PandoraPartyProject

シナリオ詳細

猫もトナカイもイレギュラーズの手も借りたい!

完了

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オープニング

●お仕事が終わる気がしないのだ!
 外は雪がちらちらと舞い、遠くに見える街並みはカラフルな色を放っている。まもなく訪れるであろう聖なる日に街の雰囲気はそわそわしているようだ。
 とはいえ舞台は街ではなく、その街を遠くに眺める山の上の大きな小屋で。小屋からはひっきりなしに人が行きかうような音とガヤガヤと話す声が聞こえてくる。
「無理! もう無理! 今年こそ準備終わんないよぉ~!」
 そんな小屋の中で大声で嘆く存在があった。俗に言う『サンタ服』を身に纏った女の子である。粘土のようなものが積みあがった机の上で突っ伏してじたばたしている。
「頑張ってよ。オーナメントも頑張って作ってるからさぁ」
 苦笑して彼女を宥めているのは隣で椅子に座り、粘土のようなものを捏ねているトナカイである。蹄にもかかわらずトナカイの手(?)の中で粘土はみるみる形を変えてリースの形になる。
「そんなこと言われたって飾るべき家は増えてるし、どう頑張ってもオーナメント足りないし、トナカイの手は借りてるのにもうどうしろって言うのよぉ!」
 ガバっと顔を上げた女の子の視線の先にはオーナメントでいっぱいになったプレゼントボックス。そしてそれらが山盛りに積まれたそりと町の地図と順に視線を送り彼女は嘆くのであった。

●山積みの仕事のお手伝い
「世間はもう少しでクリスマス、なんだっけ?」
 シャイネンナハトともいうんだっけね、と『緑の郵便屋さん』マフティは言ってふわふわの尻尾を揺らした。
「今日はクリスマスの準備を手伝ってほしい依頼なんだ」
 すっと郵便バックから一枚の赤と緑の封筒を取り出すと詳しい話をしてくれる。

 その世界は俗に言うクリスマスのお祝いを前に『神様の御使い』と言われる存在が部屋に置いたモミの木を綺麗に飾ってくれるのだという。モミの木が飾られていれば『神様の御使い』が訪れた証。幸せなクリスマスを過ごせるだろうと言われている。
 ところが、街が大きくなって飾らなければならないモミの木が年々増え続け『神様の御使い』は実はもうキャパオーバーを起こしかけているらしい。モミの木の飾り手が足りないのはもちろん、飾るためのオーナメント作りも間に合っていないのである。
 それでも飾り付けが間に合わないのは絶対に避けたい、だから手伝ってほしい。
 というのが依頼の内容だった。

「さすがにお手伝いだけは悪いから、手伝ってくれたら好きなオーナメントを一つくれるんだって」
 素敵なクリスマスのためのお手伝い、ご褒美目当てでもいいからどうか助けてくれると嬉しいな。
 行ってらっしゃいと前足を振ってマフティはイレギュラーズたちを送り出すのであった。

NMコメント

 心音マリでございます。クリスマスにはシナリオが出せそうにないものの、クリスマスの雰囲気に触れたくなって出したリレーでございます。
 こちら1章完結の予定となっております。

・世界
 クリスマスにサンタさんがプレゼントを~という代わりに、クリスマスの準備をサンタさんが手伝ってくれる。というとイメージしやすい世界かと思います。

 舞台は『神様の御使い』の小屋と、街の家の中に分かれています。
 小屋の中は大変広く、大量の机が並び、そのほぼ全てにトナカイが座ってオーナメントを作っています。
 街の家の中は人それぞれ違いますが、共通して飾りのないモミの木が置かれています。

・目的
 『神様の御使い』のお手伝いをしましょう。できることは二つあります。どちらかを番号でお選びください。
 どちらを選んでも最後に好きなオーナメントをプレゼントしてくれるようです。

【1】モミの木を飾り付ける
 街の住人のお部屋に行き、好きなようにモミの木を飾り付けましょう。必要なオーナメントたちはプレゼントボックスに入れて渡してくれます。
 お部屋まではそりに乗せて送ってくれます。お部屋の住人さんはぐっすり眠っているので出てくることはありません。

【2】オーナメントを作る
 いろんな色の粘土のようなものを渡されるので、小屋の中でこねこねして様々な形のオーナメントを作りましょう。
 よくある形のものでも、新しいものでも作れば作るだけ喜んでくれます。
 よほど不器用など記載がなければ作りたいものが作れたことになります。
 欲しいなと思うオーナメントを作ってもよいでしょう。

