酬、対峙するであろう敵の規模に至るまで、「やべぇ」が枕詞になっており全くワケがわからないのだ。幸いなことに、「場所」「依頼人」「依頼目的」……は、判明している。
 目的地は鉄帝。
 依頼人は地元住民達の連名。
 依頼目的は――最近突如として地上に浮上した古代文明の遺産、その破壊。


「いやー、いらはいいらはい! アンタ達がローレットから来たやべぇ人達だっぺか! なんかわからんがやべぇ奴がマジでやべぇんだっけ!」
「……凄いな、何一つ情報に整合性というものを感じない」
 ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)は依頼人の代表と思われる男の出迎えに、即座に理解を放棄した。ヤバい存在(古代の遺産)がマジでヤバい(迷惑だったり強力だったり)する、と切り分けて考えたが、それにしたって限度ってもんがある。
「で、その『やべぇ奴』は」
「あっちだァ。昨日まではやべぇ勢いで村の周りを回ってたっけが、今朝になってからもっとやべえことになって……」
「わかった。見てこよう」
 取り敢えずこれ以上説明をさせると厄介だなと感じたので、一行はその古代の遺産へと足を向けることとなり。
「……やっば」
 となった。
 古代遺跡、さながら古典的な宇宙ロケット(丸みのある三角錐様)の形をしたそれは、下部に履帯を生やし、三段に分割した切断面から複数のアームを伸ばしていたのだ。それらは農機具と思われる得物を携え、目にあたる部位からビーム……ではなく明らかに化学肥料めいたものを撒き散らしていた。
「えっ……これ害を加えるタイプじゃなくて土地を耕すタイプのいい遺跡なのでは?」
「でも、この動きから察するに村も耕しそうだよね」
「そもそも、小手先の栄養補給だけでこの涸れた土地がまともな農業できるのかな」
 イレギュラーズ達は口々に意見を出し合うものの、薄々この敵(?)のヤバさを感じ取っていた。つまりこいつは、放っておくとあちこちを無造作に耕して破壊していくし、無駄な肥料を撒いて地質を激変させ、生態系を変えかねない。何しろ彼等が話しているうちに、古代遺跡ロボは小さな小窓からわっさわっさと、人間の幼児ほどの小型ロボを多数排出してきたではないか。
「これは、やべえな……」
「うん、やばい」
 イレギュラーズ達は語彙すら失い、その大敵と対峙する。
 ローレットのイレギュラーズでこれなのだ。鉄帝の田舎の人達の語彙が消えたのも、さもありなん。

GMコメント

 さもありなん、で済ませていいとは思えないけどマジやべぇ奴のやべぇやべぇことだよ。な(圧)

●成功条件
 農耕遺跡ロボの撃破

●農耕遺跡ロボ
 恐らく古代の鉄帝において辺り一面を畑にして食料自給率を高める目的で作られた、遺跡丸ごと農耕工廠全振りの存在。ちょっとやそっとじゃ壊れず、履帯により走破力が高く、2本×3段=6本のマルチアームでマルチな行動が可能となっている。時代を経て復活したため地図データは古く、今は村落や都市になっているところも農地に変えかねないため撃破が必要。
 得物は農具なので極端に強くはないが、機械であるが故にそれなり暴の化身みたいな膂力を持つ。防技もそこそこ高いが機械なので弱点はいくつか存在する。

●小型ロボ×たくさん
 土地を耕す為の人力として生産されるロボット。
 遺跡から排出されるので、遺跡を破壊しない限り供給は続く。生産量を超える破壊を行うことで漸減は可能。
 個々の能力は平均的な雑魚だが、数がえらい多いので回避減衰がえらいことになる。なるんだが、ライトシナリオ相応なので極端におびえる必要はない。

●戦場
 鉄帝の荒野にぽつんと一村落。
 足元は結構耕されているので、やや踏ん張りがきかなかったり足をとられがち。
 荒地で色々頑張っているため労働全振りの思考となっており、教養まで回っていない。地頭が悪いわけではないようだ。

●ライトシナリオについて
 このシナリオは「ライトシナリオ」です。
 予約期間終了後、即座に出発となります。
 基本的に「選択肢+描写希望100字」をプレイングとして用いる為、予約時に選択肢さえ決めていれば描写が白紙でもプレイングありと判断されます。ないよりはあった方がいいですが。
 その他、基本的には夢と希望と敵への殺意を詰め込んでいきましょう。グッドラック。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。


参加したきっかけ
こんな依頼書でよく参加したね。どうして?

