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シナリオ詳細

弱いと言って侮るなかれ

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●常夏に降り注ぐ怪現象
 永遠に太陽が登り続けたままとなっている世界、落書サマースカイ。
 今現在、真夏のように暑い日差しが降り注ぐこの世界では怪現象が起こり始めていた。

 海の家の床に大穴が開いて人々を飲み込む。
 海の上にぷかぷかと浮いていた浮き輪が突如として消失する。
 たくさん遊んで眠ると、前日の記憶が消える。
 砂浜で遊んでいたらいつの間にか寝転がって身体が埋められてる。
 砂の城を作っていると何故か小さな人形みたいなものがてくてく歩き、城は俺たちのものだと主張する。
 突然風が吹いたかと思えば、いつの間にか崖の上にいる。
 ……他、様々な怪現象が多数。

 この世界は不思議なもの……で片付けば良いのだが、それにしては怪現象の数が多すぎるし、下手するとそろそろ世界と世界を繋いで怪現象が移動するかもしれない。
 境界案内人エーリッヒ・アーベントロートがこの世界を調査した結果……一番最初に起こった現象が、怪現象全ての元凶であると判明した……。

●魚が弱いと書いてイワシ
「どうやら、砂浜から生える鰯が原因のようです」

 結論から言ったエーリッヒに対し、回言 世界(p3p007315)の眉間のシワが増える。何いってんだこいつ、という表情だったかもしれない。
 常夏世界で蔓延している怪現象が? 砂浜から生える鰯が原因? 何言ってるんだと言われても仕方がないような気もするのだが、残念なことに事実なのでどうしようもない。

 エーリッヒが言うには常夏の世界となってしまった落書サマースカイで生き延びるために、一部の鰯が砂浜へと潜り込む力を身につけたことが最初の発端。
 生態上、鰯というのは群れで行動するのが鉄則。そのため次々に砂浜へと移転していく鰯達が『もっと遊びたい』等の微弱な想いを持ってしまい、落書サマースカイという世界に怪現象をもたらし始めたのだそうだ。

 だが、それだけで終わらないのが今回の依頼――。

「鰯達を全て処理すれば常夏以外の怪現象は終わらせられるのですがー……何故か鰯の群れが空を飛び始めて、人を襲うようになっちゃいまして」

 何故だか進化してる鰯の群れ。もう海の中いなくても生きられてる。
 砂浜を住処とし、宙を舞うという進化を遂げた鰯はもはや鰯と呼べるのだろうか。それはわからない。

 だが怪現象を止め、落書サマースカイに平和をもたらすためには進化鰯の群れを討伐する必要がある。
 色々と突っ込みたい事はあるだろうが、きっと、今ツッコミを入れても終わらないだろう……。

「あ、ちなみに鰯の群れは余裕で数万匹になるので、討伐するときは頑張ってくださいね」

 ――凄い数を倒せと言われた気がしたが、討伐開始だ!!

NMコメント

 はじめましての方ははじめまして、御影イズミです。
 EXリクエストでご指名いただきありがとうございました。
 リクエストで鰯退治をご所望とのことでしたので、万単位で連れてきました。
 楽しく討伐して、常夏の世界を救ってください。

◆目標
 鰯の群れを退治する

◆敵
 鰯の群れ

 境界世界『落書サマースカイ』が常夏となったことで砂浜で生きることに進化した、砂浜から飛び出てきて空を浮く鰯達です。
 彼等は生きるためにはこうするしかないと道を選びましたが、そのおかげで世界中に怪現象が起こるようになりました。
 と言っても所詮は鰯なので、普通に戦えば普通に瞬殺されます。数万匹ほどいますが、剣の一振りで数百は一気に死にます。

 しかし恐るべきはその反撃力。攻撃してくると鰯パンチや鰯キックと言った軽量級攻撃から、鰯絶対零度や鰯角ドリル、鰯大文字などの大きい攻撃で反撃してきます。
 なお鰯絶対零度や鰯角ドリル、鰯大文字などは数が多いうちにしか使ってきません。

◆場所
 海水浴場の砂浜

 現在怪現象真っ只中な海水浴場の砂浜。
 唐突に砂山が生えたり、唐突に穴が空いたりとランダム要素だらけ。
 プレイングによってそのランダム性は変更されるため、何が来るかはお楽しみ。

  • 弱いと言って侮るなかれ完了
  • NM名御影イズミ
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年12月13日 21時25分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

回言 世界(p3p007315)
狂言回し
※参加確定済み※
鹿王院 ミコト(p3p009843)
合法BBA
シルト・リースフェルト(p3p010711)
騎士を名乗るもの
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中
マリオン・エイム(p3p010866)
晴夜の魔法(砲)戦士
マルコキアス・ゴモリー(p3p010903)

リプレイ

●ワシイワシー!

