PandoraPartyProject

シナリオ詳細

サーーーーーーーーーーーーーーモン!

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●クリスマス前に鮭を捕れ(海洋は今日も平常運行)
 鉄帝は群雄割拠に荒れ、天義は独立都市に火があがる、いつもどこかで世界の危機だ。
 しかし!
「うるせー! こっちはサーモンの危機だー!」
 ウオーと言いながら両手(両ヒレ?)で地面をびったんびったん叩きまくるアザラシがいた。白くもきゅっとしたアザラシボディに、なんでかしらんけどガトリングガンが装着されたという世にもどうかしてるイレギュラーズ。そうワモン・C・デルモンテ(p3p007195)である。
「テッテーがごちゃごちゃしてるから、北の海をアテにしてた鮭の輸入が滞ってるんだよ」
 あまりにどうかしちゃってる光景に周りが引いていたので、近くのバズーカオットセイさんが説明してくれた。
 そう、ここは色々終わって平和になったシレンツィオ・リゾート。
 11月から12月にまたぐこの季節は、あらゆる商人が『シャイネンナハト商戦(クリスマス商戦的なもの)』に向けて構える時期だ。当然ここシレンツィオ・リゾートを行き交う商人達も例外ではない。
 忘れてるかもしんない人達のために改めて説明するとね、シレンツィオ・リゾートは鉄帝・海洋・豊穣が貿易を始めたことでエグいほど金が動いてエグいほど儲かった貿易中心地で、多分いま世界で一番金が動いてる場所なのね。
 当然ワモンもシャイネンナハトに鮭パーティーをするために商人に予約を取り付けようとしていたのだが……。
「鮭がないんだよーーーーーーー!」
 うわーーーーー! とびったん速度を三倍くらいにするワモン。
 と、そこへ。

「――お困りのようですね?」

 突如として、凛とした声が響いた。
 それまで荒れていた場に静寂を与えるほどの声と存在感。
 ワモンはハッと振り返る。
「その声は!?」
 立っていたのはイカさんの形をした頭巾を被った白い忍者装束の男であった。覆面の下から覗く鋭い眼光がハンサムに光る。
「……誰!?」
 ほんとにだれ!? わたしこのひと書いたことないんだけど!
「私の名はイカニンジャ。あなたに情報を届けに来た」
 そうハンサムに自己紹介すると、イカニンジャさんは懐からスッと手紙を取り出した。
 開いて見ると、内容はこうだ。
「『巨大シャケモンスターが北から思いっきり攻めてきてるから、倒しておくのだぞ。ちちうえより』」
「シャケだーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 さあみんな、ここまでの雰囲気に飲まれていたかもしれないので今回のお題を紹介しよう。

 ――シャイネンナハト(クリスマス)に向けて、シャケを捕れ!

GMコメント

 シレンツィオ・リゾート北側の小島に巨大シャケ型モンスター『デカイ・シャケ』が群れを成して上陸しました。
 街に入られるのもまあ困るんだけど、それ以前にこのシャケを倒しまくってゲットすればクリスマスにはシャケパーティーが開けるぜってんで盛り上がっております。
 あとここまで読んだ人の9割くらいが「なぜクリスマスにシャケ?」て思ってるとおもうけど、何年か前から(具体的には2018のクリスマスから)始まった日本のネットミームみたいなものなので深く考えずに「シャケだー!」つってお楽しみください。

●オーダー:しゃけをとれ!
 『デカイ・シャケ』を倒しまくってシャケを確保。と同時にデカイ・シャケが産卵のために島にめっちゃ転がしてる『デカイ・イクラ』を確保して専用コンテナにぽんぽん放り込みましょう。
 とればとるほどエライ!

