PandoraPartyProject

シナリオ詳細

シリアスになったらぶっ殺される依頼

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●シリアスゴブリンが村を襲っていますので倒してください!
「おねがいします!」










「……えっ、それだけです?」
 あまりに短い依頼内容に、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はつんのめった。なんか前にもこういうことがあった気がする。
「なんでもしますから!」
「そういうこと言ってるんじゃないのです!」
 あとお前なにもできねーだろ! ということでもないのです。
「も、もっと。もっとこう、情報とか、ないのですか?」
「情報屋なら情報を自力で探すものなのだ」
「ハッ――その声は!?」
 おもわず目を見開くユリーカ。
 見開くっていうか上向くっていうか、自分の頭上に目をやった。
 ユリーカの頭上にいつのまにか乗っていたまるっこい影。
 そう彼こそは……。
「ハムスター卿!」
「おはようなのだ」
 ナッツをもりもり食っていた30センチくらいのハムスター。
 彼こそは幻想南方貴族エトワール十二家門がひとつハムスター卿である。
「けど親切なおいらは教えてあげるのだ」
「「ありがとうございます!」」
 同時に頭を下げる担当者の人とユリーカ。
 のわーと言って転落するハムスター卿。
「し……シリアスゴブリンは場のシリアス力で強くなるモンスターなのだ。
 場がシリアスならシリアスなほど強いのだ。手がつけられないくらいなのだ」
 転落した姿勢のまま喋り続けるハムスター卿。
 よいしょと起き上がってくいくい顔を洗いながら話を続ける。
「奴らを倒す手段はひとつ……『カオス力』なのだ」
「「カオス力!」」
 ごくりと息を呑む担当者の人とユリーカ。
「シリアスな場に乱入して場をカオスで飲み込むのだ。
 ギャグやカオスに呑まれたシリアスはもはやシリアスとはいえないのだ。
 ゴブリンも力が弱ってぺそぺそのふにょんふにょんになるのだ。そこを叩くのだ!」
「「そこをたたくのですね!」」
 びしっと爪楊枝をつきつけるハムスター卿。
「さあいくのだ! ローレット! カオスで村をすくうのだ!」
「「はい、がんばります!」」

GMコメント

「タイトルでぶっ殺すって書いてますけどいって重傷ラインなんで、字面にインパクトが欲しかっただけなんで!(by担当者の人)」

【いらいがいよう】
 むらにしりあすごぶりんたちがやってきます。
 とってもしりあすなばめんにやってくるので、とってもこわくてつよいのです。いどんでもけっちょんけっちょんになっちゃうのです。
 だからしりあすなげんばをぎゃぐととーくでかおすにしてやるのです。
 そうすればごぶりんはしおしおになっちゃうから、すぐにやっつけられるのです。
 あといらいがいようってひらがなでかくといがいがしててのどにわるそうなのです。

【シリアスな現場】
 村にはシリアスな現場が四つあるぜ!
 全部を回るにゃ時間がねえ。だから俺ら(PC)は四つに分かれるぜ!
 オーケー、イカレたシリアス現場を紹介するぜ!

・葬式会場
 おじーちゃんが亡くなったらしく一族と友人そのたが集まってしくしくないています。皆喪服姿。壁んとこぜんぶ白黒の縞模様。
 お坊さんがお経めいたものを唱えて木魚的なものをぽくぽくしています。
 そこへゴブリンがわーってくるので、シリアス力をつけないように場をカオスの限りにしてやりましょう。

・不倫現場
 人妻と間男がしっとりしてる所にたまたま早く帰ってきた夫。
 出くわす三人。呼吸を止めて一秒あなた真剣な目してたからちょっとゴブリンにこんにちわ。
 このままじゃ三人まとめて血の海だ。放って置いても血の海だ。
 出番だローレット。負けるなローレット。場をカオスに包み込め。

