シナリオ詳細
<大乱のヴィルベルヴィント>不凍港に妖烏は鳴動す
オープニング
●
ノーザンキングス、動く。
ローゼンイスタフ伯の推測にして確信はまさしく正しかった。
統王シグバルド率いるノーザンキングス連合王国は、その歴戦の勇士たちを以って不凍港への進軍を開始した。
多数のドラゴンシップを擁したノルダインによる海上侵攻はもちろん、ハイエスタ、シルヴァンスの勇猛は地上でこそ輝くもの。
「――で、ここからが自分がレッドちゃんたちを呼んだわけッス。
連中の中に、『飛天』エリヴィラの姿を確認したッス」
そう言ったのはヴァルナ・ヴァール。
北辰連合に属す――正確に言うとヴィーザル方面に駐留する鉄帝軍人である。
その任地はレッド・ミハリル・アストルフォーンp3p000395)の領地ともほど近い。
「エリヴィラが……!」
その名前にレイリー=シュタイン(p3p007270)は目を瞠る。
エリヴィラは以前にグィエンなる武人の動員訓練に出た時に遭遇したノーザンキングスの将だった。
「……精霊たちが『オトモダチ』って言ってたあの人ですか」
佐倉・望乃(p3p010720)は同時を振り返り呟いた。
お友達――というのは当初よく分からなかったが、ノーザンキングスの中でも飛行種が多いのはシルヴァンスという氏族だという。
だが、同時に魔術――特に精霊たちと『友達』と言われうるのは、ハイエスタと呼ばれる氏族のように思えた。
ハイエスタにはドルイドと呼ばれる魔術師の系譜があるらしい。
その中には精霊――ないし妖精使いのような存在もいるとか。
憶測に憶測を重ねたに過ぎないが、可能性としてはありえそうだった。
「ヨセフィーネ殿……『獣爪』の姿はなかったのかね?」
そう問うたのはオウェード=ランドマスター(p3p009184)である。
エリヴィラと同時に姿を見せたもう一人のノーザンキングスの将と思しき人物、ヨセフィーネは獣種であったことを考えればシルヴァンスの可能性は高い。
「あーそっちの情報は入って来てないッスね。
今回はお休みなのか、必ず動員されるとは限らないのかは分からないッスけど」
「うーむ……必ずしも一緒に動いているわけではないということかのう」
「かもしれないッスねー。詳細は行ってみない事には分からないッス」
そういうとヴァルナは資料を読み始める。
「これで伝えておくべきことは全部ッスかね……あっ、忘れてた。
レッドちゃん、今回もグィエンの奴を連れてっていいッス。上手く使ってほしいッス」
「それはいいっすけど……ヴァルナさんは来ないんっすか?」
純粋な疑問だった。
北辰連合は不凍港ベデクトへ進む。
連合の将兵は時間的制限がある故に出立が速いという。
もちろん、イレギュラーズならばそんなものを事実上無くせるが、ヴァルナや彼の部隊がイレギュラーズであるとは思えない。
「自分は居残り組ッス。まぁ、何もないとは思うんッスけど。
念のために残しとくのが定石ッスよ」
「それってヴァルナさんが行きたくないだけとかじゃないっすよね……?」
「言わぬが花ってことで一つ!
――でも、ただで任すのも申し訳ないッスし、これをプレゼントしとくッス」
からっと笑いつつも、真剣な顔をしたヴァルナは、一枚の地図を取り出す。
それはベデクトの地図のコピーのようだ。
何やらペンで印があるようにも見えた。
「これって……?」
「こことここ、それからこの辺。エリヴィラと戦うならおススメッス。
あとついでに、グィエンのやつを使いやすいところも――」
●
レッド、レイリー、望乃、オウェードを含む8人のイレギュラーズはヴァルナ・ヴァ―ルが選んだ戦場に向けて戦場を進んでいた。
8人の耳に、けたたましい鳥の声が響く。
西部より突入を果たし、警察施設や当局庁舎を抜けて音を刻む時計塔を通り抜けた先。
大市場へと差し掛かったところで砲撃が鳴り響き、頭上に反射光が散らばる。
降り注ぐ氷塊が建築物や人を打つ。
氷塊を生んだ魔術師が、微笑してこちらを見た。
「あら、来たのね、遅いから始めてしまってたの」
微笑を浮かべた魔術師――エリヴィラの周囲にはノーザンキングスの兵士と大型の鳥型魔獣たち。
強靭なる足で抑えつけられているのは鉄帝軍の装い。
「彼らは?」
レイリーの問いかけにエリヴィラが視線を押し倒される兵士達へ向けて首を傾げる。
「さぁ? 鉄帝軍でしょうね。
――新皇帝さんに臣従してる連中なのか、雌伏してた貴方達のお仲間かは知らないけど。
向かってきたからには――磨り潰さないと」
その視線が改めてこちらを向き、喉を鳴らすヘァズ・フィランたちの眼が続く。
- <大乱のヴィルベルヴィント>不凍港に妖烏は鳴動す完了
- GM名春野紅葉
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年12月08日 23時10分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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「やれやれ、こいつぁまた面倒くせぇ連中だな。
とはいえまあ、このデカブツどもを潰せばどうにかなるか。
こっちにゃ頼りになる友軍たちもいるしな!