【1】鉄帝の出来事だから
鉄帝の復興の邪魔は許さない! うおー撃滅じゃー!

【2】やべぇから
やべぇって言われるとワクワクしてきて……

【3】経験を積みたい
戦闘依頼とか滅多に参加しなくてェ……出来ることが知りたくてェ……


戦闘の役割
戦闘に於ける立ち回りとか、やりたいことは?

【1】タンク(対雑魚)
この連中は俺に任せて先に行け! がしたい人用。

【2】タンク(対遺跡)
こんな強敵の攻撃をしのぐなんてゾクゾクする! っていうやべぇ人用。

【3】前衛アタッカー
雑魚でも遺跡でも近づいてぶん殴って終わりだ! みたいな。

【4】後衛アタッカー
敵の隙とかついて弱点っぽいところに一撃ドカンがしたい人用。

【5】ヒーラー・バッファー
仲間を助けて勝利に貢献したいあなたに。


主な描写スタンス
シリアスにも、ギャグ調にも振られそうな本シナリオです。

【1】格好良さ全振り! 決めポーズとかアクション重視
フレーバーテキストを色々ガンガン交えつつ派手めの戦闘

【2】なんかいいこととかいいセリフが生えてくる枠
気付いたらなんか予想だにしない台詞回しが生えてくる。動きより口上や心情みたいな。

【3】コミカル重視
足元にたまたまあった爆弾が炸裂し、ずっこけた拍子にクリティカルが発生し、そしてよくわからない勝ち方をする。こんなはずじゃないのに! な枠。


で、この耕した跡どうする?
村の周りは耕されちゃってるけど、農地転用にはギリギリ妥当性がある程度。どうしよう。

【1】何もしない
ここは村人の自主性に任せよう。成功条件じゃないしね。

【2】復旧する
耕されてるけど、地盤緩むとアレだし転圧して元の強度に戻そう。

【3】農地転用の推進
村人に知識とかアイデアを授けていっそ頑張らせる。成功する保証はないけど……。

  • やべえ(語彙力)遺跡の話完了
  • GM名ふみの
  • 種別 通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年07月09日 23時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談0日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
ルミエール・ローズブレイド(p3p002902)
永遠の少女
カナメ(p3p007960)
毒亜竜脅し
ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)
復讐の炎
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
炎 練倒(p3p010353)
ノットプリズン
瀬能・詩織(p3p010861)
死澱

