PandoraPartyProject

シナリオ詳細

Catch a bank robber

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●とある犯罪計画
──鉄帝のほうで動乱があったらしい。

「好都合じゃねえか」
 下卑た笑いを浮かべる男がひとり。続いてくつくつと周囲の男たちも笑い始める。薄暗いアジト。飲み捨てられた酒瓶が転がり、天井には煙草の紫煙が雲のように集まる。机の上は地図や賭けポーカーのトランプ、食べかけのハムなどでぐちゃぐちゃだ。ネズミがちょろちょろと動き回るのを誰かがナイフで仕留める。
 幻想のとある場所。いわゆるならず者の溜まり場。
 計画はもう少し先であったが早めるのがいいだろう。
「何。たんまり持ってる資産をちょいと分けてもらうだけさ」

 幻想の銀行を襲う。警備の手薄な日がいいだろう。裏取りも出来ている。ちょいと賄賂はかさんだが、すぐに元が取れる。

●とある街
 太陽がさんさんと照り付ける青い空。心地の良い日とも言えるが街の人々は不安を隠しきれなかった。
「鉄帝の……いつまで続くのかしら」
「何も起きないといいんだけど」
 気にしていても仕方がない。いつも通りに過ごすしかないと不安を飲み込む。

●とあるイレギュラーズ
「大変……! 大変なの!」
 獣種の少女が大慌てで駆けてくる。
 落ち着いて話を聞けば、何でも幻想の銀行が襲撃されるという情報が入ったらしい。いつもの警備員は鉄帝の境界沿いに駆り出されるか、貴族の自宅の警備に回されて銀行自体への人手が足りないという。
 ただの銀行強盗ならよかったが──いやよくないのだが──犯人側の人数がやたらと多い。銀行周囲で暴動を起こし、注意を引き鎮圧に向かう人々を分散させているらしい。
「あのあの、だから助けてくれると嬉しい……!」
 増援として向かえばそこは既にならず者たちで占拠されていた。

NMコメント

 こんにちは7号です。犯罪者たちをこらしめてください。

●状況説明
 幻想のそう大きくない銀行に銀行強盗たちがやって来ます。さらに周囲でも暴動を起こしています。
 街は石造りです。建築物や路面に多く石が使われています。銀行のある大通りはとても広いです。

●目標
 ならず者たちを鎮圧してください。
 余裕があれば街の人たちを助けてください。

●プレイング書式
1行目:(活動選択肢)
2行目:同行者指定

●出来る事
【1】銀行強盗を撃退する
 すぐに戦闘になるでしょう。今は大きな金庫をこじ開けようとしています。これを阻止してください。
 銀行員の避難は完了していないので助けてください。

【2】暴動を鎮圧する
 銀行から少し離れた場所でもならず者たちが暴れています。市民が怪我をする前になんとかしましょう。

【3】市民の救助活動や誘導を行う
 暴動に巻き込まれないように誘導するか、安全な場所で治療を行ってください。

●敵
・アッボンディ×1
 銀行強盗。『アッボンディ』盗賊団のボス。背の高い無精ひげの男性。大きな斧を振るいます。【火炎】のBSを使います。

・プラチド×1
 銀行強盗。『アッボンディ』盗賊団の右腕。背の低いスキンヘッドの男性。魔力を込めた銃を使います。遠距離アタッカー。

・ボーナ×1
 銀行強盗。『アッボンディ』盗賊団の幹部。短髪の筋肉質な女性。

・『アッボンディ』手下×たくさん
 銀行強盗。多くがアタッカーで構成された手下たち。ヒーラーなどはいないようです。

・『アッボンディ』遊撃隊×たくさん
 暴動を起こしています。銀行から注意を逸らしたいようです。こちらもアタッカー多めの構成。
 

●味方(必要であれば)
・フラーゴラ
 反応タンクのイレギュラーズです。必要であれば声をかけてください。手伝うでしょう。

●サンプルプレイング
【1】

まずは幹部クラス・ボーナを倒す。そうすれば敵の戦意を削げるだろう。
俺の魔砲がうなるぜ!

