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シナリオ詳細

裏武器屋さんと殺し屋さんと『料理大会』

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・Topは特設会場のイメージ図です

「いぇぇぇぇぇぇい!!! 皆ぁぁーー!! 料理、作りたいかぁぁーー!!??」

「……卮濘ちゃん、うるさい」

「いや会場盛り上げるためだから仕方なくない?」

「…………」

 ここは鉄帝。 某闘技場。 突如作られた特設会場。 人の作るメシが食いたいとボヤく卮濘の声を聞き、寛いでいた『裏武器屋』をリラが連れてきて作られた。

 存在するのは複数のキッチンと、大量の食材。そしてマイクを持つ実況の卮濘、主観でしかものを話さない解説のリラ、過労でぶっ倒れている総道具係の綺蘭が座る審査員席。

「ここに来たからにはみんなわかってると思うけど! 改めてレギュレーションを説明するよ!」

 改めてマイクを握って立ち上がり、卮濘は声を張り上げる。

「料理時間はみんな等しく60分。 食材や機材は使い放題。 けど、えいせい?のことを考えて持ち込みの食材は禁止ね」

 雑に山盛りにされた食材は野菜、肉、魚、調味料等々とジャンルで分けられているが、所々ゲテモノ食材も混じっている。

「あと仕込みとかしてきたら不公平だから! 二日目のカレーとか持ってこられたらそれが勝っちゃうし! あ、ギフトで生成する系は可とします!」

「いいよね、ギフトって」

「リラはないもんね〜…じゃなくてっ、違う違う!」

 フワリと飛んで『チキチキ! 第一回鉄帝熱血料理大会!』と書かれた看板の上へ。

「それじゃー、始めるからねーっ! よーい……ドンっ!」


・貴方達が見た募集チラシ

(やけにキラキラとした手書きチラシがローレットに貼られている…)

──
[チキチキ! 第一回鉄帝熱血料理大会!]

みんな冒険ばっかりしてて気を張ってない?
こういう時はやっぱり美味しい料理だよ!
食材は私たちが用意するから、みんな好きに作っちゃって!
終わったらみんなで酒盛りしようぜ☆
※あくまでも大会だから、持ち込み食材は禁止!
※でもギフト製はいいよ!

参加費 ナシ!
参加賞 メシ!
優勝賞 栄誉!

みんなの参加を、私は腹ペコで待っている!
──

「……あ〜……こりゃ卮濘のいつもの暴走だ。 すまんが、よかったら付き合ってやってくれよな」

 通りすがりの幸潮はそう言って唐揚げを頬張りながら帰っていった。

NMコメント

どうも。わかめさんです(気さくな挨拶)
(料理シナリオは)初シナリオです

・なにすんの?
料理作ってください。
今回に関してはそれ以上でもそれ以下でもない。終わったら作った料理と余った時間で酒盛りします。
※引火性の酒もあるので注意!

・食材何があんの?
必要なものは全部あります

・機材何があるの?
使いたいと思ったその時、機材は既に存在しているのでお好きなものを。現代的に考えて常識外のものは流石に無いですが。

・プレイングに際して
60分という時間制限がOPで言われていますが調理時間はアバウトでも構いませんが、調理タイムテーブルを組み立ててくれていると書きやすいので嬉しいです。
もちろん無くても大丈夫なので作りたいものを作ってくださいね!

・最後に
今回のシナリオの舞台は全て"調理場"として扱います

  • 裏武器屋さんと殺し屋さんと『料理大会』完了
  • NM名わけ わかめ
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月02日 22時10分
  • 参加人数6/6人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

エル・ウッドランド(p3p006713)
閃きの料理人
シルト・リースフェルト(p3p010711)
騎士を名乗るもの
玄野 壱和(p3p010806)
ねこ
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標
リヴィア=フォーレンティア(p3p010856)
堕ちた姫君
狢(p3p010912)
腕落とし

リプレイ

・料理ってその人の心がよく表れるものだと思う

「それじゃー、始めるからねーっ! よーい……ドンっ!」

 卮濘の合図で、きっかり60分が記されたタイマーが動き出す。

「料理なんてやったことほとんど無いけど気持ちを込めれば大丈夫ってどっかで見たし頑張ろう……!!!」

 まずは『腕落とし』狢(p3p010912)が野菜、肉、米と手当たり次第に回収していく。

「こんなものまであるんだ……炒飯とか良さそう! 素早く炒めちゃおっか!」

「今なんかやばいの持って行ったよね??」

「気のせいだよ」

 そう言うと狢は集めた食材を大きな中華鍋に入れ、自身の調理場に戻る。

「料理ですか…。とりあえず煮たら何とかなるでしょう」

「ならんでしょ」

 『(自称)将来有望な騎士』シルト・リースフェルト(p3p010711)は開口一番そう宣った。

「こんばんは、ビストロリースフェルトです。おみまいするぞー!」

「何をだよ!!??」

 変な怪電波を受信したシルト。そのまま赤いのを集めて悠々と調理場に戻る。 大丈夫かな?