そんじゃさっさと終わらせるか!」
戦場にて、『一ノ太刀』エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)は大太刀を抜きはらう。
美しき白き鞘より抜き放たれた太刀が戦場に尾を引きながら駆け抜ける。
「あいつは任せるぜ。こっちは任せろ、戦友!」
それはエリヴィラへと向くレイリーへの置き土産。
飛び出すままにエレンシアは大太刀を振り抜いた。
ほぼ最速に近いエレンシアの高速斬撃はヘァズ・フィランへと大きな傷を刻みつけていく。
「ノーザンキングスによる不凍港への侵攻が始まってしまいましたか」
小さく呟いたのは『変わる切欠』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)だ。
愛銃を構えながら、思いふけるようにエリヴィラへ視線を向けていたジョシュアは切り替えるように弾丸を込めて行く。
「彼女のことは一先ずレイリーさんに任せて――」
銃口を向ける先は、大量のヘァズ・フィラン達。
「まずは数を減らすまで」
放たれた弾丸は空を舞い、戦場に降り注いで鋼鉄の雨となる。
「愛する妻が頑張ってんだ。
夫のおいらがぬくぬくしてられっかよ」
トランペットを握り締め『黄金の旋律』フーガ・リリオ(p3p010595)は戦場を見渡していた。
戦火は不凍港の各所を包み、焼いている。
「何者であれ、今は凍死させるのを黙ってはいられない。
もし生きたければ、ひとまずは一緒にこの極寒を乗り越えるぞ」
吹き付けたトランペットが奏でるは聖体頌歌。
聞けばそれだけで癒しを与える美しき音色が戦場に響き渡る。
「おいらたちは――英雄だ。そうなるんだ!」
追加で奏でるは英雄叙事詩。
仲間達を、自らを英雄たらんと奮い立たせるメロディーが戦場を包み込む。
「隣にフーガさんが居てくれるのならば、怖いものなんて何も無いです。
頼りにしていますね、わたしの旦那さん」
寒さに手を合わせていた『赤薔薇の歌竜』佐倉・望乃(p3p010720)は意気込みを見せる大切な人へとそう言えば。
「グィエンさんともまたご一緒で心強いです!」
「ブルルゥ……」
言葉こそなかった物の、頷く姿は肯定のようだ。
「それに……あの人」
望乃は空を見上げた。
そこに舞うエリヴィラ。
(精霊さん達が『オトモダチ』といっていた彼女)
「何か企んでないか、注意してもらえますか?」
とはいえ、エリヴィラともトモダチである精霊達がこちらに有利になることを確実に言ってくれるかは分からなかったが。
「『オトモダチ』……精霊たちにとってはそうなのね
お隣さんたちの言葉なら信じてあげたいけれど……
傷つけられている人たちを放っておくわけにはいかないわ」
そう呟くのは『ヘリオトロープの黄昏』ジルーシャ・グレイ(p3p002246)である。
精霊との契約を交わすジルーシャにとって、親しき存在である隣人たちの言葉は、信じてあげたいことだ。
「……私にも力を貸してくれる?」
ジルーシャが精霊の竪琴を鳴らすと共に問いかければ、風に乗って香りが漂っていく。
眠りから目覚めた隣人たちは祝祭を歌い、ヘァズ・フィランたちを絡めとっていく。
「グィエン殿。貴女の力を頼りにしているわ。思いっきり暴れてきなさい!」
『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)はその戦場に置いて、グィエンに示す。
仲間達の猛攻を受けつつあるヘァズ・フィランの姿がある。
「ブルゥゥ」
「その後は貴方のタフさやパワーで私達を助けてほしい。先頭で仲間と共に戦ってほしいわ」
「ブルゥァァ!!!!」
大きく頷いたグィエンがそのまま走り出した。
仲間達の猛攻により、崩れ始めたヘァズ・フィランの集団の中へ跳躍と共に牛頭の武人が弾丸のように飛んでいく。
地響きさえ感じる迫力と共に、ヘァズ・フィランへと斬撃が飛ぶ。
「それから――任せて、戦友」
今は既に戦場を走る戦友へとそう言葉を残して、レイリーはブリッツシュトュルム諸共空へ。
「ふふ、私のお相手をしてくださるのかしら?」
「ええ、空中デートのお誘いに来たわ。一緒に愉しもうよエリヴィラ」
それはまるで手でも差し出すように、槍を構えたレイリーが言えば。
「まぁ、素敵ね――えぇ、では少しだけ踊りましょうか」
白亜の城の如くその場に立つレイリーの姿に微笑を零してエリヴィラが受ける。
刹那、彼女の背中に浮かび上がった魔方陣から一斉に氷柱がレイリー目掛けて放たれた。
「あの時から不穏な指揮官が二人居たからのう…
さておきグィエン殿! その力はワシも頼りにしている!
