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シナリオ詳細

秋刀魚でチャンバラ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●絵本『さんまでチャンバラ猫伝』

 世界に四振りの秋刀魚ソードが現れた!
 この世界を治める猫獣人、ニャンジャラハラマーの伝説によると、魔獣ケイオーンにより、この世界が滅ぶ時、異世界から四人の勇者が現れ、伝説の秋刀魚ソードを抜き、チャンバラして勝ち抜いた者が、世界を救うらしい。

 ニャンジャラハラマーの王、ニャランカーはたくわえた長いヒゲをしごき、でっぷりとした体を玉座に横たえて、国中にお触れを出した。

「誰か、この伝説の秋刀魚ソードを抜ける者はおらんのか。この伝説の秋刀魚ソードが抜ける勇者を見つけた者には、望む褒美を与えよう! また勇者には、世界を救った名誉と美味しい秋刀魚を与えよう。」


●境界図書館

 あなたが一冊の絵本『さんまでチャンバラ猫伝』を手近に居た境界案内人、サフィラス=ウィータル・アエテルナエの元へ持っていくと、サフィラスは云った。

「ほう。この絵本の世界へ行きたいのかのう? なれば覚えておくりゃあ。――この絵本はの、猫と和解するんじゃ」
 は?
「だからこの絵本は猫と和解すれば全て解決なんじゃ」
 うん、何を言っているの? 猫と和解? それは――。
「すなわちお主、猫になれ」
 はいぃ?!
「どんな猫でも良い。おぬしが猫となって、この猫まみれの世界で、世界を救う勇者、かの伝説の秋刀魚ソードを抜きし者になるんじゃ!」
 自分が世界を、この猫の世界を救う勇者になれるの?
「そうじゃ! この世界は勇者の力を、おぬしの力を求めておる。」

 本当に?
 サフィラスは重々しく頷いた。

「勇者の敵、魔獣ケイオーンは、巨大なチョウチンアンコウじゃ。こいつが津波を起こしておる。秋刀魚ソードのチャンバラで、海を割ってくれるかのう。衝撃波のビームアームストロング砲ヘラクレスが出るハズじゃ。」
 ああ、それから――とサフィラスは付け足して、言い募る。

「お好きな色の秋刀魚ソードを選んで、チャンバラして世界を救っておくりゃあ! チャンバラして勝つと、その秋刀魚ソードに世界を救う力が宿るからのう、思い切り魔獣をぶった斬っておくれ」

 健闘を祈る。――とサフィラスは言葉を締めくくり、絵本『秋刀魚でチャンバラ猫伝』の世界へ続く魔法陣の扉を開けた。

NMコメント

 NMの神寺 柚子陽です。今回は猫の世界から猫猫しく秋刀魚をお届けします。

●目標
 魔獣ケイオーンの討伐

●異世界『さんまでチャンバラ猫伝』について

 猫が支配する、猫ばかりが住む、猫のファンタジー異世界です。
 猫の王国があって、古い伝承に滅びの未来とそれを救う猫の勇者の存在が予言されています。
 猫になって、秋刀魚ソードを伝説のねこねこ海岸から引き抜いた勇者になって、魔獣ケイオーンを倒して下さい。
 魔獣ケイオーンを倒せたら、秋刀魚ソードはおいしく焼きましょう。

 ねこねこ海岸には、色とりどりの秋刀魚が泳いでいます。お好きな秋刀魚を選んで引き抜いて下さい。
 引き抜いたら先ずはチャンバラです。素振りでもいいので、チャンバラして、衝撃波のビームアームストロング砲ヘラクレス力を高めましょう。――おお、高ぶる威力です。チャンバラをしたら海が割れるようになります。

 魔獣ケイオーンは海からやってきます、巨大なチョウチンアンコウです。
 交戦場所は夜、ねこねこ海岸から、秋刀魚ソードで割った海の海底と海中を想定しています。
 衝撃波のビームアームストロング砲ヘラクレス力を高めた、秋刀魚ソードを奮うと海が割れます。
 まるで神話の伝説のように。戦いやすいように海を割って下さい。
 【水中親和】や【水中戦闘】がなくても戦う事はできますが、持っていくと有利に戦う事ができます。
 
●エネミー情報
 魔獣ケイオーン×1体

 巨大なチョウチンアンコウです。ヌオーって海から頭のあやしい光と一緒にやってきます。好物は猫のお肉と秋刀魚。肉食です。食べられないように注意しましょう。
 攻撃技は、惑わしのあやしい光で猫を引き寄せる。突進。噛み砕く。大きな口で呑み込むです。

