PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ミニスカサンタが今年もやってくる

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・今年も(一回目)

 クリスマス。由来はさておいて、この無垢なる混沌にもそれは存在する。
 イレギュラーズの持ち込んだこの冬の一大イベントは、今や皆の共通のものとなった。
 街中をリア充がイチャつきながら跋扈し、子供連れの家族はチキンとケーキに舌鼓を打つ。シャケも食べろ。
 そんな平和ボケをかます日常の遥か上空、雲の上。星々の下を駆け抜けるソリが一条。
 慌てた様子で法定速度をブッチせし者の名は"サンタクロース"。赤き法衣に白き髭を蓄えた人々の幻想。あらゆる手段を用いても実在証明の行えないソレは、今ばかりは子供達へプレゼントを渡す為、その姿を表していた。
 しかし。 今宵のソレはなんとも悲しいことか、ソリに乗せた贈り物をポロポロと落としてしまっている。 このままではソレは役目を全う出来ぬ。
 そして流星となった贈り物が、地へと向けて降り注ぐ光景をを見上げながら、私──『夢野幸潮』はこう書き記すのだった。
「慌てん坊のサンタクロース。クリスマス前にやってきて──仕事を増やす」
 練達にて購入したホワイトチョコレートのドーナッツを頬張り、私はイスカンダルを走らせた。
 プレゼントの届かないクリスマスなど、子供たちにとっては目覚めの悪い悪夢でしかないからだ。

・ここからが本編です

「よう、私だ。夢野幸潮だ。私のことを知らぬ人には初めまして。知っている人はご機嫌よう」
 雪の降る練達の街の外れ。黒を白で覆い隠したような聖職者の服装をした夢野幸潮が、貴方達を待ちかねていた。
「経緯は読んだな?では結構。今回の依頼の内容を簡潔に言おう」
 そして、背後にある包装された箱の山を指さして、こういった。
「今回の依頼はプレゼント配り、その代行だ。汝らにはこれより所謂"サンタクロース"というものになってもらう。 もちろん、そのための衣装はこちらで用意させてもらった」
 幸潮はライト・エフェクトを用い、赤い服の掛かったハンガーラックと、着替える用の天幕を照らす。
「だが──なんの悪戯か、今回用意できた服は『ミニスカートのサンタ服』のみ。 あぁ、コレらは男女共用であり、サイズは自動的にアジャストされる特殊品だ。 本当に、何故だろうな」
 なお、これ以外の服を着てプレゼントに触れるとプレゼントは爆発するものとする。
「……あぁ、私か? 私は見ての通り、聖職者の真似事だ。 残念だが、私には別の用事があるのでね。それでは諸君、健闘を祈る」

NMコメント

わかめです。
(冬の季節シナリオは)初シナリオです
今OP出せばクリスマスじゃんってことで書きました


・なにすんの?
ミニスカサンタ服でプレゼント配り!
おわり。
わちゃわちゃとかは全然しても構わないからね!

・ミニスカサンタ服
この服を着ている間、『寝静まる子のいる家』に忍び込む際に、大幅な補正を得ることができます。適切な非戦スキルを持ち込んでいる場合さらに性能が向上します。あと着ている間は寒くなくなります。
つまり、着ろ。

・プレゼント達
上記のミニスカサンタ服を着ていない者が触れると4桁ダメージの防無必中ダメージが触れた者に入ります。サンタ服を着ている者と子供達には無害です。

・その他
-移動手段とか運搬手段はソリでもお好きに。
-真面目に書いてますが設定の通りこのシナリオは与太以外の何者でもないのでクソプレ歓迎です。
-クリスマス中に出せるように執筆頑張ります

  • ミニスカサンタが今年もやってくる完了
  • NM名わけ わかめ
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月24日 22時10分
  • 参加人数6/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール
チェルハ 03(p3p010803)
地平線の彼方
トール=アシェンプテル(p3p010816)
ココロズ・プリンス
リヴィア=フォーレンティア(p3p010856)
堕ちた姫君
瀬能・詩織(p3p010861)
死澱