●えねみー?
・デカイ・シャケ
 でかいシャケです。尾びれのところでびっちびっち歩いて走ってきます。タックルやキックやシャケビームで攻撃してくるのでばしばし倒しましょう。
・デカイ・イクラ
 でかいいくらです。でかいので思い切り殴っても壊れません。便利ね。
 ぼよんぼよんしたバスケットボールサイズのいくらなので、これをキャッチしてはデカい籠に入れて運んでいきましょう。
 シャケ的には卵を持ち去られては困るので追っかけてくると思いますが、うめーこと逃げ切ってください。

  • サーーーーーーーーーーーーーーモン!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年12月09日 20時15分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
黒星 一晃(p3p004679)
黒一閃
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
※参加確定済み※
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
エリス(p3p007830)
呪い師
黎 冰星(p3p008546)
誰が何と言おうと赤ちゃん

リプレイ

●サーーーーーーモン!
「うおー! サーモーン! シャケー! イクラー! クリスマスにはシャケを食えー!」
 空に向かってマダコカラーのペイント弾を打ちまくる『生イカが好き』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)。
 街中で見かけたら写メられるか引かれるかの二択みたいな言動だが、ご安心戴きたい。今日はみんなこんなかんじである。
「さて、よくぞ集まったせいえーしょくん!
 オイラがさーもんはんたーバイトリーダーのワモンだぜ!
 シャケをとる、イクラもとる、りょーほーやらなきゃなんねー大変な仕事だがみんながんばってくれー!」
「ア゛ァ゛ァ゛シャケ゛ェ゛!!! 食べたい!!! シャケ゛ェ゛!!!」
 出刃包丁を逆手持ちした『誰が何と言おうと赤ちゃん』黎 冰星(p3p008546)が崩壊した作画でよだれをたらしていた。ね、言ったでしょこんなかんじだって。
 包丁をペロォってしながら白目を剥く冰星。
「デカイ・シャケぇ……今日から貴様の名前は漬けサーモン丼だよぉぉぉ!!」
 突然こんなアクの強い二人組が出ちゃったけど、ひるまず続けるね。
 『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)と『黒一閃』黒星 一晃(p3p004679)。
 もといデカいペンギン鮭着ぐるみの男が並んでその光景を見つめていた。
「鮭パーティーか。いつの間にか広まっていたが、スモークサーモンにしてもよし。刺し身にしてもよし。
 使い勝手いい魚だな。海洋では、肉を大量に用意するよりは、楽に集めやすい」
 眼鏡をくいってやるペンギン。
「特に、産卵時期ともなれば格別だろう。それに、シレンツィオを産卵場にされるわけにもいかん」
 その横で、一晃がゆっくりと振り返った。
 ピアノアレンジされたなんかのエンディングテーマを流しながら夕暮れ空をバックに振り返る黒髪のイケメン(in the 鮭のきぐるみ)をご想像いただきたい。
「まあいい、依頼されたからにはやるしかあるまい」
「その格好で真面目なことを言うのやめろ」
「もはや混沌暮らしは長いがなんでこんな生物がいままで隠されていたのか」
「その格好で真面目なことを言うのやめろ」
「アレを本当に食うのか鉄帝は。……いや、他の土地でも同じようなのがいたな、食うだろうな」
「その格好で真面目なことを言うのやめろ!!」
「黒一閃、黒星一晃、一尾の鮭と成りて上陸した鮭を確保する!」
「その格好で真面目なアッ今のはいいか!」
 『呪い師』エリス(p3p007830)はそんなアクの強い鍋に更にアクを突っ込むみたいな闇鍋partyぶりを前にうーんと唸っていた。
 最初に『みんなこんなかんじだよ』て言ったけどあれは嘘である。エリスは普通にこの光景に引きかけていた。
 コホンと咳払いするエリス。
「鉄帝の力強いシャケやイクラはどんな味なのか気になりますね!」
 そして場に馴染むべく地を出して行くことにした。
 最近までおきれいなエルフ感が前に出ていた彼女だが、普段は大体グルメガールである。居酒屋でオールしながらビールと食べ物を片っ端から行くガールである。
 よく成人病にならないな。エルフってみんなそうなのかな。
「新鮮さが大事な食材でしょうから妹たちのお土産にするのは難しそうですね……残念です。
 妹たちに食べさせられないのは残念ですが、シャケパーティーの為にもシャケとイクラの確保を頑張りましょう!」
「エリス」
 ぺちんと床を叩いてみせるワモン。
「冷凍お土産セット、あるぜ」
「がんばりましょう!!!!!!!!」
 エリスが炎を発した。燃えたどころじゃない。実際に発した。
「うわ熱っつぅい!」
 『蒼騎雷電』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)が目をばってんにして離れ、周りのペンギンや鮭ぐるみが消火活動をするのを見届けつつぱたぱたと扇いだ。
「鮭不足とはなかなか事態は深刻ッスね!クリスマスに食べる鮭がないなんて悲しすぎますし!
 そんな折のシャケ襲来! これは渡りに船……いや渡りに漁船! たぶんこのシャケは乱獲とか考えなくてもいいタイプだと思うのでいっぱい倒していっぱい持って帰りましょう!」
 そして自分なりの事を一通り喋ると、耳部分にある丸いスピーカー型ヘッドセットを二度タップした。
「music start-ssu」
 さあ、お気に入りのイカれた音楽をかけながら始めよう! 鮭狩りだ!