 表皮が硬いですが大丈夫。ビームアームストロング砲ヘラクレス力を高めた衝撃波なら、こんな怪物だって何とかなるでしょう。
 何とかならなければ、猫の国は滅びます。

●NPC
 トラ猫のにゃん吉くん
 伝説の勇者を見つけた猫、いわゆる依頼人です。
 安全な場所で勇者の活躍を見守るようです。呼ばれなければ特に活躍はしませんが、何か求められればサポートはするでしょう。危なくなったら自力で逃げ延びるだけの力はあります。
 
 『境界案内人』サフィラス=ウィータエ・アエテルナエ
 あなた方を本の世界へ案内する境界案内人です。境界図書館にて、あなた方の異世界旅行を見守ります。
 
●特殊ルール
 この世界でのPCは猫になります。どんな猫になりたいか、お好きな猫生のお姿をプレイングに書いて下さい。

●サンプルプレイング
 僕は世界を救う勇敢な黒猫になって、青くて新鮮な秋刀魚ソードを抜く。
 魔獣ケイオーンと戦うぞ。
 先ずはチャンバラの素振りで秋刀魚ソードの使い心地を調整し、ビームアームストロング砲ヘラクレス力、長いな。ビームを撃つ準備をする。
 どっからでもかかってこい、魔獣ケイオーン! 僕が貴様を倒して、秋刀魚と一緒に喰ってやる!!!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 説明は以上となります。それでは良い旅を!
 ご参加をお待ちしております。

  • 秋刀魚でチャンバラ完了
  • NM名神寺 柚子陽
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年12月09日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

回言 世界(p3p007315)
狂言回し
レオナ(p3p010430)
不退転
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
佐倉・望乃(p3p010720)
貴方を護る紅薔薇

リプレイ

●勇者召喚

 魔法陣を潜ったイレギュラーズ達は、人の姿から瞬く間に猫の姿に変じた。そこには四匹の猫が居た。
「猫になるのは確かこれで2度目だったか……。俺、犬派なんだけどなぁ」
 ぼやく黒猫は『隠者』回言 世界(p3p007315)だ。黒猫になった世界は誰かの前をよこぎろうかと考えて、やめた。
「成程、事態は飲み込めた。つまり、私は猫だ」
 仁王立ちで腕組みする、毛並みがグレーと茶系の猫は『亜竜祓い』レオナ(p3p010430)だ。彼女のこれは猫なのか。なんか角とか鱗とか羽根とか生えていて尻尾もブッとい猫である。……猫? というか竜みたいだ。竜猫だ。
「ツッコんでいいか? レオナのその姿は、魔獣の類いじゃないか? 猫なのか?」
「猫だ」
 胸を張って重々しくレオナは断言する。世界は笑ってそれ以上深くはツッコまなかった。

 『玉響』レイン・レイン(p3p010586)は背が縮んで、虹色に変わる髪と同色の猫耳が生えていた。生えてるってか猫耳カチューシャだ。どんな猫でもいいと言ってたから、色んな猫をイメージしたそうだが。
「僕だけ、猫になってない気がする……?」
 レインはもふもふの耳に触ってみた。
「確かにこれなら色んな猫になれるけど」
 髪の毛と同色の尻尾も生えており、手足も猫化している。猫だ。
「何か違う……」

「で、ここはどこだ」
 そこは墓場だ。耳をすますとすすり泣く声が聞こえる。目からぼろぼろと涙を流すトラ猫と目があった。
「あなた方は……」
「にゃにゃーん! わたしこそが伝説の勇者なのですにゃー!」
愛嬌のある茶トラ猫になった【赤薔薇の歌竜】佐倉・望乃(p3p010720)がにゃんと可愛くポーズを決めた。

「わてはトラ猫のにゃん吉と申しますにゃ。お願いしますにゃ! もう仲間が食べられるのを黙って見送るのはコリゴリです! この猫の国を、救って下さい!!」


●ねこねこ海岸

「こっちにゃ! 旦那とお嬢様方ァ!! このねこねこ海岸は、海を泳ぐ秋刀魚が突き刺さった状態で見つかるスポットですにゃあ! お好きな秋刀魚ソードを選んで下さい」
「であれば数で以て行うがよいか」
 レオナが選びたるは双剣。一方は長く太く、盾としても用いられる青く堅きものを。他方に短く鋭く、刺突にも使える緑に染まるものを選んだ。
「ところでだが、なぜ秋刀魚なのだ? 他の魚は……」
「魔獣ケイオーンをおびき寄せて倒すには秋刀魚が必要なのですにゃ」
「ダメか、次に期待だな」