・普通の公園
 シリアス現場だと言ったな。あれは嘘だ。お子様と主婦が集まる昼間の公園だ。
 おっと待ってくれキャサリン、本当にシリアス現場じゃあないのかい?
 そうよジョニー見て奥様たちったらあんなに楽しそうにお喋りをしてるわ。
 おいおい君の目はアスホールかいごらんよあの作り笑い。誰の夫が高収入かでマウントの取り合いさ。子供の学力親の財力家の時価総額その他全てでマウントを取り合う戦場なのさ。
 ワーオ本当ねここもシリアス現場に間違いないわあと殺すぞジョニー。

・村の青年団
 オラたちはゴブリンさ狩るだ。
 ゴブリンはおっとおとおっかあを殺しただ。
 そこのボブは村を焼かれただ。
 ゴブリンはゆるさねえだ。おらたち青年団は武器をとってゴブリンと戦うだ。
 シリアスの限りをつくすだ!

【アドリブ度(鬼)】
 こんなシナリオでアドリブしないわけがないよね。
 キャラなんてジェンガに鼠花火突っ込んだときくらいに崩壊するよね。
 けど中にはPCのキャラが崩壊したら死ぬ病気のひととかいるとおもう。キャラに勝手に若者ボイスをあてられたら全身の穴という穴から血をふく呪いにかけられた人とかいるとおもうから。
 だからそういう人はプレイングに『アドリブなし』ないしは『アドリブ禁止』って書いておくといいとおもう。そこは頑張るから。死んだら悪いし。
 けどそうじゃないなら。
 覚悟をもってそこの参加ボタン押したなら。
 『アドリブ歓迎』『覚悟完了』って書いてみようか。
 がんばるから。

  • シリアスになったらぶっ殺される依頼完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年10月09日 21時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
共にあれ
ジーク・N・ナヴラス(p3p000582)
屍の死霊魔術師
トート・T・セクト(p3p001270)
幻獣の魔物
クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)
煌めきの王子
パーシヴァル(p3p005214)
美少女
葛城 リゲル(p3p005729)
竜爪黒狼
柴山さん(p3p006603)
紛うことなき