●鮭だーーーーーー!
「「サーーーーーーーーーーーーーーモン!」」
 目をぎょろっとさせた鮭の集団がのしのし歩いてくるデカい鮭がいた。
 人類の想像力を試すような光景だと思うので「鮭」で画像検索して出てくる画像が尾びれで二足歩行するさまをご想像いただきたい。
 風邪引いたときの夢みたいだろ?
「ククク愚かなる人類よ、ついに鮭帝国が地上を侵略する時が来たdへぶっし!?」
「烈火業炎撃ぃー!」
 目をぎょろっとさせた冰星の燃える拳がデカイ・シャケの顔面にクリーンヒットした。
 燃え上がりきりもみ回転しながら吹き飛ぶシャケ。スローモーションでバウンドしたあと、キレイに焼き鮭と化した。
「アッごめん生で食べたい人! 焼いちゃった!」
「というか焼けるんですね」
 エリスは不意にカース・アローを撃つことをためらったが、そんな彼女の肩をポンと叩くワモンがいた。(今だけワモンを八頭身で想像しといて)
「大丈夫だ。混沌にいる食える系の生物は大抵都合良く衛生バリアが張られてるもんだ」
「衛生バリアってなんですか」
 と言いつつモノは試しだ。えい! エリスは華麗なる三段撃ちでデカイ・シャケを射貫いた。
「おのれ総帥殿になんてことを貴様等終わったぞ人類は滅びグエエ!?」
 正姿勢からの射撃、弓を水平に構え直して更に射撃。一回転して身をかがめつつ射撃。というアニメ映えするために考案されたかのようなフォーム(最後のシーンは後ろから見上げるような構図で)で撃つエリスによって三本串が刺さるシャケ。冰星がついでとばかりに蒲焼きのタレを塗ってから烈火業炎撃ィするとキレイに蒲焼きになった。
「便利ですね! 衛生バリア!」
「なんかオイラが想像してたよりずっと都合いいな!」
 そうと決まればスプラッシュだぜ! とばかりにワモンは通常頭身になってガトリングを乱射。謎にサイケデリックカラーをしたマダコ弾がシャケたちにびしばしぶつかり、彼らは次々に倒れていく。
「グワー!? イクラがー!」
 最後尾にてでかいリアカーにデカイ・イクラを山積みにしていたシャケがマダコにぶつかってリアカーごとぶっ倒れ、見た目以上に頑丈なイクラが地面にごろごろ転がっていく。
「今だー! イクラのーひんレースを開催だぜー!」
「ひゃっはー! いくらッスー!」
 ジェット推進でかっとぶワモンと青い残光を残して突っ走るイルミナ。
 彼らは落ちたイクラを拾いあげるとキュッと素早くピボットターンをかけた。
「ところでこのイクラはなにに使うんですかね?はっ、実はこちらのイクラこそが今回の依頼の真の――」
「それ以上は言うな! そしてイクラを返せ!」
 イルミナはダムダムとイクラのドリブルを開始。彼女からイクラを奪おうと立ち塞がったシャケはフンフン言いながらヒレを伸ばしディフェンスしはじめた。
 目線と細かな肩の移動でフェイントをかけ、残像すら見えるほどのなめらかかつ素早い動きでシャケのディフェンスを抜いて走るイルミナ。
「左手は――添えるだけッス――」
 華麗なジャンプ。弧を描いたそれはエリスの用意したでかいカゴにイクラを直接シュートした。
「イクラ納品確認! 搬送します!」
 カゴを引いてダッシュでコンテナへと向かうエリス。ドレイクチャリオッツってそんなリアカー的なやつだっけ? ちがうね!
 そこへ冰星たちが抱えたシャケ(焼けてる)を素早く放り込み、カゴの中身は船の金属箱へとしまわれた。
「おのれ人類、後悔させてやるぞ……」
 目を血走らせ、デカイ・シャケのひとりがぬらりと刀を抜く。
「いいだろう。できるものなら、な」
 立ち塞がるようにゆらりと現れる一晃(シャケぐるみ)。
「我が名は人斬り紅鮭斎。貴様を屠る者。死ぬ前に名を聞いておギャーーーー!?」
 黒き流星となって駆け抜けた一晃の剣がシャケを三枚に下ろした。
「俺の名は……黒星サ一モン晃! 長音記号が一(イチ)になっているのがポイントだ」
「もう名前の五割がサーモンになってるがそれでいいのか」
 眼鏡をちゃきっとやるデカイ・ペンギン。じゃなくてジョージ。
 一晃(シャケぐるみ)はゆっくりと振り向き、どこか悲しい目をした。
「これも仕事だ。傭兵ならば、仕事に私情は持ち込まない」
「その格好で真面目なことを言うのやめろっていっるだろ!」
「貴様等死んだぞぉ! 誇り高きシャケ王家に刃向かった者はグエーー!?」
 後ろからボクシンググローブをつけて殴りかかったシャケにジョージの回しヒレパンチ(ペンギンがたまにやる振り返り様にヒレで殴りつける必殺技である)がキレイにはいった。
「普段なら拳でタタキにするところだが、食糧として求められているなら傷つけんようにしないとな」
 ペンギンまめちしき。
 あのヒレみたいなのはフリッパーといって水中を秒速2mで泳ぐための推進力となる。そのため腕の力は強くフリッパーで殴られると人の骨が折れる。
「グワー!?」
 骨がイカれたシャケが地面に横たわったところを、ジョージはすかさず抱えて納品箱(?)へ放り投げた。
「ガンガン行くぞ! 受け取れぇ!」
「所でさっきからシャケが何か言ってるが良いのか?」
「気にするな明日には忘れる!」
「そうか……!」