「わたしはこれにします」
 望乃は大きく脂が乗ってる、ピンク色の秋刀魚ソードを引き抜いた。
「ほら、この秋刀魚、とっても美味しそう。美味しいは正義! 美味しそうな秋刀魚ソードが強いはずなのです!」
「……ツッコんでもいいけど、そうすると俺の気苦労が増えそうなのでスルーしよう」
(なぁに、大根やマグロを剣にしたり焼き芋を杖にしたり、ペロペロキャンディーを斧として扱える世界もあるんだ。今更何を驚くことがあろうか)
「いや、やっぱり秋刀魚が武器とか十分おかしいだろ!!」
 世界は秋刀魚ソードを適当に数振り選んだ。

「にゃん吉に、お願い……」
「何ですにゃ?」
「この国にスタンプはある……?」
「猫の間でお手紙交換に使うものがありますにゃ」
「それを買って来てくれると嬉しい……」
「無事に国を救えたらで良いですかにゃ……?」
 レインは頷いた。
「じゃ……行ってくるね」
 レインは自分が使う勇者の剣を求めて、海へと飛び込んだ。竜宮イルカに掴まって泳いでいると、力強く泳ぐ活きがいい秋刀魚が居た。それをイルカが追いかけ始める。
(早い……待って……僕……体力無い……息、整えさせて……)
 イルカに追われた秋刀魚は身を跳ねさせ、放物線を描いてねこねこ海岸に突き刺さった。イルカの導きに従い、レインはその秋刀魚ソードを引き抜いた。
(扱えるかかなり不安だけど……)
 引き抜いた先から秋刀魚は七色の光を放っている。眩しく思ったレインは、猫耳カチューシャで目をガードした。


●秋刀魚でチャンバラ

「伝説によると勇者が引き抜いた秋刀魚は、今の状態ではまだ完全な秋刀魚ソードとはいえません。チャンバラを行い、力を高めてこそ完全となるのですにゃー!」
「チャンバラ……って、決闘の事……? 怪我するの……やだな……」
「素振りできれば大丈夫ですにゃ」
 成る程。それならレインにもできそうだ。先ずは持つ事から始めよう。今も手の中で暴れて大変だ。
 チャンバラを面倒に思った世界は、適度に応戦してさっさと負けた。世界を救う勇者なんて素敵な役割は他の誰かに譲るに限ると嘯いて。
「何はともあれ、初手はファイナルアタックネコソギドロボウ力だったか?」
「ビームアームストロング砲ヘラクレス力ですにゃ。正式名称より長い名前来たですにゃ」
「まずはそれを貯めよう」
 レオナは望乃と対戦する。
「ふふ、猫の身体なら、普段はできない動きもできそうですよね」
 修練を積む形で秋刀魚を重ね、弾き、鍔迫り合いで以て精神を研ぎ澄ます。
「凄い。……僕よりずっと強そう。僕もこの秋刀魚ソードをちゃんと振れるようになるのかな……」
 望乃はくるんと空中で回転して、必殺のにゃんこ剣法を編み出した。
「にゃーん!」
 二匹は種族変更に伴って起きた身体機能の把握を行い、なんやかんやあって最終的に海を割れるようになった。
「うむ。いけるな。行くぞ!!」
 秋刀魚ソードを振り抜くと、風を切って斬撃が飛ぶ。ビームだ。おお、高ぶったビームアームストロング砲ヘラクレス力である。
「わあ! 出ました!! なんちゃらビームです!!」
 望乃がはしゃぐ。

 夜が来た。海が荒れている。潮が大きく引き始めた。海岸から海がどんどん遠くなる。
 ピカッと空が光り、暗雲から雷鳴が轟いた。
「もうすぐ魔獣ケイオーンが現れます。健闘を祈りますにゃ!」
 にゃん吉くんは安全な場所めがけて逃げていった。
 望乃が用意したサンセット・ラブを飲む。
 薄暗闇からあやしい光りが現れ、だんだんと大きくなる。
 猫達の足が、じりじりと海に向かおうとする。それを望乃の『シェルピア』が止めた。


●魔獣討伐

 津波とともに魔獣ケイオーンが襲い来る!
「デカい!?!」
「……大っきい……!?」
 世界とレインから、思わずといった声があがり、レオナが勢い込む。
「出たなケイオーン!」
 体長五m以上はある巨体を波に乗せて泳いで来る奴を勇者達が見上げる。
「……こっち!」
 竜宮イルカに乗ったレインが秋刀魚ソードを手に翻弄する。すれ違い様、ケイオーンを一閃。七色の光が放たれた。
(今……秋刀魚ソードが暴れずに手に馴染んだ……? これは一体……)

 グワアァーー!!!