リプレイ

●うち公園あるんだけど……焼いてかない?
 公園はマダムの戦場。どの家庭が優れているかでマウントをとりあう修羅の世界。
 時としてそれは法や常識をも凌駕し、夫や子供すら材料にかえて自慢合戦は繰り広げられる。
 そんなシリアス戦争のまっただ中に、シリアスゴブリンはやってきた。
「ククク、俺様はシリアスゴブリン。ここにシリアス力がたまってくるのがわかるだろう……?」
 鉈を持って現われたのは全長3メートルくらいの凶悪なゴブリンだった。RPGで最初の村に出てくるようなやつじゃない。下手したらラスボスクラスのやつだ。
 だがそんな時でもシリアス戦争をやめないのがマダムたち。
「キャー! 私が襲われたら混沌で大損害がおきるわー! 私の夫の職業はインフラ関係の――」
「わたくしの夫はもっと重要なポストに」
「わたくしの家は医者を何人も輩出し――」
「ちくわ大明神」
「わたくしは家が金閣――いまの誰?」
 一斉に振り返るマダムたち。
 『紛うことなき』柴山さん(p3p006603)がベンチに堂々と座り、足を組み替えた。
「あ、あなたは……」
「柴山さんだぞ」
「誰!?」
 ゆっくりとしぼんでいくシリアスゴブリン。
 一方でマダムたちは咳払いをして自慢を続けた。
「わたくしはともかくうちの子は有名校に通うことが確定していて――」
「うちの長男なんてあの芸術家をしのぐ腕を――」
「パトロンが三人ついていて――」
「それジャングルでもおなじこといえる?」
 無言で振り返るマダムたち。
 ベンチに寝そべる柴山さん。
「柴山さんだぞ」
「だから誰!?」
 本当に誰。
「かつて『つよい柴山さん』と呼ばれた柴山さんだぞ」
「誰!?」
「ジャングル、カネ、ツカワナイ。ツカウモノ、チカラ、ダケ」
「誰!?」
「バイオ柴山さんだ」
「誰!?」
「柴山~、野球しよーぜー」
 『特異運命座標』猫崎・桜(p3p000109)がバットとグローブと眼鏡を装備して現われた。
「誰!?」
「でも女の人同士で取り合いするの珍しいね? あ、それだけ熱狂的な野球ファンなんだね♪」
 マウントの取り合いとマウンドの取り合いを間違えたんだよって誰も説明しないとどこまでも転がっていくので説明しておくね。
「誰!?」
 マダムこっちに振り返るのやめて。
「キレーなお姉さん達、僕も仲間に入れてー♪ え? 野球しようとしてるんじゃないのかな? かな? 公園でマウンドの取り合いしてるって聞いたんだけど??」
「ちょっと、意味分からないこと言うのやめてくださる!?」
 マダムの一人がぶち切れた。
 切れたマダムは世界を滅ぼしかねないほどのシリアス力を備えている。
 時として学校教師を奴隷化するというシリアス力は貴族主義社会の幻想国家では嵐よりも恐れるべきものとして知られていた。
 ――トビンガルーを急に斬り殺す柴山さん。
 切れたマダムは得意の演説を始めた。そーよそーよと賛同するマダム勢を味方につけいかに自分たちを優遇すべきかを声高に語る。
 ――トビンガルーを醤油とみりんで甘辛く焼き始める柴山さん。
「つまり私たちは」
 ――トビンガルーにピーマンとにんじんともやしを加えて炒め始める柴山さん。
「えっと」
 ――フライパンに塩こしょうをふる柴山さん。
「……」
 ――フライパンを揺する柴山さん。
「……」
 ――フライパンを揺すりながら小さく鼻歌を歌う柴山さん。
「いや待て。今『じかそうがく』と言ったか?」
「言ってないです」
「柴山さんだぞ?」
「知らないです」
「――『地火爪楽(じかそうがく)』。今更説明するまでもない、ジャングルに伝わる奥義。大地と火の力を借りた爪による一撃。相手は死ぬ」
「聞いてないです!」
「む、君たちはココのマウンドを独り占め(?)しようと来た悪い(?)ゴブリンだね! ダメだよ! 此処は皆で仲良く楽しく野球をする所なんだから!」
「聞いてないです!」
 ていやーと言いながら飛びかかる桜。
 なんかハンペンみたいになったシリアスゴブリンをバットでぽこぽこ殴り、柴山さんは『柴山さんパンチ!』とか言いながらトビンガルー野菜炒めをシュートした。『柴山さんキック!』とかいいながらわさび醤油を垂らした。
 『柴山さんエクスプロージョン!』と言いながらケチャップでハートを書いた。
「悪(?)は去ったね!」
 眼鏡をかけて野球しにいく桜。
 取り残されたマダムたちに、柴山さんが思わせぶりに振り返る。
「柴山さんだぞ」
「「だから誰!?」」
 本当に誰なの。