「……1人、何体くらい倒せばいいんだろうな?」
「空ヲ飛ビ、反撃スキルヲ撃ッテクル鰯デスカ……不思議ナ存在デ、興味深イデスネ」

 境界世界『落書サマースカイ』。その世界では現在異常事態が発生しており、解決のために回言 世界(p3p007315)と『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)は集まってくれた有志達と共に砂浜に降り立っていた。
 本来ならなんてことない境界世界なのだが、その異常事態というのが……砂浜からポップした鰯が空を飛んで突っ込んでくるという、誰がどう見てもどうしてこうなったと言わざるをえない案件だった。

「空飛ぶサメのあとはイワシですか……」
「ふむ……鰯……。昨今の天義では稀によくサメが飛んでいる光景を見かけるが……」

 『(自称)将来有望な騎士』シルト・リースフェルト(p3p010711)とマルコキアス・ゴモリー(p3p010903)が少々困り気味な表情を見せてその光景を目の当たりにする。
 サメは稀によく空を飛んでいる光景を見るのでなんとも無いのだが、鰯の群れが空を飛ぶという不可思議な状況には選びたい言葉が多すぎてそこから先の感想が出て来ないというのが正直な感想。

「なん、なんじゃこりゃあああ?? え、儂、見てるモノ間違っておらん?」

 鰯と聞いてついつい助太刀にやって来た『合法BBA』鹿王院 ミコト(p3p009843)。
 彼女は綺麗に列を整えてキラキラ泳ぐ鰯の群れを見たくてこの世界に来たのだが、想像していたモノ以上に変な状況が目の前に広がっていて声を上げざるを得なかった。

「この鰯って、食べられるのかな……? 食べられるなら、養殖産業資源とかになる……かも??」

 砂浜からスポンッ! と飛び出た鰯との距離を保ちつつ、『嵐を呼ぶ魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)は鰯の生態に目を向ける。
 食材にするにはどうなんだろうか。砂まみれな部分を洗い落とせば、もしかしたらイケるのかもしれないが……その辺りに関しては、まず鰯を討伐してから試してみようと意見が出てきた。

 それならばとミコトが1度はやってみたかったからと、鰯のスポーン地点を中心にウォーハンマーを持ってぐるぐると回転開始。
 独楽のように回るハンマーの範囲攻撃はポップしようとした鰯達をそのまま空中で叩きつけ、勢いよく吹き飛ばして鰯達の体力を削って瞬殺。1度のぶん回しで一気に千単位での鰯が砂浜に打ち上がる。

「イーワシー!」
「ワシイワシー!」

 危機的状況だということに気づいた鰯達は突如、隊列を変更。攻撃の主であるミコトに向けてイワシカッターなるカウンター攻撃を放ち、ぐるぐると回転するミコトを上空からペチペチと叩いてくる。
 独楽は頭上を押し込めば回転力を失うもの、というのは鰯が知っているのかは本来怪しいところなのだが、不思議な力で彼らは知恵を得ているので知恵を駆使してミコトという独楽を止めようと頑張っていた。

「ほっほっほ、その程度の攻撃で儂が止まると思ったら間違いじゃー! それに、儂だけを見ていると痛い目に遭うぞ!」
「その通り。我が武技……受けるがいい!!」

 ミコトの軽快な声に反応するように、マルコキアスのチェインライトニングが炸裂する。
 連なる雷撃の一撃は纏まって行動している鰯達にとって格好の的であり、ミコトのハンマーの範囲外にいる鰯達が次々に感電しては、体力が無くなった鰯達が砂浜の上にぽとぽとと落ちる。
 感電してもまだ体力が残っていた鰯達は、なんとか大の文字を作り上げて鰯大文字による反撃の一撃をマルコキアスに向ける。
 しかし大文字の弱点……繋がりの少ない部分を上手く術式を練り上げた魔光で焼き尽くすことで、その威力を低減させた。

「はーい! マリオンさんの方にもご注目~!」

 その掛け声と共に発せられたのは、絶大な威力を誇る巨大なレーザー光線。マリオンの持つアルキメデスレーザーが真っ直ぐに迸ったかと思えば、直線状にいた鰯たちが次々に燃え盛り、焦がされて落ちていく。
 ほんのり香ばしく、美味しそうな匂いが漂ったので世界達の胃がきゅるきゅるとくすぐられたりもしていたが、なんとか耐えるところまで耐えきった。


●イーワーシー!