●定期的に地上に産卵しにきては狩られるシャケ帝国とかいう地元特産品
「おっしゃー! こんだけイクラがあれば海洋印のシャケとイクラのルイベ漬けもたくさんつくれそーだな!
 とーちゃんこいつで酒飲むの楽しみにしてたからなー。
 これでサーモンパーティーの準備はばっちりだぜー!」
 シャケとイクラを山住みにされたコンテナを前にやり遂げた顔で額の汗をぬぐうワモン。
 ……の後ろから大勢のデカイ・シャケがポン刀片手に追いかけてきていた。
「終わった気になってんじゃねぇー!」
「イクラ返せオラ!」
「すごい追いかけてくるんですけど!」
 一方のエリスは設定に充実なドレイクチャリオッツを操り車輪のついたコンテナを引っ張っていた。並走する冰星とジョージが振り返る。
「口調が事務所に凸られたときのヤクザじゃん!」
「シャケ帝国の設定はどうした」
「うるせー! 昨日のことは忘れる主義なんだよ!」
「数分前ッスけど!?」
 イルミナはザッとターンすると殺気だったシャケたちへと身構える。
「皆さん、ここは任せて先に行くッス!」
「アッずるいそれ僕も言いたい!」
 冰星もザッとターン。するとジョージもコートを靡かせて軽やかにターンした。ペンギンのまま。
「「死ねぃ!」」
 ポン刀片手に飛びかかるシャケたち。
 対してイルミナは迎撃――することなく彼らをすり抜け、後方に落ちてたイクラを素早く拾った。
「イクラ追加ゲット! ッス!」
「しまった!」
「からの――」
 もいちどターンして大振りのスローイングをかますイルミナ。美しい放物線を描いたイクラがコンテナの山へと追加される。
「3ポイントシュートッス!」
「しまった!」
「よそ見をしている暇はないぞ」
 ジョージはズァッという効果音が出る勢いでシャケに距離を詰めると、両フリッパーによる猛烈なラッシュパンチを繰り出した。ぱっとみ可愛いペンギンさんがえいえいって身体を左右にねじってるだけに見えるけどやられた方は全身複雑骨折である。
「ギャー!」
「総理ー! よくも総理を、死んだぞ貴様ぁ!」
「総裁制じゃなかったの?」
 冰星が血走ったシャケの真横に瞬間移動。腰を落とした安定した構えからの掌底を腹に売り込み、シャケの身体をベキッと追った。
「よし! ワモン、追加で運搬だ!」
「おっしゃー!」
 黒星 サ一モン晃がワモンに立ち乗りし腕組みをしながら空を飛んだ。
 想像しがたいと思うからもう一回いうね。
 黒星 サ一モン晃がワモンに立ち乗りし腕組みをしながら空を飛んだよ。
「ウワーなんか凄いのがジェットで来る!」
 慌てたシャケを刀で真っ二つにし、素早くシャケたちを縄でしばるとワモンの尻尾(?)に結びつけた。
「今だ、行けワモン!」
「再びのおっしゃー!」
 空中急ブレーキからのクイックターンで戻ったワモンがコンテナへと追いつき、シャケを納品。エリスはその様子にホッと息をつくと、船を目指してチャリオッツを加速させた。
「これで……シャイネンナハトはシャケパーティーですね。前祝いに、まずは今夜シャケパにしましょうか!」
「「賛成ー!」」