グィエン殿にとって少し厳しいが……一度は戦い一度は共闘。
だから一緒に戦っていると楽しくも思えてしまう事もある!」
『黒鉄守護』オウェード=ランドマスター(p3p009184)の言葉を受けて、グィエンが鼻を鳴らすように頷いた。
「連合軍諸君! 貴殿らはやはりノーザンと戦いたいじゃろう! ならば、そちらは任せる!」
オウェードが斧を振り上げて声をあげれば、それに応じるように兵士達が雄叫びを上げた。
「相手の目的はよく分からないデスガ兎に角やるデス。フンスフンス」
そうやる気を見せる『不死呪』アオゾラ・フルーフ・エーヴィヒカイト(p3p009438)だった。
ノーザンキングス兵の方へと向かっていくアオゾラはそのまま呪術を行使する。
害意を掻き立てる呪怨の怒りを受けた兵士達が、アオゾラに獲物を構えて迫る。
●
「残念デスガ、それでは私は倒せないのデス」
幾つもの武器がアオゾラの身体を刺し穿つ。
その姿で静かに呟き、反撃の呪いを叩きつけて行く。
戦況が移り変わる頃、エレンシアは戦場を舞い上がった。
狙うは空にある有翼の女。
「待たせたな、親友!」
そんな言葉と、彗星の如く駆け抜けた斬撃がエリヴィラを穿つのとは、どちらが速かったか。
移動をその圧倒的な速力からの斬撃に任せ、そのままの勢いで太刀を振り払う。
対城絶技たるその一閃が強かにエリヴィラを打つ。
「――意外と早い登場ね?」
「さっさと片付けて残りのもぶっ倒す」
「ふふ、それはできるかしら?」
突きつけるように構えた大太刀に、エリヴィラが笑っていた。
「残りも片付けてしまいましょう」
ジョシュアは小さく呟いて数を減らしつつある魔獣の1匹を見定める。
放つ弾丸は一弾一殺。
護る隙など与えるものか。放たれたる壮絶の弾丸がヘァズ・フィランが開いた口の中へと消えていく。
刹那の時間の後、凶弾は貫通して脳天を撃ち抜いていた。
「望乃、そっちは頼んだ!」
フーガは仲間達への支援をひとまず任せると、空を舞う白騎士を支えるべく福音の音色を奏でて行く。
レイリーの存在はこの戦場で最も危険である場所を担うだけに非ず、指揮官としてのエリヴィラなる存在に自由にさせない意味もあるがゆえに。
「レイリー殿を落とされるわけにはいかない」
温かな音色が鳴り響いて、白騎士が奮い立つのは確かに見えた。
「――他の人達の事は任せてください!」
それに応じるように、望乃は手を組み、歌声を奏でて行く。
戦場に咲く赤薔薇の歌姫は美しき音色を以って仲間が、兵士達が受ける傷を幾つも癒していた。
「誰も――誰一人、死なせはしませんから!」
両手に力が籠る。深呼吸と共に紡ぐ歌は聖域を生みだす温かな光となり、戦場を支える原動力となる。
「取りあえず、自力で歩けるくらいには回復させてあげる。
……それで、動けそうな人は一緒に戦ってくれると嬉しいわ?