リプレイ


「学者兼冒険者として、やべえ遺跡を調べたくてきたんだけどねぇ……」
 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は今まさにイレギュラーズを視認した遺跡を見上げ、どこか寂しそうに呟いた。遺跡は踏破して調べぬいてこそ、と考える彼女にとって、破壊せよというのは中々酷な話だ。だが、こうあっては最早誤魔化しは利かない。出来るだけ穏便に、暴力で解決するしかなさそうだ。
「ガーハッハッハ、吾輩のインテリジェンスを持ってしても何かやべぇしか出てこないであるな!」
「……何だかよく分からないけどヤバイな」
 『ノットプリズン』炎 練倒(p3p010353)が如何に高いインテリジェンスを持っているのかは多くの人々が知るところだが(基礎知識)、そんな彼でも語彙を失うことはあるらしい。周囲の雰囲気に流されて語彙が消えた『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)もまた、練倒同様に「やべぇ」の被害者なのかもしれない。が、ぞろぞろと吐き出される小型機械は放っておけない。練倒はそれらを自らに引き付けると、堂々たる立ち姿で攻撃を受け止めた。多大な体力、堅牢な護りは、軽々に攻撃を通す様子がない。そこに群がった個体を照準したイズマの一撃により、小型機械は一時、姿を消す。
「祖国は昔からやばいんですね……知ってました」
「この遺跡がやばい、ということは理解した。だが、我等の方がやばいということをここで教え込まねばならない」
「そうですね、ウルフィンさんも、私もやばい、という事をここに証明しなければいけません」
(祖国よりも敵よりも、やばい人達もいるんですね……)
 『淡い想い』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)の目にはどこかあきらめの色が見て取れる。なにしろ、眼前の脅威を認識する余裕もなく『復讐の炎』ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)と『死澱』瀬能・詩織(p3p010861)が目の前で仲睦まじくこっちの方がヤバくなるぞ合戦を始めていたからだ。ルール無用の残虐性すら発露しそうでおっかなびっくりである。
 ……のだが。
 ぶっちゃけたところ、それ以上にやべえのがいる。
「人の暴力もいいけど、機械の暴力もいいんだよねぇ……♪ 一切の躊躇なく痛め付けてくれるし、人じゃ出せない圧倒的な力強さ……」
「如何にも『遊んでください』って見た目で私達の前に出てきたんだから、遠慮なく遊んであげようじゃない! 腕が鳴るわ!」
 『毒亜竜脅し』カナメ(p3p007960)。彼女は敵の攻撃を受け止め、防ぎ、受ける傷すらも愛することのできるマジのガチでヤバ目のタンク気質だ。プロレスラー気質ともいうが。
 他方、『永遠の少女』ルミエール・ローズブレイド(p3p002902)はなんかもう完全に遊びに来ている。依頼を、敵を甘く見ているのではなく。相手の強さを理解してなお、『遊べる』と認識しての態度だ。ヤバくないわけがない。
「ひとまず、群がって来る雑魚を掃除しつつ本体に向かおう。破壊するにしても、ほどほどに……」
「無理であるな!」
「我の道を阻んだ以上、砕け散るのも又運命也」
 ゼフィラとしては研究の為に遺跡を保全したかったが、練倒とロックがいる以上は期待できないことを悟って項垂れる。この依頼に於いて要望を纏めてそれなりの範疇に収められるの、ジョシュアとイズマぐらいなもんなので致し方なし……か。