リプレイ

サンタ
・聖なる夜に、救いを。

 依頼を受けた者達がそれぞれの更衣室に入ってから数分後。安楽椅子に腰掛けながら幸潮が六人を呼ぶ。

「さて、サンタ達よ。 プレゼント配りへ向かう支度はできたな?」

「もっちろん準備完了よ! 我ながらとってもセクシー&キュートな仕上がりね!」

 最初に出てきたのは『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)。 その二つ名に違わぬ明るさで更衣室から現れた。 強さと豊かさを備えた肉体が、面積の少ない赤白衣に合わせてよく映える。
 
「いやぁ、似合い過ぎて困っちゃうわー、あっはっはー!」

「よく似合っているな」

「そう?やーっぱりそう思うでしょ?ありがとね〜♪」

 京はテンション上がり気味のまま、プレゼントを袋に詰め込み始めた。 その辺りで次のカーテンが二つ開く。現れたの『地平線の彼方』チェルハ 03(p3p010803)と『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)。 

「この『みにすか』というのは制服、という扱いで合っているのかな? とても動きやすくていいね。 気に入ったよ」

「そ、そうですかぁ……? 私はいつも丈の短い服を着ているような……たまにはズボンとか履きたいですよ……」
 
「何、此度のルールだ。 仕方あるまい。 なんの因果かアレらプレゼントは赤白の使者衣に身を包まねば防犯のため触れるのみで爆発する」

「おかしいじゃないですか!」

「仕様だ。 諦めろ」

「くぅ……わかりました。 せっかくのシャイネンナハトなのにボヤいてるのは勿体ないですしね……」

「そうだよ。 何事も経験だ。 せっかくの機会を楽しもう」

「そうッスよ! 真冬にミニスカートなんてイルミナの専売特許ッス! 普通はこの真冬にミニスカなんて普通は寒くて着れないでしょうが、そこはイルミナ、ロボですから! 誰よりも元気にプレゼント配りを……」

「悪いな。 サンタ服は防寒機能万全だ。 それを着ている限りお前らに周囲の寒気は通さないようになっている」

「……あ、着てる間は寒くないんスか?そうッスか……」

 生身でない『蒼騎雷電』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)が胸を張って誇ろうとしたがサンタ服の隠し機能の前に敗北。 元々感じなかったから気づかなかったのだろう。

「そうよね…今気付くのもどうかと思うけど。なんでへそ出しなの? 丈も短いし…いえ、前に着たのよりはマシだけれど」

『堕ちた姫君』リヴィア=フォーレンティア(p3p010856)も見えそうになるマイクロミニの裾を引っ張りながらそう言う。

「そこまでのものはなかった気がするが。 はて、何故に……クソッ、描写が悪用されたか」

「これで寒くないことはもう疑問に思っても無駄ね…トールさんも言っていたけど、これを着ないと即死ダメージ入るプレゼントって時点でおかしいもの」

「おかしくない」

「やっぱりそう思いますよね!」

「本当に……子供達に贈り物を配ると言うのは、とても素敵な事ですね。 …...この衣装でさえなければ、そう素直に思えたのですけれど」

 音もなく現れた『恋(故意)のお呪い』瀬能・詩織(p3p010861)が軽く顔を赤く染めつつ言った。 サンタクロースの伝統、トナカイの引くソリにプレゼントを載せきったところだ。

「どうした詩織。 何を今更な事を」

「…...ええ、ミニスカサンタが何か知らなかった私が、全面的に悪いのだとしましても。 気を取り直しまして、サンタさんの代行業務に励むと致します」

「おう。頑張ってくれたまえ」

「偉っそうですね……」

「偉いからな。 今は」

「幸潮さん、袋に一杯詰めちゃったけど構わないわよね?」

「持って行ける分を持っていけばいい。 しかしよく持てるなそんな量」

「大丈夫大丈夫、このくらい軽い軽い! アタシってば、結構鍛えてるし!」

 流石のフィジカルの暴力。 肩に大きく膨らんだ袋を担いでも全く立ち姿がぶれていない。お供のリトルワイバーンに乗っていざ出発。

「気合い入れて飛んでいきなさい、夜明けまでには終わらせるわよ!」

「では私達も向かいましょう、トナカイさん。 贈り物を夢見て眠る、子供たちが待つ家に。 ええ、風よりも光よりも速く。 今日の私達に限界はありません。さあ、誰も辿り着いた事のないスピードの向こう側へ」