 ケイオーンの突進がレインを吹き飛ばす。
「大丈夫ですか!?!」
 望乃が『ミリアドハーモニクス』をかける。
「……へ、いき……」
 傷はすぐ自身が有している再生能力もあって治っていく。
 しかし、油断したら危険だ。これは勇者達の共通認識となった。
 陸に上がった魔獣ケイオーンの体を中心に魔法陣が現れ、水が溢れ、波が構成され海に戻っていく。
「成る程、魔獣ケイオーンの体から海水が召喚されて、陸地が海に覆われていくワケね。そりゃ猫の国だって滅ぶわ」
 世界が魔獣ケイオーンの特性を言い当てる。
「しかしコイツの好物が猫の肉と秋刀魚って、つまり今の俺達はネギを背負った鴨と同義ってことにならないか?」
「その通りだ。だからこやつは私達を喰いたくて堪らない。向かってくるのだから倒しやすいと言えよう」
「まあ倒してしまえば何ら問題はないか。」
 しかし世界の秋刀魚ソードは、チャンバラをサボった結果、攻撃が表皮に弾かれて碌に通らない。
「ああ、クソ。またか」
 世界は刃に当たる部分がぽっきり折れた秋刀魚ソードをポイッと捨てる。彼は秋刀魚ソードを使い捨てながら戦い、ここぞという時を待っていた。
 ケイオーンが突進してくる。奴のギザギザの鋭い歯が上下にある口が大きく開いて、赤い喉奥に海水と一緒に黒猫、世界が呑み込まれる!

 ここだ!

 世界はケイオーンの口内に秋刀魚ソードを突き立てた!

 ギャオオオーン!!!

 ケイオーンの口が開いて世界が出てきた。
「こういう奴は内部が弱点と決まってるんだ。」
 ケイオーンは口内の痛みにのたうちまわる。
「良かったな、好物の秋刀魚だ。嬉しい事におかわりも沢山あるぞ」
 世界の云う通り、おかわりはすぐに来た。
 望乃の必殺のにゃんこ剣法が。レオナの二刀が。レインの七色の秋刀魚ソードが。畳み掛ける。ビームが津波を割って水を霧散させ、ケイオーンを襲う。

 ギャオオオーン!!!

 ケイオーンは大きな口を開けたまま悲鳴をあげた。自ら呑み込まれに行ったレオナをケイオーンは噛み砕かんとして、さらう。

「レオナさん!?!!」

 魔獣ケイオーンの口の中で爆発が起こった。

 キュオオオーーン!?!?!

 レオナの会心の一撃だ。
 残影百手による二刀秋刀魚突きで、口内含め、臓腑を衝撃波でズタボロにする。
 魔獣ケイオーンの体が爆発する。爆発がおさまると、魔獣ケイオーンの魂は天へと還っていった。勇者達は魔獣ケイオーンに勝ったのだ!


●戦いの跡

 滅びの危機が去った猫の国ではお祭りが開かれた。焚き火で秋刀魚ソードが焼かれ、香ばしい匂いが食欲をそそる。舌の上でほろりと身がくずれる焼き秋刀魚。魔獣ケイオーンは美食の珍味アンコウ鍋となって振る舞われた。
 レオナは手元の秋刀魚にかぶりつく。
「味覚も変わったかは知らぬが、美味い!」
「にゃん吉もこっちにおいで……僕の分、食べていいよ……お土産のお礼……」
「ふにゃぁ……秋刀魚、おかわりしたいです」
「秋刀魚もいいけど甘い物ない?」
 世界の為にプリンも用意された。

●境界図書館
「どうじゃった?」
「サフィラスにも……楽しかったから……お礼……ね……」
 レインはスタンプを渡した。
「ありがとうのう」

成否

成功

状態異常

なし

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