シナリオ詳細
犬カフェにようこそ
オープニング
・犬カフェのもふもふ
柔らかなクッションの上に、犬が座り込んでいる。犬種はトイプードル。小さな身体にくるくるとした毛が特徴の犬だ。トイプードルは日向でうとうととしたり、時折そわそわとしたりしながら、飼い主が帰ってくるのを待っている。
「ただいま」
トイプードルは飼い主の声に立ち上がり、玄関まで走っていく。靴を脱ごうとする主人の膝に飛び乗ろうとして、他の犬と取り合いになった。
チワワ、シーズー、ダックスフンド、それからそれから。部屋でくつろいでいた犬たちが飼い主の元に集まって、撫でてほしい可愛がってほしいと尻尾を振っている。飼い主はその状況にしょうがないなあ、なんて笑いながらそれぞれを膝に抱えて、よしよしと撫でていくのだった。
「今日はお客さんだよ」
その声と共に玄関に入ってきたのは、左右の目の色が違う青年だった。彼は犬たちと視線が近くなるようにしゃがみこみ、飼い主の女性に「撫でていい?」と聞いた。
「うん。思いっきり可愛がってあげて」
「やった」
青年は近くで尻尾を振っていたトイプードルを抱えあげると、そっと膝に乗せた。撫でてくれるのかとでも言いたげな顔をしているふわふわの生き物をしばらくわしゃわしゃと撫でて、それから女性に向き直った。
「ここが犬カフェになるんだね」
「そうそう。もう準備は出来ていて、あとはわんちゃんがもう少し慣れてくれれば」
青年が改めて部屋を見回すと、磨かれた椅子と机のセットが一つと、大きめのソファー、それから小さな椅子といくつものクッションが置かれていた。それから仕切りを挟んだ向こうにあるキッチンと、犬の写真集や飼い方の本、それから犬のおもちゃが置かれた棚が設置されている。なるほど、おおよその準備はできているらしい。
「だけど宣伝が何もできていなくてね。チラシとか作るために、誰かと楽しく遊んでいる写真を撮らせてほしくて」
「それで僕たちに声をかけてくれたんだね」
女性は頷いた。
「犬好きな人たち、呼んでくれないかな?」
・もふもふと遊ぼう
「犬が好きな人、触れあってみたい人向けの依頼かな」
遊び疲れて眠ってしまったトイプードルを抱えているのは、『茨の棘』アレン・ローゼンバーグ(p3p010096)だ。アレンはトイプードルをよしよしと撫でて、それから笑みを浮かべた。
「もうすぐオープン予定の犬カフェがあるんだけど、宣伝用に写真を撮らせてほしいんだって」
イレギュラーズがすることは、犬と楽しく遊ぶこと。時折飼い主の女性が写真を取りに来るが、特に緊張する必要はないということだ。
「オープン後と同じように、軽食も飲み物も出してくれるってさ。自由にくつろいでほしいみたいだよ」
それじゃあよろしくね。アレンはそう言ってウィンクした。
- 犬カフェにようこそ完了
- NM名花籠しずく
- 種別カジュアル
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年02月08日 22時05分
- 参加人数4/4人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
・パピヨンと一緒
「わぁ~、犬カフェをオープンするんですか……!?」
玄関まで走ってきた犬たちを撫でながら目を輝かせたのは、『夢みるフルール・ネージュ』クロエ・ブランシェット(p3p008486)だ。
「私、動物がとっても好きなんです」
是非手伝わせてくださいと言うと、飼い主は笑顔で頷いてくれた。
室内に上がると、ソファーに座っていたアレンがこちらを向く。
「クロエ。来てくれたんだね」
「はい。アレンさんも素敵な依頼を教えてくれてありがとうございます」
彼の膝の上では、トイプードルが安心しきったように寝ている。彼はトイプードルに好かれるのだなと、思わず微笑んだ。
折角犬カフェに来たのだ。自分もわんわんと遊ぼう。わんわんと会話をしつつ、嫌がることはしないように。これからかわいい犬たちとたくさん遊べるのだと思うとわくわくする。
どの子に最初に話しかけようかと周りを見渡すと、お耳がぴょこんとしているパピヨンと目が合った。おいでおいで~と手を広げると、パピヨンは尻尾を振りながら近づいてくれた。ピンと立ったお耳が自分のリボンみたいで、何だか親近感が湧く。
「名前は何て言うんですか?」
ルナと呼ばれているとパピヨンが教えてくれる。ルナさんと呼んでもいいかと尋ねると、彼女は嬉しそうに尻尾を振った。
ルナは鈴が中に入ったボールで遊ぶのが最近のお気に入りらしく、それで遊ぶことにした。ボールを投げると、ルナは走って取りに行く。そうして再び投げて欲しいとクロエの前にボールを咥えて戻ってくるのだ。
何度目かのボールを投げたとき、アレンの膝で寝ていたトイプーが目を覚まして、同じボールを追いかけて走っていった。
「ボールの取り合いになっちゃったね」