 大空に飛んでいくワイバーンと、大通りに飛び出すソリとトナカイ。 詩織の顔が何処か燃えているような気がするが。気のせいだろう。

「よし、気を取り直して、元気にプレゼント配り行ってみましょう!!」

「オーっ!」

 そうして、練達中を駆け抜けるプレゼント配り作戦は始まったのだった。

・子供達に夢を。

 雪煙を巻き上げながら、深夜の町を爆走するトナカイとソリ。そして雪を巻き上げながら飛ぶレッサーワイバーン。

「アタシたちについてくるなんてすごいわね詩織さん! で、も、このまま置いてってっちゃうわよ!」

「くッ!? 京さんとワイバーンさん、直線が私達より二割は速い!! ですけれど...コーナリングがかなり荒い! 抜き去る隙は、まだ!ですよね!トナカイさん!!」

 クルルと喉を鳴らしながらトナカイは頷く。
 
「ふふっ、いいですかトナカイさん。10軒先の角、あの最終コーナーで勝負を駆けます!!」

「ワイバーン! 負けたらサンタの名が廃る! 気張んなさいよ!」

 お互いがサンタの名に懸けて、(何故か)練達の街々を駆け抜けていく。まだ夜は遠いのに。

 さて、視点を変えて別の場所。 自称『今この世界において一番サンタクロース』なイルミナ。 瞬間記憶と精密模写で一度聞いて覚えた配達先の家に到着。

「ふっふー、子供達よ、今からイルミナサンタがプレザントをお届けに参るっすよ〜!」

 ミニスカサンタ・鍵開け能力を発揮してツインロックの玄関を開けて正面からお邪魔する。 サンタさんという幻想の前に現実のセキュリティなど無力。 親も子供も起こさぬように、ミニスカサンタ・忍び足で歩く。