  • Catch a bank robber完了
  • NM名7号
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年04月27日 21時45分
  • 章数1章
  • 総採用数10人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー

 ブルーグレーの毛並みに青い瞳。猫が『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)の足元へと戻る。
「みゃー。よかった……。銀行員さん無事なんだね」
 祝音が召喚した猫で内部の様子を探ったところ、怪我人はいるものの死者は出ていないようだ。
「でも……怯えてる。早く、助けなきゃ」
 ブルーグレーの猫は怯えない。祝音が頼りになると知っているからだ。

 祝音が手を振ると魔力の糸が伸びる。強盗に絡みつきまるでマリオネットのように自由を奪う。
「大人しく、してて」
 祝音が拳に力を籠めるといっそう魔力の糸は力強くになった。
「銀行強盗……良くない、よ」
「このガキッ……!!」
 祝音へと強盗達が集まる。だがこれは祝音の思惑通りだ。

──一人で戦うのは難しいかもだけど。他にも誰か来るはずだから、少しでも時間を稼ぐ……!
 木刀を持った強盗、ナイフを持った強盗、銃を持った強盗、様々な得物が祝音へと襲い掛かる。
「ッ……!」
 福音が鳴り響く。心地の良い音だ。いつか協会の前を通った時に聞いたような音がする。
 傷ついた祝音は自身へ回復をおこなう。
 視界の端に金庫を見つける。
「あれが……!」
 まだ強盗達はこじ開けられていないようだ。たくさんの強盗が集まりあの手この手で壁を破壊している。
 祝音への攻撃の激しさが増す。しかし祝音は引かない。
「まだ倒れない、よ」

成否

成功


第1章 第2節

ルブラット・メルクライン(p3p009557)
61分目の針

 初めは誰かが投げた石でも当たったのだろうと思った。だが違った。
「クソッ……! こいつは明らかに増援だ!」
 暴徒の一人が悪態を吐く。悪態したのは人が増えたことにではない。『61分目の針』ルブラット・メルクライン(p3p009557)がどこにいるかわからなかったからだ。
 狂乱に乗じ、建物の陰に乗じ、ルブラットの毒針は暴徒を仕留める。

 鉄帝から幻想へ。ルブラットは『面白い公開処刑』が見れると聞いて移動していた。
「きっと主は私が趣味の悪い娯楽に興じるよりも……無辜の民を救うことをお望みで、このような運命を導いたに違いないな」
 ルブラットは主──神に語りかけるように言う。

 暴徒の何人かはルブラットに気付いた。接近する敵へルブラットは毒針の投擲をやめ、逆手に持ち換える。露出した皮膚に向かって何度か切り裂き、毒を与える。それでも倒れない。タフな奴だなと馬乗りになり針でえぐる。
 暴徒の視界が暗転する。いったいこれで何人目だろう? ルブラットは暴徒を大人しくさせた所で次の争乱へと向かう。
「場を賑やかせたかったのだろう? 私の演目も喜んでもらえただろうか」
 ルブラットが問う。しかしはたと気付く。
「ああ、倒れてしまっていては、答えを聞くことも出来ないな……」
 医者とも死神ともつかないシルエットがふらりと街の陰に消える。

成否

成功


第1章 第3節

ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
不遜の魔王

「重要なのは人間の『無力化』なのだよ、貴様等」
 『同一奇譚』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)へ群がる暴徒。オラボナが目立つ存在だからだろうか。いや、先に叩かねばまずい。本能がそう告げている。
 オラボナと目が合った瞬間、背骨の髄がぞわぞわとしたが特に何も起こらない。
「今一つギフトの効きが悪い。そういう相手には暴力が一番だ、容易だろう」
 オラボナが切り返す。先ほどのギフトが背筋に効くのならこちらは目に効くだろう。暴徒の視界がぐにゃりミックスされる。気持ち悪い。気力は削がれ体が鈍くなる。
「Nyahahahahahaha!」
 オラボナの哄笑が殊更頭に響く。オラボナの攻撃はめちゃくちゃな印象を受けるのに一言で言えば……
「やべえ」
「強いぞこいつ……! タフな奴だ!」
 オラボナを無視しようにもオラボナがこちらへぴったりと阻んで来る。つまりはオラボナを倒すしか道はなかった。
 攻撃をかいくぐりオラボナへ辿り着くものが一人。釘バットを大きく振りかぶる。
 いや待て。どうして俺は私を痛めつけようとなんかしたんだ。探すのは市民だ、敵だ。金が手に入ったら酒を買って肉を食べてパーティーだ。その後は寝て笑って哂って嗤って俺俺俺私私は私は俺は俺私──
「何だ今更効いてきたのか。ようこそ、いやおかえり?」
 私と私は嗤った。