●不倫の現行犯がクローゼットに隠れるのって様式美みたいなとこあるよね
「ジェシー、一体なぜ」
「マイケルこれは違うの」
「おっと、旦那さんかい? きみ独身だって言ったよね」
 死のトライアングル。
 それは誰もが知っているシリアス力の発生地。
 踏み込んだ者は残らず死ぬというその三角地帯は妻と夫と間男によって作り出されていた。
 ベランダのガラス戸をがらっとあけて入ってくるシリアスゴブリンは場のシリアス力を鼻から吸い上げ、みるみるうちに殲滅力に特化した形態へと変化していく。腕とか八本に増えるし角とか沢山はえるし身体も黒くてGの羽根みたいなのはやしはじめた。もうこれゴブリンじゃない。
 だが恐怖の三角地帯を作り出す三人はそんな状況にすら無関心だった。
 妻の不貞にぶち切れる夫。夫の不義理に責任転嫁を始める妻。一人逃れようとする間男。それを逃すまいとぶち切れる夫とそれを無責任に咎める妻と……という具合にぐるぐる高まり続けるシリアス力。
 ストップ・ザ・シリアス力。
 部屋の隅になぜか置いてあったでっかい壺をサ○エ割りして、『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)が現われた。
「参上、シュラバーン!」
「誰!?」
「筆者の友達が五年くらい前に考えた漫画のネタだけどほぼ同名の漫画が世に出ちゃったせいで書くに書けなくなった悲しみのキャラクターじゃ」
「誰!?」
「フフフ、しらんのか……だがこいつは知っておろう、資本主義世界の豚ァ!」
「フゴオ!」
 壺の下んとこを内側から粉砕して、資本主義世界の豚が現われた。
 資本主義世界の豚オンザデイジーである。
 馬鞭を取り出すと、デイジーは資本主義世界の豚の尻を叩き始めた。
「自己紹介をしろ豚ァ!」
「フゴオ!」
「間男に奥方を取られて悔しいじゃと?」
「フゴオ!」
「おっろかものーぅ!」
「フゴッフゴッ、フゴゴ……!」
「お主は壺の中に閉まっておいた薬草を勇者にとられたら、それを返して貰うのかの?」
「フグウ!?」
「新しい薬草、摘みにいくじゃろ」
「フグゥーン! グゥーン! グゥーン! ハァハァフグゥーン!」
「おなごは壺の中の薬草と一緒、とられたらまた新しい薬草を探しに行けば良い」
「ハッハッハッハッハッハッハッハッフグググググッフ、フ、フ……アァッフ」
「だって、この無辜なる混沌におなごが何人いると思っておるのじゃ」
「ふう……」
「35億」
 全部言い切ったデイジー。デイジーに跨がられたまま賢者みたいな目をしてる資本主義世界の豚。
 話が全然頭にはいってこなかったシリアストライアングルとシリアスゴブリンは、最後『え、え?』とか言いながら身を乗り出していた。
 デイジーも渾身の『35億』をキメたはずなのに聞き返されて顔を真っ赤にして両手で隠していた。
 開くクローゼット。ウクレレ片手に現われる『幻獣の魔物』トート・T・セクト(p3p001270)。
「参上、シュラバーン!」
「誰!」
「五年前筆者の友達が――」
「それもう聞いた!」
「それじゃあ聞いてくれ。『男同士で恋愛すればいいじゃない』」
 トートはべけべーんとウクレレを奏でると、リズミカルに腰を左右に振って歌い始めた。
「あの一等星のさんざめく光であなたとダ――」
「まてまてまて」
 夫が腕を大きく振って止めに入った。
「リアルな歌詞はやめろ。別に訴えられたりしないし商業的権利も侵害してないと思うけど見てる人が『著作権侵害!』て叫んだ瞬間もうこれおもしろくなくなるから」
「その話をした時点でもうおもしろくなくなるのでは」
「なら最初から議論の元になる歌を持ち出さなければいいと思います」
「フォロー外から失礼します。著作権は無体財産権に含まれる知的財産権にあたりますので商業的利益にかかわらず権利者は訴えを起こす権利が――」
「うるせー!」
 トートはウクレレをフルスイングして夫妻間男シリアスゴブリン資本主義世界の豚の全員をベランダから放り出した。
「えーじゃあ今度こそ聞いてください。『その間男、男の方が好きだってよ』」
 トートはベッドの上に腰掛けると、裏返しにしたウクレレを太鼓変わりにして歌い始めた。
 後に間男はホモという偽りの噂が広まり、ホモ界隈からのえげつないアプローチが多発したのはまた別の話である。