 次々に消えていく鰯の群れ。ようやく半分まで削りきったところで、盾役として前に出ていたシルトがなにかに気づく。

「……! 皆さん、気をつけて!」

 言葉を発したのと同時、砂浜の様相が変わっていく。
 と言っても、突如砂の山が発生したり、砂嵐が発生して視界が色々と大変なことになったりしている程度なのだが、鰯達にとってはある種絶好のチャンスとなっているようだ。

 それに関して世界は頭の中にあることを思い出してしまった。
 ……そう、砂嵐によって受けるデバフを受けないタイプがあることに……。

「まさか、奴ら……砂浜で生活しているから、タイプが変更していてすなあらし無効とか言い出さねえだろうな!?」
「アリソウデスネ……」

 世界と観測端末、2人の視線が鰯達に向けられたのもつかの間、砂嵐の中を悠々自適に泳ぐ鰯達の群れが観測される。
 どうやら世界のツッコミは正しかったようで、鰯達はみずからじめんに変わっているため砂嵐の影響――毎ターンHP減少を受けなくなっているようだ。
 ちなみに、シルトははがねタイプを持っているそうなのでこの砂嵐の影響は受けない。やったね。


 流石に視界が閉ざされたままの状態では危険が伴う。それぞれのメンバーは声を掛け合いつつ、自分達の位置を伝えながら戦いを続けた。

「しかし、鰯倒すだけってのもつまんねえな。金でもドロップしてくれねえのかな」

 連続して範囲攻撃を叩き込んでいる世界は、そろそろ鰯達に対する不満点が大きくなってきた。
 倒すだけなら猿でも出来るが、なにか落としてくれねぇものかと。
 そんな世界のつぶやきに対して鰯達は「確かにそうかもしれない……」と気づいたのか、次々にお金を落とし始める。

「お、言ってみるもんだな。これはひょっとして億万長者を狙えるんじゃ……」

 狙えるんじゃないのか、と空を見上げたのもつかの間。世界の頭上には砂嵐の海を悠々自適に泳いで、味方の一撃を喰らった鰯がいる。
 そしてその鰯はちょっとでもたくさんのお金をと思って持ち込んでいたのか、倒された途端に世界の頭上に大量の硬貨を降り注がせる。

「うわぁーー!!??」

 じゃらじゃらと降り注ぐお金。普通に考えれば最高の異常事態ではあるのだが、硬貨の雨というのは非常に痛い。
 ありとあらゆる硬貨を準備していた鰯だったのか、それとも落書サマースカイに発生した新たな異常事態なのかわからないが、とにかく世界の頭上からは大量の硬貨が降り注いでいた。

「世界さん!? 大丈夫ですか!?」
「いや無理! 痛い痛い!!」

 シルトがうまく治療術を使い世界を回復させ続けるが、落ちてくる硬貨は止まらない。そのうち硬貨の雨は範囲を広げて降り注いできており、シルトにまで影響を及ぼし始めた。
 ジャラジャラと降り注ぐ雨の中、シルトは世界の手を引きながら救出を開始。硬貨の雨による一撃は鰯達にも影響が出ており、彼らがカウンターを撃つ前に次々に倒れていった。

「世界サン、シルトサン、コッチニ!」

 観測端末の声に向かって走る2人。硬貨の勢いは止まったが、足元に転がる硬貨がまた彼らの足を重くする。
 念のためにと観測端末も世界とシルトに向けて回復を行い、硬貨ダメージを回復させておいた。

「ワシイワー!」
「イワワー!!」

 なにかにお怒りの鰯達。気づけば鰯の数は千匹ほどに減っており、絶滅間近になっていた。
 その様子にミコト、マリオン、マルコキアスの動きが止まり、ミコト、世界、世界観測の3人も合流を果たす。