「雑魚共は吾輩に任せるのである! 一手に引き受けて蹴散らしてくれよう!」
「やっぱり、囮役が一人でもいると格段に楽だな! まずは相手の出方を見る……!」
 練倒は己の胸を叩き、此方に来いとばかりに身構えた。遺跡本体を狙いに定めることは出来ずとも、群がって来る雑魚は我先にと彼に殺到する。が、その体に有効打を与える気配はない。状態異常のたぐいを持っていれば別だろうが、無いなら打ち破られることはまずない。
 イズマもその堅牢さに感嘆の声を交えつつ、後方から魔導楽器で以て調べを奏で始めた。序盤から激しく速くは心臓に悪い。ゆっくりと、狂気を染み込ませるように奏でていく。雑魚は簡単に倒れはしないが、所々で自傷行為に出る者が現れた。
「少しずつ、確実に……数を減らさないことには先に進めませんが、慌ててもよろしくない、と」
「力押しで壊していっても、それで全て砕くようでは意味がない。小型のも残せれば上々だけど、無理かぁ……」
 ジョシュアは居並ぶ雑魚に的確に打撃を与え、個体の傷を広げていく。慎重に立ち回っても、派手にやっても。壊れる定めからは逃れられぬ状況を察して、ゼフィラは深くため息をついた。それでも身に刻まれた所作は正直なもので、次々と雑魚を蹴散らしていく。
 そんな状況を尻目に、ロックは真っすぐに遺跡へと足を進めた。雑魚など最初から眼中になく、強敵との果し合いにこそ意識が集中していたのだ。無論、遺跡もはいそうですかと懐を許す筈もなく、複数の腕が稼働し、雑魚を新たに吐き出してくる。
「ウルフィンさんの邪魔はさせませんよ」
「うぇへへ……♡」
 が、現れた雑魚は詩織の髪に絡め取られ、運の悪いものは一瞬にして引き裂かれ。
 ロック目掛けて殺到した遺跡本体の腕は、カナメが嬉々として引き受けにいく。攻撃の勢いは相当なもののはずだが、それを一切避けずにまともに喰らってなお、彼女は嬉々として腕を広げた。足りない、と言っている。容赦のない機械が自分もろとも耕しにきているはずなのに、これでは全く道理が通らない。
「この図体でも、打ち上げることぐらい出来る」
 ロックは仲間の支援を受けてするりと遺跡の膝元に潜り込むと、あらんかぎりの力で骸槍を突き上げた。轟音とともに遺跡の足元が一瞬浮き、追撃の為に槍を構えなおす。
「その体で耕した土に押し潰される気分はどう? 感想が聞きたいわね!」
 と、そのタイミングに合わせる形でルミエールの術式が発動し、四方から土壁がせりあがった。魔力消費的に後先考えない出力は、遺跡へ与える衝撃よりもその見栄えにこそ派手さが垣間見えた。これで倒れるなどとは考えていない。が、続けざまに打ち込もうと魔術の準備を構えている時点で、その目に喜色が混じっている時点で、彼女は完全に楽しんでいる。
「後ろは後ろ、前は前でかなり混沌としているようですね。腕を確実に落とし、手数を減らすべきでしょうか」
 ジョシュアはどうにも形容し難い遺跡本体の戦闘状況を一瞥し、カナメの負担を減らすべきかと思考を巡らす。その間も手は止まることなく、迫る個体へ術式を叩き込んでいる。最も雑魚メカに肉薄している練倒を補助すべく頭数を減らしにかかるが、さりとて練倒自身も近づいた個体を次々と吹き飛ばしていくではないか。右手をぶんぶん振り回し当たるを幸いに敵を押しやる姿は、いっそ清々しいまでのインテリジェンス(脳筋)プレイだ。とはいえ、冗談にすら見えるその立ち振舞も、正確な狙いと敵戦力の把握、そして倒すという強い意志がないと効果を十分に発揮できない。地面を穿つ勢いで叩きつけられる拳は、あれよあれよと言う間に雑魚メカを蹴散らしていく。
「吾輩の鱗は無敵! インテリジェンスこそパワー! この拳で全員を蹴散らすのである!」
「その意見には若干同意しかねるが……こいつらが邪魔なのは全くもって同意だ!」
 勢いでモノ言ってんじゃねえかという練倒の言葉には些かばかりリアクションに困ったイズマであったものの、その手の細剣の軌道は淀みなく勝利への旋律を紡ぎ出していた。次々と蹴散らされる雑魚はもはや補充が追いついておらず、どころか、それらを排出するハッチが開いたままになってしまったのだ。
「内部を軽率に露出させるとは……甘く見られたものだな」
「つまりあそこから中に入って暴れてもいいのよね?!」
 当然ながら今も尚雑魚メカは排出されているが、ロックとルミエールの前で不用意にハッチを開けっ放しにすることがどれだけ愚かしい行為なのかは言うまでもない。
 実際、雑魚は排出されるが遅いか2人を確実に仕留めるべく迎撃に入りはしたが、次から次へと放たれる強力な攻勢によってハッチに装備されたシャッターごと吹き飛ばされたのである。鬼気迫る勢いでそのまま内部に攻撃を仕掛けた遺跡は、放っておけば早晩最悪の結果を招くその存在を破壊したいはずだ。したかったはずだ。
 だが、遺跡本体が持ちうる6本の腕はすべてカナメを仕留めるために全力稼働を行っており、同時に強いられていた。本来の脅威度よりも遥か凶悪なものと認識され、破壊対象とされていたからだ。
 怪しく光る彼女の目は、それだけで相手に正常な判断を奪わせた。そして実際に、全力で倒すべく攻撃を振り下ろされてなお楽しげに笑っているのだから始末に負えない。
 生身の肉体につきたてるとは到底考えられない出力で、およそ人に突き立てちゃいけない得物を叩き込んでくる容赦のない動きに対し、カナメの目の輝きようといったらない。否、そんな攻撃を受けて笑顔でいる彼女がおかしいのだ。
「いや、なんでそれだけ攻撃受けて楽しそうなんだい?! 治療が必要ならすぐにでも」
「駄目、もっと十分に受け止めてからじゃないと勿体ない……♡」
「全く理解できないんだが!?」
 これには冷静に分析してなんか格好いい立ち回りでもってなんかしたかったゼフィラも動揺と混乱の坩堝に押し込まれておよそ正常な判断ができなかった。
 理解に苦しむ。敵よりも、味方の行動が。
 だが、その思考も長くは続かない。なにしろ、遺跡の側が目に見えて動きが鈍くなっていたからだ。何故か? 語るまでもない。
 雑魚を排出する場所から侵入された以上は追加で出力できなくなったため、手を取られていたイレギュラーズが本体攻撃に合流したこと。
 そして、詩織のあまりに執拗で複合的な呪術的な攻勢が続いたことで、遺跡の正常稼働が阻まれたことにある。彼女はただただ、ロックを邪魔するものを許せず、それを徹底的に妨害しようとしていただけなのだが、結果としてストレートに激しい妨害として成立していた、ただそれだけ。
「この調子だと、事後処理のことを考えたほうがいいでしょうか……」
「ま、まあ……俺が言うことでもないけど、本体に向かってる人達は戦うことが大好きだから、後先は考えてなさそうだもんな……」
 ジョシュアとイズマもよく戦った方であるが、前のめりに戦ってぶっちゃけ相討ちで倒れて笑っていられるような戦闘狂を比較に出されると痛し痒しな気がしないでもない。
 なにしろ、彼らの視線の先では今まさにロックが内側から遺跡をブチ破り、ルミエールがその穴を広げ、ほか数名がこれ幸いと猛攻撃をかけている真っ最中であったのだから始末に負えない。
 最終的には、半ばからポッキリ折れて周囲に瓦礫がブチ撒けられる格好で遺跡は倒壊したのであった――。