●葬式ほどギャグにむいた空間は無い(歴史的コメディアンのことば)
 流れるお経と木魚の音。
 すすり泣く喪服の遺族。
 桐の棺桶と笑う遺影。
 そこへがらりとシリアスゴブリンが現われた。
「お線香だけあげさせてもらってよろしいですか」
 その一言でマックスまで跳ね上がったシリアス力がシリアスゴブリンの尻から吸収され、シリアスゴブリンは一気に3人に分裂した。数だけで言えばプッ○モニである。
 更に遺族の老婆がむせび泣きながら『あのひとの葬式にこんなに人が』と呟いた瞬間ゴブリンが更に一人増えた。数だけで言えばミ○モニである。
 更に場の人たちがもらい泣きをし始めた瞬間ゴブリンの数はモ○娘と化した。それも全盛期のやつだった。ラブがマシーンする頃合いである。
「こんなに人が」
「見なよ、遺影のおじいちゃんも喜んで――」
 遺影と棺桶へ振り返った人々。
 開いた棺桶からむくりを起き上がる『屍の死霊魔術師』ジーク・N・ナヴラス(p3p000582)。
「やあ、私骨」
 シリアスゴブリンの人数がこ○しファクトリーと化した。わかる?
「呵々。私はまだ死んでないよ。それよりおじいちゃんの従兄弟の孫の友達の近所に住んでる私が親戚のよしみでおじいちゃんを蘇らせるために来たのだよ」
 ジークは棺桶からじーちゃんを抱え起こすと、素早く自分とおそろいのアロハシャツに着替えさせた。
「『オッス。オラジジイ!』」
 腕を持って上下に振りながらバレバレの腹話術を始めるジーク。
 ゴブリンが保田大○神と化した。分かる人いるのこれ?
 と、その時。
 遺族の長男(喪主)が立ち上がった。
「いい加減にしなさい! 御霊前ですよ! 不謹慎じゃありませんか!」
「不謹慎とばかり言っていては経済が回りませんよ」
「フォロー外から失礼します。葬式費用によって経済は回っているので不謹慎さと不経済はイコールでつながらないと思います」
「うるせー!」
 『急がば突っ切れ』葛城 リゲル(p3p005729)がリゲルドリルドロップキック(RDD)で突っ込んできた。
 吹き飛ぶ襖。吹き飛ぶ長男(喪主)。へし折れる遺影。
「俺は世紀の天才霊媒師! 葛城リゲル様だぁ!」
「それより長男! 遺影!」
「くらえ、ソルトスプラッシュ!(ソルトスプラッシュとは葛城リゲルの必殺技である。悪霊にリゲルの塩をまくことで除霊した気分になるのだ。あとリゲルの塩は海洋産である)」
「おいまて御霊前で除霊するな除霊を!」
「ぐあああああああああああああ!」
 ジークが煙をあげながら苦しみもがいた。
「骨ええええええええええええ!」
「リ・ゲ・ル・の・塩!」
 リズミカルに塩をまきつづけるリゲル。
「ぐああああああああああああああああ!」
「リ・ゲ――」
「ぐああああああああああああああ!」
「リ」
「ぐあああああああああああああああああああああああ!」
「……」
「ぐああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 腕組みをして黙るリゲルの前で、ジークはひたすらもがき苦しんだ。
「……あ」
 もう塩巻いてないなって気づいたジークがぴたりと止まった。
 咳払いするジーク。
 小さく頷くリゲル。
 リゲルたちはゆーっくり振り向いてから。
「「リ・ゲ・ル・の・塩!」」
 保田と化したシリアスゴブリンに塩をまき始めた。
「ぐあああああああああああああああああ!」
 なぜかもがき苦しむシリアスゴブリン。
「おじいちゃん、キミに決めた」
 おじいちゃんボールを掴んで投げつけるジーク。
「リゲル、俺に決めた!」
 リゲルローリングラウンダー(RRR)を繰り出すリゲル。
「ぐあああああああああああああああああ!」
 シリアスゴブリンはしめやかに爆発四散。
 ジークとリゲルは手を合わせ、『安らかに眠れっ』とシニカルに言った後、アロハ着てウクレレ弾きながらリズミカルに腰を振りながら帰って行った。

●聞いてください、幻想青年団で『特異点ディスコ』!
「おらゴブリンさ倒――」
 『麗しの王子』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)と『美少女銃士』パーシヴァル(p3p005214)がスライディングで現われた。
「聴いてくれ!」
「OUJI&パーシヴァルちゃんで」
「「『特異点ディスコ!』」」