●シャケパ
「イクラの納品、シャケの撃破……どちらもバランスよくこなしていく事こそ上級シャケハンターへの近道ッス」
 イクラがドカッと乗ったどんぶりと炙り焼いたシャケをそれぞれ両手に持って、イルミナは勝者の余裕で語った。
「やはり鮭炙りにして皮を食うに限る……」
 お行儀良くシャケをお箸でたべる一晃。横にはさっきまで使っていた着ぐるみが横たわっていた。ぱっと見死んだシャケである。
「ところで、そのイクラ丼は……食いづらくないのか?」
「死ぬほど食いづらいッスね」
「じゃあなぜやった」
 一晃が手元のフォークでイクラを突くと、パァンという音がして中から大量のイクラ(通常サイズ)がこぼれ落ちた。
「ウワァ!? イクラかけ放題の店でも見たことない量がどんぶりに!」
「デカイ・イクラってそういう仕組みだったんだな……」
 ワモンがシャケをパクパクしながら今更みたいに呟いた。
「そういうことなら、料理は任せろ」
 海鮮料理は得意だ、と言ってジョージがイクラを醤油漬けにしたものをスッと出してきた。この短時間でどうやって醤油に浸けたのかはしらない。魔法じゃないかな。
「わぁーあ! 漬けイクラ! 私漬けイクラだいすきです!」
 酢飯の上になみなみもった漬けイクラ。それをエリスはお箸で一気にかっ込んだ。
 そして熱い緑茶に口をつける。
「あー……いやされますー……」
「食べ方がエルフからかけ離れてるんですよねー」
 冰星はそんなことを言いながら超高速でシャケをバクバクいっていた。蒲焼きのシャケ、めっちゃウマいらしい。
「考えてみたらおまえらシャケだって死にたかなかったよな……わかるよ……俺も食糧として追われたら必死に逃げるもウマーーーイ!」
「情緒が……」
 などと。
 その日は皆楽しくシャケパですごしましたとさ。
 めでたしめでたし。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 シャケ買ってきますね!

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