「どうしよう……何を作るか考えて無かったよ」

 その光景を見ながら『見たからハムにされた』エル・ウッドランド(p3p006713)も、調理器具と食材を見ながらレシピを考える。

「終わった後は酒盛りをしても良いように、寄せ鍋にしましょう!温まるし、簡単だからね」

「やはり鍋は最強ズボラ料理……いいよね……」

 ここにいる参加者全員の腹を満たせるよう、エルは美味しいものを片っ端から集めて仕込みを行う。 その横の調理場では、ねこ――個体名:たまの手を借りながら『ねこのうつわ』玄野 壱和(p3p010806)が米研ぎと玉ねぎをみじん切りにしていた。

「ねこは戦闘以外に使えるってとこ見せないとナ!」

「あっはは……なんで猫が触手出してんの??」

「可愛いから、よし」

「そういう問題じゃないと思う」

 そんな目を引くねこの活躍の裏で、『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)は料理人が如き調理技術を披露していた。

「……やっべ集中しすぎで声かけらんねえ」

 調子どーう? と見にきた卮濘をよそに、一嘉は揺れる豆腐を2cm角にサイコロ切りにし、昆布の表裏を軽く削り、豆腐達と昆布の一部を鍋へと入れて、煮込む。

「来ていたのか。 料理はオレの趣味でな。 多少は心得がある」

「いやすっごい腕前だと思うけど。 私がやったら爆散するし」

「嬉しい事を言ってくれるな。 だがオレの料理は最後まで待っておいてくれ」

「そうなの……っと、リヴィア、何やってんの?」

 一嘉が調理に戻ると同時に、卮濘は背後からの感触に反応して自爆る――のを抑えて振り返ると、いつの間に着替えたかフリフリなノースリーブマイクロミニメイド服を着た『堕ちた姫君』リヴィア=フォーレンティア(p3p010856)が。 P倫仕事しろやゴルァとキレそうになる拳を押さえながら話を聞く。

「自分で料理を作る機会ってあまりなかったけど、皆が喜んでくれるようなものができるように頑張りたくて……あなたたちの好きなものって何かしら?」

「よし、私はビーフジャーキーで!やっぱり肉だよ肉!肉正義!」

「わかりました……ぁ、リラさんは?」

 ふむ……と少し考えて、口を開く。

「ガーリックにオイルの効いたパスタ。 具材はベーコンを始めとした肉中心で。 胡椒にパセリも乗せて刺激的にね」
 
 卮濘とリラは注文を叩きつけるが、謎の風でリヴィアの衣装が揺れる……

「お二人のご注文承りましたっ♡ あなたたちが喜んでくれるようにがんばって作るから…楽しみにしてくれると嬉しいっ♡」

「キャラブレてる」

 変なスイッチの入ったリヴィアを見て、卮濘は妙な呪いにかけられてんなとキャラシを見ながら展開を恨む。

「……そうかしら?」

「可愛らしいを通り越して美味しそうな事に変わりはないのだけど」

 イカレた目のまま首を傾げたリヴィアに"捕食"対象として見ていないリラ。このままではP倫もヤバい──

「リラは話が脱線するから席に戻ろうぜ?」

 ──ので、指輪の拡大解釈で強引に話の流れを引き戻し、章を渡る。

「あと綺蘭は早く起きろ!?」

「……酒くだせぇ」

「アホかっ!!」

・美味いメシとは芸術品である
 
 艶めかしく舌なめずりをするリラと、アルコールが足りないと嘆く綺蘭。 そして一人真面目に会場の実況をしようと努力する卮濘。 盛り上がりに誘われて観客も徐々に増えてきた。

「よしよしたま、ありがとナ」

 壱和はたまと共に火の管理とカットを分担。 壱和は湯を沸かし一口大に切った具材を横に置いて、たまは合挽肉の混ぜ物を取り込んで──

「えっ取り込むの?」

「たまは賢いからナ。 ハンバーグ形成くらい簡単ダ」

「なる…ほど?」

 たまは膨張、圧縮と激しく動く。 これは本当に調理行為なのか?