 特異点ディスコ
 歌:OUJI&パーシヴァル withイレギュラーズ
 詞:知らない人

 あの特異点のふえるパンドラで
 あなたのパンドラ減らそうか
(輝きながらくるくる回るクリスティアン)
 我が特異点の上下にあわせて
 空回ったプレイングでゴリ押して SEY!
(マンキーダンスを踊り始めるパーシヴァル)
(棺桶から目覚めるジーク)
(障子戸を突き破ってくるリゲル)
(壺をサ○エ割りするデイジーと桜)
(クローゼットから出てくるトートと柴山さん)
 口上もったふたりプレであわせた
 命中20! 意外! 当たらない!
 台詞書いてつける度胸試しよ
 スキルで終わる行動はないわ
(ウクレレを叩くトート。奏でるジーク&リゲル)
(スタンドマイクを持って左右に揺れるクリスティアン)
 予約の中ならぶあなたみつけた
 追い予約しても受からない
 隣に合わせ並ぶアイコンが
 ハートを作る並びじゃないわ
(壺を持ち上げて腰を振るデイジー&桜)
(マイクを握って小指を立てるパーシヴァル)
 闇市いっちゃって
 ゴールドすっちゃって
 気づけば金貨
(大爆発を起こす柴山さん)
(バックで踊り始める青年団)
 あの特異点のふえるパンドラで、あなたのパンドラ増やそうか
 このイベシナの羅列に誘われ、出会ったコンビで会話して――SEY!
(倒れるカキワリ)
 王、オ、王!
 ――アイテム送って
(現われて踊るマダム集団)
 応、オ、応!
 ――NPCに届け!
(更に倒れるカキワリ)
 王、オ、王!
 ――ハンマーで殴れば
(現われて踊る不倫トライアングラーと死んだはずのジジイ)
 応、オ、応!
 ――変わった新構成
(コーラスするバックダンサーたち。キレッキレに踊るクリスティアンとパーシヴァル)
「まさかの二番!」
「フルコーラス!」
 大体のクラスは ハンマーひとつで分かるのさ
 未発掘なセットで 発破! 発破!
 大胆なスキルは 必須スキルになるのさ
 バブみ感知で 発破! 発破!
(リコーダーを吹き始めるリゲル&柴山さん)
(自分の骨と豚を叩き始めるジーク&デイジー)
 ハンマー降ってやがて自分忘れる
 村焼く過去も忘れたい
 大成功を願う濃ゆいプレイも
 不思議と朝は白紙のままさ
(マラカスを振り始める桜&トート)
(マイクを交わして顔を寄せるクリスティアン&パーシヴァル)
 文字がなくたって
 なんとなくやって
 文字が埋まって――
(なぜか大爆発する全員)
 あのMVPの輝く一人は はたから見てもヤバめいた
 我がオリジナルの称号を貰えて 明日の今まで差し替えて
(火を上げて転がるシリアスゴブリン)
 さあ予約群を勝ち抜いた依頼で あなたの全てぶつけようか
 ねえ何十年のゲームの歴史で 自分の性癖探ろうか
 あの特異点のあつまる依頼で あなたとプレを合わせようか
 ほら土日だって月火水木金曜日も 並んだ依頼に予約して――SEY!
(限界まできらめくクリスティアン)
 王、オ、王!
 ――プレを書いたので
 応、オ、応!
 ――ライブに変われ!
 王、オ、王!
 ――アドリブするから
 応、オ、応!
 ――歌詞にかわれ!

 ダンスをしながらゆっくりと去って行くイレギュラーズ。
 その後ろでコーラスしながらついていく青年団と妻&穴ブラザーズとジジイ&遺族ブラザーズ。
 シリアスゴブリンは死んだ! 完!
「「FOOOOO!!」」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 こちらのいらいは実在の人物団体ボカロソングとは一切関係ございまSEY!

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