「でもあの子たち、仲良しさんみたいですよ?」
ならきっとじゃれあっているんだねと、アレンと頷き合った。
ルナが遊び疲れた頃に、カフェオレとロールケーキを貰った。
ルナにもボーロを差し出すと、嬉しそうに口を近づけてくれた。犬の舌が手に触れるのがくすぐったいけれど、やっぱりかわいい。
ぱしゃり。カメラの音にそちらを向くと、飼い主がカメラを降ろしたところだった。照れ臭いと思いつつも撮った写真を見せてもらうと、クロエが差し出すお菓子を楽しそうに食べているルナの姿が映っていた。
これで依頼は終わりだけど、オープンしたらまた遊びにきたい。そう思ってルナの頭を撫でると、彼女はまた来てほしいと尻尾を振った。
・かわいい「犬」
足元に集まる犬たち。熱烈な歓迎に「テーマパークに来たみたいだぜ」と呟いたのは『崩れし理想の願い手』有原 卮濘(p3p010661)だ。テンション上がるな、と『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)に同意を求めると、クウハは頷いた。
「犬いいよな、犬」
大型犬もいいが小型犬も良い。来たのだから思う存分モフってやろうと足元の犬に視線を合わせた。
「軽食も頼めんならサンドイッチでも注文するか」
「とりあえずそうだな、ドリンクをプリーズ」
サンドイッチやドリンクに時折手をつけながら、犬たちをかわいがる。
「よーしよしよし、可愛いな!」
クウハがシーズーの耳の後ろを撫でると、もっと撫でて欲しいと顔を摺り寄せてくる。顎や腹を撫でると、もっと撫でてほしいとお腹を見せるように転がって、好きなだけ撫でてあげたくなる。
シーズーとクウハのテンションが上がってきたところで音の鳴るぬいぐるみを投げてやると、シーズーがダッシュでおもちゃを取りに行く。
犬のかわいらしさを満喫していたら、じっとこちらを見ている視線を感じた。卮濘だ。
「……。いいなー」
ずるずるとジュースが卮濘の口に吸われていく。それを飲み干したところで、卮濘は「よし」とどこから出したのか犬耳カチューシャを装着した。
「くーうーはー!!」
「お、おう」
「私もー! 撫でろー! かーまーえー! もーふーれー! わんわーん!」
手を犬の形に曲げて卮濘が吠えると、依頼の趣旨忘れたのかよ、とクウハが笑う。しょうがねェな、構ってやるかとクウハはいたずらっぽい表情をした。
「おーい、店員サン。ここに犬を名乗る不審者が」
「おいこら店員呼ぶなや、呼ぶな」
「冗談だよ、怒んなって」
「私は何処からどう見ても可愛い犬だが?」
それでいいのかとクウハが呟く。それでいいのか。
「オマエも取って来いやるか? 他の犬より早く取ってこれたら褒めてやる」
クウハの膝の上で甘えているのは、シーズーとトイプードル。特にこのトイプードルはすばしっこい。
「俺への忠誠心が本物ならそれくらい出来んだろ? 俺は賢い犬が好きなんだ」
他の犬の見本になる様にお座りもお手も完璧にやれ。ちゃんと出来たらこのサンドイッチを手ずから食わせてやる。クウハの挑発ともとれる台詞に、卮濘は「はーほんと、これだから……」と呟く。
「やってやろうじゃねえかこの野郎!!」
クウハがボールを投げると、犬に混ざった卮濘が走っていく。トイプードルも早い。小さな身体でぴゅーっと走り、卮濘の後ろに迫っていく。
「わんわーーーーん!!!」
トイプードルに追い付かれそうになった卮濘は半ばダイブするようにボールに飛びつき、他の犬と共にクウハの前に戻った。トイプードルと並んでお座りをして、クウハを見上げる。
「取ってきたーわんっ!」
お座りもお手もばっちり。ないはずの尻尾がぶんぶんと振られているように見える。確かにこれは完璧で賢い「犬」だ。
クウハが約束通りサンドイッチを手ずから食べさせてやると、卮濘がにっこりと笑みを浮かべながらサンドイッチを咀嚼しはじめた。
これでいいのか、とクウハは眉を顰める。本当にこの扱いでいいのかは甚だ疑問だ。やはりないはずの尻尾が振られているようには見えるが。
クウハの表情に気が付いた卮濘が、クウハを見上げる。
「ん。クウハがクウハらしく笑っていられたら……、いいから」
「いや、嬉しいならいいんだが……」
そう呟くクウハの顔はやはり複雑そうである。
「なあ、写真一緒に撮ってもらうか?」
卮濘がサンドイッチを食べ終わってからクウハが尋ねると、卮濘は「撮る撮るー!!」と先ほど競争したばかりのトイプードルを抱えた。それからすとんとクウハの膝を陣取る。
トイプードルのふわふわの毛をわしゃわしゃしている卮濘と、その卮濘をモフモフしているクウハ。この構図なら宣伝写真に使えなくもないだろう。
「犬は一匹でも可愛いが、複数いると更に可愛いからな。そうだろ、俺の可愛いワンコ?」
「あ、可愛いって言ったな!?」
卮濘が膝の上で吠えるが、クウハはどこ吹く風だ。
「そうだなー、可愛いも数も正義!」