「農地にするということは、瓦礫をなんとか避けないといけないということで……ある、が……?」
「…………粉々になってしまったね」
 練倒は、戦闘を終えて有り余っている体力を農地のために活用しようと考えていた。具体的には瓦礫運びと農地準備で。だが、破壊された後を想定していたかのように遺跡は粉微塵に風化し、あたりに散らされていくではないか。さしものゼフィラも、研究対象が消滅してしまった事実に目が点となり、驚くだとか絶望するだとか、そんな思考すらも遺跡ごと消滅していた。思わず手にとった灰を握り、数度触れ、「肥料だね……?」みたいなリアクションをするとは思わなかったのだが。
「帰る」
「えっ、手伝っていかないんですか?」
「依頼は遺跡の破壊だ。余禄に付き合う必要もない」
「カナも疲れたから帰るね、満足しちゃったし……♪」
 そして、「コレどうしたもんか」と考えている6人を尻目に、ロックとカナメは満足しきった表情でその場を後にする。詩織はロックと仲間達とをせわしなく視線を往復させた後、イレギュラーズとしての役割をまっとうすることを選んだらしい。
「最後の最後までやばい依頼だったな……全然、後先わからない位……」
「まあでも手間は省けたわ! あとは村人呼んでちゃんと説明すれば鉄帝復興の手助けになるでしょ!」
 最早やばい、としか形容できない自体にイズマは項垂れ、深くため息をつく。こんな時、ルミエールくらいに前向きだと本当に人生楽しいのだろう、と思わなくもなかった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 徹頭徹尾ヤバかった。

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