もちろん、無理はしちゃダメよ!」
ジルーシャが竪琴を奏でれば、周囲を優しき香りが包み込む。
それは傷を塞ぎ、疲労感を取り除く祝福の香り。
――疑うのは疲れるから。
ただの一時となろうとも、協力できるのならと。
「奮い立て諸君、彼らが何であれ、受けた恩は返すものだ!」
責任者だろうか、そういう兵士に応じるように、鉄帝兵達が奮い立つ。
『ギャァギャァ!!』
ヘァズ・フィランが鳴き声をあげながらオウェードを踏みつぶさんと足を上げた。
「確かに強靭な足のようじゃ!」
握りしめた愛斧、踏み込んだままに打ち込むは覇竜穿撃。
竜をも打たんと願う斬撃は、鳥如きには余りにも過剰とすらいえよう。
振り抜かれた一撃にのたうつように後退する。
「ガハハ! 驚く暇は無いワイ!
硬い口をへし折れば、その鳴き声も出しにくくなるじゃろう!
そのまま続けるように、オウェードはその嘴へと殴りつけた。
破城の一撃を受けた嘴が砕け散り、後退すると共に尻もちをつく。
レイリーは長い間、エリヴィラとの戦いを続けていた。
空で舞い、抱きしめて踊るような応酬はダンスのようですらあった。
地上のヘァズ・フィランとの戦いはイレギュラーズの優勢を崩すことなく、終わりを迎えつつあるようだ。
「ねぇ、愉しいけどもう終わりよ」
「ふふ、そうかしら?」
レイリーの言葉にエリヴィラが余裕気に笑う。
「――確かに、素敵なダンスだったわ。
でも、私を取るには――少しばかり手が緩いわよ」
そういうと、エリヴィラが掌に極小の魔法陣を生み、衝撃波がレイリーを打つ。
「翼が合って、空で私を取るのなら――もう一人くらいいなくっちゃね?
また会いましょう、騎士さん」
身体が僅かに後退して、剥がされた刹那、一気にエリヴィラが速度を跳ね上げて飛翔する。
ある程度で退くというのは確かに前回と同じだった。
逃げられる前提でもう1人いればここで仕留められたのだろうが――仕方あるまい。
●
その後の戦いはあっという間だった。
エリヴィラという指揮官を失ったノーザンキングス兵は、ヘァズ・フィランは指揮系統の乱れを突かれて瞬く間に殲滅される。
後は、戦場に残っていた鉄帝兵のみ。
そして彼らが敵か味方か――という点だ。
「何も持ってないか」
フーガは小さく呟く。
フーガが鉄帝兵に要求したのは、餓狼伯の紋章印を始めとする各派閥の証である。
だがそれらをこの鉄帝兵達は持ち合わせていなかった。
「敵意は持ち合わせてないみたいですね」
フーガに守られる形で望乃が小さく呟いた。
感情探知を試みた望乃は敵意がないことを確かめ終えている。
「で。結局あんたらはどっちなんだ?
新皇帝派なら降伏を勧めるぜ?」
エレンシアは地上へ降り立ち直ぐに問う。
ある程度の疲弊を残しつつ、こちらの様子を窺う彼らはまだどちらとも得ない。
「我々は、この地に駐留していた部隊の1つです。
新皇帝派の制圧下にあるという意味であれば、我々は新皇帝派の軍と言うことになるでしょう」
責任者らしい人物が代表するように語る。
「……それなら何も持ってないのも説明着くか」
フーガは少し悩んだ様子を見せて頷く。
不凍港ベデクトが鉄帝における重要拠点であることは分かり切っている。
今でこそ新皇帝派に占領されていたが、それ以前の軍があってもおかしくはなく。
その部隊が新皇帝派の制圧下にあっても又おかしくはない。
どの勢力でもない――しいて言うなら先帝以前の部隊というべきか。
「……投降をおすすめしますよ?」
望乃の言葉に、こくりと責任者が頷いた。
「精霊達にとってドルイドは誰でも友人なのでしょうか?