はいピース。卮濘の合図と共に、一匹と二人、もしくは二匹と一人の写真が収められた。
依頼を達成したところで、今日の土産物があるなら買って行きたいと、クウハは店の隅にある商品を眺める。犬の首輪やおやつといったものが置いてあるのだが、卮濘は首輪でも喜んでしまいそうな気がする。
本当にこんな扱いでいいのだろうかと、犬とじゃれあっている卮濘を見て思うのだった。
・ポメラニアンのふわふわ
「わんちゃんなの~♪」
カフェの中に走っていったのは『欠けない月』ピリア(p3p010939)。ドアを開けた途端にふわふわのわんちゃんが目に入って、思わず息が零れる。
このカフェは小さいわんちゃんばかりだと聞いている。小柄な自分でもいっぱいもふもふできるのではないかと期待していたのだが、小さな犬はこの腕でも抱えられる。
今日はわんちゃんたちとたくさん遊びたい。まずは膝によじ登ってきたポメラニアンと一緒に過ごそうと、柔らかい毛を撫でてみる。つやつやとした毛は手のひらで触れると心地よくて、何度も撫でたくなる。
背中をなでて、頭をなでて、最後にお腹。ポメラニアンも楽しくなっているようで、撫でるたびにふわふわの尻尾が揺れた。
思う存分撫でてから、おもちゃを棚からとってくる。ボールを投げてみると、ポメラニアンはもふもふの毛を揺らしながら走っていく。
ポメラニアンが転がったボールで遊んでいる頃、ダックスフンドがロープを持って近寄ってきた。どうやらこれはひっぱり合いに使うものらしい。ダックスフンドが咥えたロープの端を持つと、ぐいぐいと引っ張られてしまう。
「ぴ、ピリアそんなにちからつよくないから、わわわ~!」
ダックスフンドに引っ張られて床に滑ったが、彼はそれも遊んでくれているものだと思ったらしい。くるくるとピリアの周りを歩き、足のリボンを咥えた。リボンがするりとほどける。
「それはロープじゃないの~! もってかないでなの~!」
リボンを咥えたダックスフンドとピリアの追いかけっこがはじまって、ちょっとしたかけっこ大会になった。
走り回ったらお腹がすいたから、何か食べることにした。メニューにはおいしそうなお菓子がいくつかあって、随分迷ってから紅茶のクッキーにした。
「わんちゃんは、なにたべる?」
わんちゃん用のクッキーはあるかと飼い主に尋ねると、犬用のクッキーをいくつか渡してくれた。犬たちに一枚ずつあげながら自分のものをかじると、一緒のものを食べていると思えた。
のんびり屋さんだったり、控えめだったりする子は自分からお菓子をねだりに来ないかもしれない。そんな子にもお菓子をあげて仲良くなりたいから、カフェの中をぐるりと回って、わんちゃんを探した。
クッキーを食べたら、お歌を歌いながらひなたぼっこ。歌と共にオパールの輝きが現れて、犬のおもちゃやお菓子が浮かんでは消えていく。
そうしてのんびりと過ごしていくと瞼が重くなってきて、同じく遊び疲れたわんちゃんと一緒に目を閉じた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
NMコメント
こんにちは。椿叶です。
もうバレていると思いますが一番好きな犬種はトイプードルです。
目的:
犬カフェのわんちゃんと楽しく遊んで、写真を撮ってもらうことです。
もうすぐオープンする予定の犬カフェですが、宣伝活動がまだまだのようです。イレギュラーズと楽しく遊んでいる犬たちの写真を撮り、チラシなどの作成に使わせてほしいとのことです。
写真は撮られますが、あまり緊張せずとも大丈夫です。犬がかわいければ飼い主(店主)としてはオッケーなので、恥ずかしい場合は自分は写さないでほしいと伝えても良いです。
状況:
場所は練達にある犬カフェです。一軒家の一階をカフェ用にリフォームしたような造りになっています。日当たりが良く、犬たちがよく窓際でうとうとしています。
犬用のおもちゃが自由に使えるようになっているので、犬たちが興味を持ったら使ってあげてください。
オープン後と同様に軽食やちょっとした甘い物、飲み物も出してくれます。食べたいものがあればリクエストすると良いでしょう。犬用のおやつも置いてあります。
店主&犬について:
犬たちの飼い主が店主をやっています。名前を聞けば「サラ」と答えます。
トイプードルやシーズーなどの小型犬がいます。人懐っこい子がほとんどですが、繊細な子もいます。
サンプルプレイング:
わんちゃんかわいいね、すごくかわいい……。ダックスフンドの子が寄ってきてくれたから、この子と一緒に遊ぼうかな。名前はなんていうの?
折角だからサンドイッチでも食べようかな。この子にもちょっとお菓子あげたいけど、何があるんだろう?
遊びたい犬がいればプレイングに書いていただければと思います。よろしくお願いします。
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