「そーっと……そーっとッス……けど、折角ですしサンタさんが来たよアピールしておくッス」

 そう言ってリビングの方へ足を向けるイルミナ。 お前は何をやっているんだ。 早く配達に戻れ。

「え?余計なことするな?いいんスよ今はイルミナがサンタなので!!!」

 ……さて。 お菓子はないかとふと見た机の上にあった『サンタさんへ』と書かれた手紙には、本来プレゼントを届ける筈だった慌てん坊な方のサンタへの感謝が書かれていた。

「……ふふっ、こんなに熱心にサンタさんのことを想ってくれてるなんて少し小っ恥ずかしいッスね」

 一緒に置かれたチョコチップクッキーを頂きながら、イルミナは一緒に置かれた『お返事ください』のカードに笑顔のサンタマークを描いた。

「こんなカワイイ事してくれる子には、追加でご褒美をあげなきゃっスね♪」

 気を良くしたイルミナはそのまま枕元にプレゼンを配達完了。 スヤスヤと眠る稚児の頭を撫でながら。

「来年も、またいい子にするんッスよ〜……♪」

 イルミナは優しい声で、そう語りかけるのだった。 さて視点を戻して先程の二人。聖夜の爆走の結果、勝利したのは僅差で詩織だった。

「ふう、なんとか勝ちました。ではプレゼントですね。
えっと扉の鍵は...…」

 詩織は左の家へ、そして京は右の家へワイバーンで近づく。

「いやー負けちゃったわね〜……でーも、気を取り直してお家に忍び込んじゃお。 ワイバーン、あの窓の横につけて」

 折角お誂え向きに煙突があるというのに、京は窓から入るらしい。 伝統を守ってほしいところだ。

「煙突〜? やーよ、……せっかく可愛い格好してるのに煤まみれになっちゃうじゃない。 ささっ、早速入るわよ〜……そーっと、そーっと、静かに入らないとね?」

 サンタパワーで窓の鍵を開け、するりとアクロバディックに忍びこんだ京。袋からプレゼントを取り出して、枕元に置く。 あどけない寝顔が目に入る。

「へへっ、いい寝顔。かぁいいなぁ、かぁいいなぁ……
アタシもそのうち、あの人と……えっへへ、なぁんて……ま、まだ早いわよねぇ……っ! うへへへ……!」

 つい漏れ出てしまった心の声に身を任せ、軽く子供の頭を撫でる。 が。

「う、うぅん……? さんた、じゃん…?」

 子供を起こしてしまったようで、寝ぼけてぽうっとした目を子供は向ける。 このままではサンタの実在性がバレてしまう。 そうなっては依頼失敗になるやも。

「えっと……サンタさんが来た事、みんなには内緒にしてね? お姉ちゃんとの約束よ? ね?」

「……うん。 わかったァ……zzz……」

 だがなんとか姉力全開、性癖ぶち壊しサンタ・ウインク&投げキッスでなんとが誤魔化しつつ、次の配達先へ向かうのだった。

・褒美の"価値"は人による

「ええと……ここまで運んだのは経験乳、保安官vs女コンバイン怪人フィギュアのセット、乾燥わかめ、神社建立RTAマニュアル、乾燥わかめ、乾燥わかめ…でしたね。わかめ多くないです?」

 私は知らない。

「それで…最後のプレゼントがこの光る!回る!鳴る!RCカリバーDX……っと、リヴィアさんとおみさん、奇遇ですね。私は此処で終わりなのですが」

 並ぶ家々からの屋根の上から03が、道の向こうからやってきたリヴィアがトールと合流。

「ボクはもう配り終えて帰り道なんだ。二人は……まだ終わってないみたいだね」
 
「…あら、トールさん? あなたもこの家に?どういうことなのかしらね…?」

「あれ? 目的地が一緒になるなんて不思議なこともあるんですね」

 お互い首を捻ってみるが答えは出てこない。

「なんにせよ先ずは入ってみるべきだよ。 百聞は一見にしかずとも言うしね」

「……確かにそうですね!」

「入ってみましょうか」

「ボクは先に戻っているから、後で結果を聞かせてくれ」

 そうしてトールとリヴィアは鍵を開けて家へ潜入。二階の子供部屋まで忍び足でたどり着く。

「眠っているようですね……良かった」

「でも、大きなベットね……?」

 とベットの中を覗いてみると、そこには二つの頭があった。二人向き合って、手を繋ぎすやすやと眠っている。

「手違いかなと思ったけど……」
 
「なるほど、双子だったのね。じゃあこれは私から…」

 二人は枕元にプレゼントを置いて、可愛い眠りを邪魔しない内に退散。

「それでは戻りましょうか」

「ええ、そう…………ね……ぁ」

 しかし、何故か本来の描写に逆らいギフトが発動。リヴィアの目から意思が消えてふらふらと足取りでトールと別れることに。

「ぁ、一つ、プレゼントが……残ってた、みたい……」

「……?そうなんですか? それでは私もは先に戻りますね。 遅くならない内に戻ってきてくださいよー」

 それに気づかずトールは空を飛んで元の集合場所へ。他の四人も既に集合済みだ。トールが到着したの見て、カップの中に残っていたあったかい紅茶を飲み干し幸潮が言う。

「おう、全部配り終わったようだな。一人足りんが……あぁ、そうか。 描写の裏から聞こえる嬌声はそういうことか。畜生め」

「それで?無事に配り終えたけど、ボクらにもご褒美はあるのかな?夢野」

「おう、あるさ。もちろんな」

「へぇ、どんなのどんなの? アタシ達サンタにご褒美って何かしら?」

「そりゃあ、勿論――」

 わざとらしくフッと笑い、敢えてタメて言い放った。
 
「――ローレットの基本報酬。そして汝らの届けた子供達の笑顔とこの言葉だ」

 Merry Christmas。祝祭の夜を、このリプレイで楽しんでもらえれば幸いだ。

「イルミナ達にも豪華なプレゼントがあるとかないんスかぁぁぁ!?」

「ない」

 カジュアルシナリオだからな、と肩をすくめて笑う。

「……とても素敵な体験ができたという事だけでも、良かったと思いましょうか」

「ちなみにオチもない。トール、あとは任せた」

「急にメタくなりましたね!?……では。 行きますよ」

 バトンを任されたトールが空を飛び、極光の剣-煌-を使って空にオーロラを作り出す。

「綺麗ね……」

「おぉーっ、これは苦労が報われる光景ッスね♪疲れも吹っ飛ぶッス!」

「まぁ、これならボクらも頑張った甲斐があったかな」

「皆様、お疲れ様でした」

「輝かんばかりのこの夜に。この混沌世界の健やかなる未来に極光の祝福を」

 一夜の配達劇は、こうして幕を閉じたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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