だとしたら精霊種としてはどこか複雑な気持ちになるような……」
そうぽつりと呟くジョシュアの姿があった。
とはいえ、精霊種と精霊は似て非なるものだ。
「精霊達にとっては良き友人なのでしょうね。
魔獣を従えてるとか、私達とは敵対勢力に属してるとか、あの子達には関係ないもの」
ジルーシャの言葉を受けて、ジョシュアも頷いた。
「そうですね……僕達にとっては敵だからといって、精霊達にとって敵とは限りませんか」
ノーザンキングスもまた、この土地で生きる人々が集まった勢力でしかない。
魔種であればいざ知らず、そうでなければ等しく人だ。
複雑だな、とジョシュアは思うのだった。
「そういえば、ヨセフィーネという人物、本当に今回は不参加だったんですね」
ジョシュアが気にかかっていたことはそれである。
ハイセンスを駆使した警戒は、杞憂に終わった。
こちらは安堵すべきことであろうか。
「また取り逃がすことになったのは少し悔しいけど、
ひとまずは勝利を分かち合いましょう!」
レイリーは戦場にて槍を空につきあげた。
ややあって、1つめの歓声が鳴りそれを契機に、幾つもの声が上がっていく。
「ガハハ! 流石はグィエン殿じゃな! あの時に食らった斬撃を思い出すワイ!」
オウェードはサイダーをあおりながら大笑する。
「ブルゥゥ……あんたも凄かった」
ぐびりと同じようにサイダーをあおったグィエンの背中を叩きながら2人は暫しの休息を行なっていた。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れさまでしたイレギュラーズ。
GMコメント
そんなわけでこんばんは、春野紅葉です。
早速始めましょう。
●オーダー
【1】『飛天』エリヴィラの撃退または撃破
【2】ヘァズ・フィラン〔氷呪〕の撃破
【3】鉄帝軍の生存
●フィールドデータ
ベデクト中心部、ベデクト港に近い大市場辺り。
エリヴィラは大市場の何れかの地域を占領するのを目的にしているようにも、
居住区画の侵攻を狙っているようにも思えます。
●エネミーデータ
・『飛天』エリヴィラ
ドルイドの係累にも思われる魔術師。飛行種のようです。
ノーザンキングス連合王国に属しているようですが、
いかなる手段でかヘァズ・フィランを操っています。
ヘァズ・フィランの攻撃で身動きを封じた兵士達へ魔術を叩き込んでいく戦闘スタイル。
近接戦闘も出来るでしょうが、主体は中距離以上でしょう。
・ノーザンキングス兵×10
猟銃のような物を装備するハイエスタ風の兵士達です。
ヘァズ・フィランの攻撃で身動きの鈍った所に銃撃を一気に浴びせかけているほか、
徐々に戦線を押し上げています。
・ヘァズ・フィラン〔氷呪〕×10
巨大な恐竜が鳥へと進化する過程に生じた存在を思わせる巨大な鳥型の怪物です。
その巨体ゆえに飛ぶことは出来ません。
エリヴィラの命令に従順に従っているようにも見えます。
その鳴き声は【足止め】系列、【呪縛】、【呪い】を与える効果があります。
また、冷気を纏っており攻撃には【凍結】系列を与える効果があります。
●友軍データ
・北辰連合軍×10
北辰連合に属す鉄帝軍兵です。
彼らは鉄帝側から見れば旨味があまりないとはいえ、
幻想とはまた異なる主戦場の一角たるヴィーザル戦線を支えてきた兵士達です。
相応に強力です。
また、同じ理由からエリヴィラ率いるノーザンキングス連合王国軍とは宿敵ともいえます。
その士気は非常に高いといえるでしょう。
・鉄帝軍×10
エリヴィラたちの攻撃を受けていた鉄帝軍人です。
この戦力がこの地で雌伏していた味方(反新皇帝派)なのか
占領していた新皇帝派なのかは不明です。
どちらにせよ、このままではヘァズ・フィランの餌になるかノーザンキングス兵の戦果となりかねません。
場合によっては共闘ないし投降も起こりえるでしょう。
・『暴牛驍勇』グィエン
レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)さんの関係者。
参考シナリオ:https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/6804
かつてヴィーザル戦線にて活躍していた武人です。
一時は性格上の理由から除隊処分の上にラドバウに属していました。
今回の戦乱により、性格上の理由とかつての戦績を考慮し戦線に復帰しています。
シナリオ中、任意のタイミング、任意の場所に向けて誰かが突撃を命じることが出来ます。
突撃を命じられたグィエンは指定された場所に向かって【移】付の超域攻撃で吶喊した後、常に敵陣に向かって突き進みます。
処理的にはターン開始時にランダムの敵から【怒り】が付与されたような状態となるでしょう。
解除することも一応は可能です。
多少は態度を軟化させています。
基本的におだてて自由に暴れさせると最も効果的に活用できるでしょう。
独りで好き勝手やらせるといつの間にかガス欠を起こしていつの間にかぶっ倒れます。
上手いこと御する必要があります。
驚異的なタフネス(EXF)と高めのHP、物攻、防御技術を持ち、【飛】と【ブレイク】を有します。
リソースの殆どを火力に注いでいます。
行動は2種類。何も指示が無ければ下記の2つのうち何れかを行動します。
【1】移動後、一番近くの敵に向けて近扇範囲を大斧で薙ぎ払う。
【2】移動後、一番近くの敵に向けて中貫範囲へ大斧を振り下ろす。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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