「ふむ、だいぶ減ったの。……ところで食べれるか試すのなら、ハンマー等では身が粉々にならんかの?」
「う~ん、マリオンさんとマルコキアスの2人で感電させたり焼いてるしてるので大丈夫かも?」
「ただ、生身から作る料理もあるから多少はそのままの形で残るようにしていただければ」
「あ、じゃあ道具使って捕まえません? 多分そのほうが、形は残るかもしれません」
「よし、じゃあ6人で網使うか。丁度借りてるしな」
「ソレデハ、皆様デ端ヲ持ッテ頂イテ……」

 いそいそと6人で大きな網を持ち、ふわりと空から千匹の鰯を包むように捕まえる。網目の細かいものを使用しているので、如何に小さな鰯と言えども逃げることは叶わず、千匹程度では大きなカウンターも打てずに鰯パンチや鰯キックで網をどうにかしようともがき続けていた。

 網の中で必死にもがき続けた結果、鰯達も勝手に体力がなくなって自滅していく様子が見えた。後はこのまま、網を押さえつけておけば自分たちの勝利だ! と世界は宣言。6人でしっかりと網を抑え込んでいたのだが、突如としてふわりと6人の身体が宙を浮く。

「えっ??」

 異常現象として6人と鰯達を丸呑みにするような大穴が砂浜に現れたかと思うと、一網打尽と言わんばかりに落とし穴の底へと落下していく。
 ふわふわの砂が足元にあったため6人は無事だったが、鰯達は砂で受け身をとっても全く無事に落ちることは出来ず、そのまま死亡。晴れて鰯の群れは討伐に成功したのだった。


●討伐のシメはかき氷!

「終わったぁ~……」

 大穴から這いずり出てきた6人は、砂を落として立ち上がる。
 落書サマースカイの怪現象は鰯の群によって引き起こされたものなので、鰯の群れが無くなった今は落書サマースカイは平和そのもの。砂嵐は収まり、真夏のように暑い日差しが降り注ぐ。

「シルト! 勝利のハイタッチうぇるかむ!」
「ん」

 パチン、とシルトとマリオンのハイタッチが響き渡る。その後マリオンは世界に向けてハグを催促したが、世界はさらりと華麗にスルーをして今回のメンバーにかき氷を奢ると宣言した。
 財布の中身が心配になったので中身を覗いてみたが、一応、セーフだったそうで。マリオンのハグをもう一度受けそうにはなったが同じようにもう一度スルーしておいた。
 なお先程降ってきた硬貨は怪現象の一部だったため、全部消えました。

「では自分からは、鰯料理をごちそうします。材料は先程、たくさん取れましたからね」

 マルコキアスは先程大穴に落ちた新鮮な鰯を手早く調理すると、蒲焼やレモンマリネ、カルパッチョやトマト煮等様々な料理を並べ立てた。
 また、今回騒動に巻き込まれてしまった落書サマースカイの住人達にも料理は提供。ただ殺すだけでなく、次の命のための意味のある殺生だったのだと言い聞かせるように次々に鰯料理が提供された。

 その間にも世界は全員分のかき氷を購入。イチゴにメロンにレモンにブルーハワイにと定番のかき氷メニューを網羅し、観測端末やミコトにもしっかりと配られた。
 なお観測端末は「かき氷は食べた後額を抑えるものだが、そもそもこの身体に額ある?」ということに気づいたので、ギフトを用いて人の姿になってからかき氷を受け取った。

「では、頂きます……」

 ぱくりと一口、観測端末はかき氷を食べる。
 知識や情報としてはかき氷の事は知っているが、実際に口にするのは初めて。何故人々が額を抑えるのかという理由については全くわかっていなかった観測端末なのだが、今、身を持って知ることになる。

「~~~~ッッ!!??」
「んお~! きた~! かき氷の醍醐味じゃのう!」

 ミコトも同じ現象が来ているのか、手を止めて頭を押さえる。
 観測端末は感じたことのない現象に思わず両手で額を抑えることになり、これがかき氷を食べるときに額を抑える理由なのだと体感した。

「ちなみにその頭痛をすぐに治したい時は、こうやって額にかき氷の容器を当てるといいですよ」

 痛みを堪える2人に対し、シルトがちょっとした知恵袋を提供。ミコトと観測端末も揃ってかき氷の容器を額に押し当てて痛みを和らげていった。


 落書サマースカイの怪現象事件はこれにておしまい。
 真夏に大量発生した鰯の大群は、無事イレギュラーズたちの手によって駆逐され、美味しくいただかれたのでした。

成否

成功

状態異常

なし

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