「……深くは考えないようにしよう。見た目が冒涜的でも、うん」

 淡々と動き続けるたまから目を逸らす。 こわいから。

「そーれで、こっちの鍋は……おっ、もう出汁作ってるの?」

「寄せ鍋ですからね。 出汁は重要なので」

「UMAMIは第六の味覚。そこを重視するとは流石だな」

 ふんふんと頷く卮濘。

「少し発音がおかしくないですか?」

「気のせい」

「……シメも用意しましたから、楽しみにしておいてください」

「あいよぉ! んじゃ頑張ってねー!」

 ひょいっと後ろに飛んで、次の調理場へ。

「なんか大人っぽくなってるシルトー、何やってんの?」

 唐辛子、ネギ、白菜、唐辛子、肉団子、豚バラ肉、唐辛子を叩き込んだ真っ赤っかな鍋を煮ながら、横のフライパンではエビにケチャップと唐辛子、中華調味料加えて唐辛子を共にぶち込んでいた。

「いいからエビを焼くんです。エビを」

「……おん?」
 
「奥さん?知ってるでしょう? おい、パイ食わねえか?」

「無理矢理壁破ろうとしなくていいからね?」

「はい」

「あとどっちも真っ赤じゃない??」

「そうですか…?」

 シルトは軽く味見をする。口に入れて一言。

「辛くて旨味が沢山。 寒いですしこれくらいが丁度いいでしょう」

「私ら殺す気か?」

「善意ですよははは」

 笑って誤魔化すシルトに釘を刺し、そのまま次に。 ただ次も危険な香りが漂う。

「これで殺し屋さんとか武器屋の胃はイチコロだ……!」

 と目を輝かせながら中華鍋をバンバン振る狢。 宣言通り炒飯を作っているらしいが、やはり赤い。 救いは隣に一応普通の炒飯もある事だろうか。

「なんで」

「こうした方が美味しいかなって!」

「……おう」

 そっ…か。 としか言えない卮濘。 悪意なんて感じない。

「振り回しすぎて事故らないようにね…??」

「任せてよ、僕には自信があるから!」

 ふれぇーっと逃げるように応援しつつ、さらに次へ。 一嘉の調理は進んで、シメジ、ニンジン、生姜と残りの昆布、酒・醤油を一つの鍋で煮詰める段階に。 横には粉の入ったボウルもある。