・登場人物
 『神様の御使い』:簡単に言うとサンタさん的な存在です。サンタ服を着た女の子の姿をしていますが年齢不詳です。
 今はキャパオーバーで小屋で嘆いています。依頼人でもあります。

 トナカイ:小屋にたくさんいるトナカイさんです。いつもは『神様の御使い』を街の各部屋に送り届ける役割をしていますがあまりにオーナメントを作る手が足りなかったため今は総出でオーナメントを作っています。雄も雌もいます。

・サンプルプレイング
【1】
 モミの木を飾ればいいわけだな。思ってたより小さい木だけど頑張るぞ。
 いろんなオーナメントが入っているけどせっかくだから星がいいな。てっぺんに大きな星と、下の方にはカラフルな星のオーナメントを飾ろう。
 よし完成! 星空みたいなモミの木になったな。喜んでもらえるといいけど。
 オーナメントもらっていいんだったよな。あ、ならこれにしよう。たくさん星を飾ったから流れ星!


 それでは皆様のご参加と素敵なプレイングをお待ちしております。

  • 猫もトナカイもイレギュラーズの手も借りたい!完了
  • NM名心音マリ
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年12月23日 20時40分
  • 章数1章
  • 総採用数2人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

チェルハ 03(p3p010803)
地平線の彼方

(確かにこの数は骨が折れそうだ)
 移動中にそりに山のように乗せられたプレゼントボックスを見て『地平線の彼方』チェルハ 03(p3p010803)は思った。手の中には紫色のプレゼントボックスがある。程よい大きさと重さの箱。揺れると軽やかな音がするこの中にオーナメントが入っているのだという。

「おはよう。はじめまして」
 この部屋を頼むね、と案内された部屋にそっと入って小さく挨拶をする。
 見渡すとなるほど、モミの木が置いてある。持っていたプレゼントボックスを開けると色とりどりのオーナメントが顔を覗かせる。
「これが『オーナメント』というものか」
 丸、ドーナツ型、四角に三角、家の形をしていたり鐘の形をしていたり。様々な形と色を持ち、手の中で外の明かりを受けてキラキラと輝くようなそれらはまるでレガシーゼロのコアのようにも映る。
「このクリスタルの星は……一番上に飾ればいいのか?」
 ポンとクリスタルの星がモミの木のてっぺんに置かれる。一つ一つ飾っていく。飾られたオーナメントがより煌めく。
 飾り付けというものに詳しくはないものの、それでも思考しながら飾ることはできる。
 最終的に飾り付けられたモミの木は全体的に青っぽく氷のような印象を持ったものとなった。

 お礼にと飾りの入った赤色の玉をもらってチェルハは口元ほころばせた。
「『神様の御使い』サンにも穏やかな「幸福」が訪れますように」

成否

成功


第1章 第2節

ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い

 『千紫万考』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)の前には少し小ぶりなモミの木がある。飾り付けをしたことがない分、ちょうどいい大きさに見えた。
 記憶を探る、確か色んな色のボールがついていたはずだ。持っているプレゼントボックスの中にも丸い飾りがたくさんある。

 記憶を頼りに飾っていく。
「僕達の世界では各家でこういう事をしているのでしょうか?」
 大事な人と、家族と(実は一人かもしれないけど)それぞれに想いを乗せてモミの木を飾り付ける。飾り終わった後にはお祝いが待っている。
 温かくて豪華な食べ物やプレゼントを渡したりして、何とも優しくてあたたかいものだろうか。
 彼はまだそれをイメージでしか描けない。湧き上がるそれが本当なのかわからない。ただそれを『いいな』と思ってしまうのは本当だ。
 けれど、今年は少しだけ違う。
 今年は、約束をしている。
 だからきっと、イメージはイメージのままで終わらないはずだ。
 気が付けばほとんど飾り付けが終わっていた。何度か角度を変えてバランスを見て、問題なさそうだと確認する。そうして最後に天辺に星を飾って完成だ。
 カラフルな玉に飾られたモミの木は約束の楽しみを表すように明るく輝いていた。

 帰り道、彼の手には雪の結晶のオーナメントがある。
 もらったものだが生憎とツリーは持ってない。だからこれは友人に渡そう。きっと大切に飾ってくれるはずだから。

成否

成功


第1章 第3節

「終わったぁぁぁ。手伝ってくれたみんなありがと~~~~」
 少女が突っ伏した。今年も何とか無事に飾り付けが終わったようだ。
 飾り付けがされてない! なんて大騒ぎにならずによかったと胸をなでおろすのと同時に臨時の手伝いに感謝の気持ちが止まらないのであった。

 この世界でもどの世界でも、すべての人に幸せな日でありますように。

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