「ほぉ〜……また進んでるね」

「今は煮詰めるばかりだがな。 皆も暖まるようなものが多い。 同じ考えのようだな」

「だぁねぇ……」

 ふと調理場を鳥瞰してみると、たまが形成した混ぜ物――タネを壱和が焼いていたり、リヴィアが自身の調理場に味見しませんかとリラを誘って……

「はい、あーん」

 ふー、ふー、とパスタを巻いたフォークに息をかけ、食べさせる。

「……ん。もう少し刺激強く、ね」

「もっと、ですかぁ? なら……」

 リヴィアのチラリズムもパスタも味わいながらリラはそう答える。

「何やってんだあいつらァ……」

 ここは料理番組だが? 深夜番組じゃねえぞ? という叫び押さえていても、当然時間は進む。 完成の時間は、刻一刻と、近づくのだった。


・いただきます。

 ビーーッ!と鳴るタイマーの音。 3600秒が経過したらしい。

「はいしゅーーりょーーっ!!」

「えー、終わりでこぜーますので、テキトーな順番で持ってきてくだせー」

「なら、まずはオレからだナ」

 壱和達がお盆に載せて運んできたのはハンバーグ定食。米もデミグラスソースも、味噌汁もついたオーソドックスかつ定番のヤツ。

「同郷っぽそうな奴もいるんでネ。和洋とソースは選択性にしてみたゼ。今度茶屋でも開こうかと思っててナ。感想とかあったら参考にするので聞かせて欲しイ」

卮濘:……あーいいわぁ、平和。
リラ:ちょっと物足りないかな。 猫可愛いし加点っと…
綺蘭:落ち着きます。ヤベーのが見えてるので怖いですが

 三人の評価はまずまず。日常的で美味しいからこその結果か。

「まぁ、オレ的にはイマイチって感じなんだがナ。 やっぱ普段と使ってる肉が違うからか風味が違うんだヨ……」

「え、普段は何の肉を使ってんです?」

 綺蘭の問いかけにんー、と考える素振りを見せる壱和。そうだナと呟きつつ

「企業秘密ってナ」

「えー……」

 明かすつもりはないらしい。

「それじゃあ次は僕ですね! どうぞ!」

 次はシルトの番だ。 勢いよく持ってきたのは大盛りの激辛豚炒めと……パイ。 なぜパイなのかと思いつつ、ひとまず実食してみた結果はこちら。

卮濘:辛いんだよバカ!!!!アホ!!!!
リラ:美味しい。私の身も心も、暖まったよ
綺蘭:……久方ぶりに食いましたねこんなの……水くだせー

 季節補正で卮濘以外は高評価。 鉄騎種と不健康生活にはよく効いたらしい。

「辛すぎる? 僕はもっと辛い物を普段から食べていますよ? さあのこさず食べましょう!」

「タスケテ」

「よーし!僕のも食ってってよ! 普通と激辛どっちがいいかな?」

「なんでそんなに激辛推すの?」
 
 狢もその空気に乗って、頑張って作った炒飯を出す。 卮濘と綺蘭は普通、リラのみが激辛を選択。

卮濘:あぁ……ラーメン欲しい……
リラ:ふぅ、汗が出てきちゃった。タオルってある?
綺蘭:すっげぇ懐かしい味ですねー

 炒飯という間違いのないメニューは当たり。選択式なのが功を奏してグレイトが並ぶ。

「本当に!? 嬉しいな!」

「さっきのがヤベェのばっかだったからな! 安心する味だった!」

「……僕のがひどいみたいな言い草ですね」

「言い逃れはできんが?」

 ともかく。次はエルが鍋を持ってきた。審査員席の中心にコンロを置いて土鍋をセット。取り分けて三人へと渡す。

「私特製の寄せ鍋を、召し上がれ」

 昆布と鶏ガラの合わせ技の効いた寄せ鍋。三人の評価は……

卮濘:冬ぅ……冬の味ぃ……
リラ:なるほど。こういう暖かさもあるよね
綺蘭:ザ・和ってヤツですねー

 混沌食生活ではあまり食さなかった家庭の味は好評。

「シメにはラーメンも用意してますよ」

「そりゃ楽しみですねー」

 そんなところで次はリヴィア。イカれた目のままメイドらしく配膳。

「それでは、オーダーの品をどうぞっ♡ 萌え萌えきゅん♡」

 卮濘はビーフ、リラはパスタ。綺蘭は……酒。

「え、なんでです?」

「オーダーがなかったので……これで良いかと」

「え、えぇ……」

 とりあえず、評価はこちら。

卮濘:あー!肉!肉はいいなぁ!
リラ:そうそう、この味。これくらいがいい。
綺蘭:料理じゃねーじゃねーですか……

「後でリヴィアちゃんごとテイクアウトね。 まだ食べ足りないから」

「ふぇ!?」

「リラ、あとでにしてよ……」

 頭を抱える卮濘の前に、一嘉が差し出したのは餡掛け湯豆腐。

「およ? こりゃなんで?」

「鉄帝国の冬、特に今年は、例年になく寒いと聞いた。
そして全量を食べていないとしても、参加者の料理を食べ続けていたら、胃もたれするだろう?なら胃から温まりつつ、胃に軽い料理が良いかなと。それだけだよ」

「ヤダイケメン」

卮濘:五臓六腑に染み渡らぁ……
リラ:……ごちそうさまでした
綺蘭:餡かけとかいつ振りですかねー

「うまかったですよー」

「それは嬉しい言葉だな」

 そんなところで卮濘が再びマイクを取り、大きく目立つ。 つまり、結果発表の場面だ。

「さて、最終評価……全員の評価を纏めて私が言うぜ〜! じゃんじゃかじゃかぁ……べんっ! 狢! 選択制ってところで私らの好みを突いてきたからな!」

 その言葉とともに、卮濘はパァンとクラッカーを鳴らす。 観客からの拍手も響き、料理大会は幕を閉じる。

 そのままなし崩し的に観客も参加者も混じって宴会が始まって。 この鉄帝の寒い冬の中、腹の底から温まることができたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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