成否

成功


第1章 第4節

古木・文(p3p001262)
文具屋

「やあ、フラーゴラちゃん。久しぶり、と言いたいところだけど銀行強盗とは穏やかじゃないね」
「うん、今は依頼に集中……だね。頼りにしてる」
 『結切』古木・文(p3p001262)がフラーゴラに声をかける。邂逅を喜び合いたいところだが、二人は市民の避難誘導に集中する。
 文はテキパキと誘導をこなす。
「それで……もっと大勢を避難させたいと思う。誰か、この街の路に詳しい人はいるかな?」
 文の提案に市民の一人が手を挙げる。文が「ありがとう。とても助かるよ」と礼をのべ、打ち合わせをする。

「こっちは……敵がいるみたいだ。あっちの路地を使おう」
 文がエネミーサーチで周囲を索敵し敵を避ける。そしてルートを決める。
 路地を通る途中、ゴミ捨て場に身を隠す男性を発見する。
「大丈夫ですか……! 安心して。ローレットの者です」
 文が首から下げた冒険者タグを男性に見せる。
「う……、ああ、よかった……」
 それを見ると男性は意識が遠のく。ひどい怪我をしていた。
「負ぶって救助しよう」
 フラーゴラも手伝い、文は血や土で汚れるのもかまわず背中に男性を背負う。一歩一歩着実に、確かめるように前へ進む。
「(他人の生命を預かっている訳だからね)」
 眼鏡の奥の瞳はどこまでも真っ直ぐ前を見ていた。
「うん。文さんやっぱり頼りになる……」
 そうフラーゴラがつぶやいた。

成否

成功


第1章 第5節

祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー

 みゃあ、と自治警察の足元に猫が絡みつく。
「何だ?」
 警察は暴徒が闊歩する街の鎮圧を行っていた。猫は遊んで欲しいとか穏やかな雰囲気ではない。わざわざ戦闘を行っているところへ飛び込んで来たのだ。

「今のところ、僕1人……。銀行員さんの救出にも向かいたいけど手が足りない。とにかく今は敵への対処に集中する!」
 金庫の前にたどり着き、祝音は大きく腕を振り魔力の糸をこれでもかと飛ばす。ひとつひとつの威力は大きくないが、祝音の狙いは目立つこと。
「金庫、破らせない」
 糸の斬撃を飛ばしつつ、傷ついた自分を回復する。温かな鐘の音が響く。
「数、多い。やっぱり1人はきつい……」

「あっ、あれは……!」
 孤軍奮闘する祝音の目に自治警察の姿が映る。
「手紙をくれたのは君かい!?」
「よかった。届いたんだね」
 『銀行襲われてる。助けて!』
 祝音はそうファミリアーの猫の首輪に手紙を挟んでいたのだ。
 自治警察のうちヒーラーもおり祝音を回復する。
「ん。回復してもらったから……まだ、行けそう」
 祝音は起き上がり、とんとんとジャンプして体の調子を確かめる。
「無理はするな……! 今までずっと戦って来たんだろう?」
「大丈夫、だよ。皆が悲しむほうが僕も悲しい。だから、がんばる。みゃー」
 祝音はそう言って薄く微笑み、再び銀行強盗へと立ち向かった。

成否

成功


第1章 第6節

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人

「ねえフラーゴラちゃん、一緒に行こう!」
 『愛を知りたい』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)がフラーゴラに抱き着く。
「あわわわ、姉弟子ぃ……! お、オーケーだよ!」
「みんなが強盗をぶっ飛ばしてくれるだろうけど、一般市民を巻き込みそうだと全力も出せないですよね。とりあえず遠ざけるのが肝心」
 とココロがフラーゴラと協力する。敵と市民の間に入り、ココロは大きな声と指差しで市民を誘導する。
「はい、こっちの出口から出て真っ直ぐダッシュで逃げてくださいね!」
 ココロのハツラツとした声が市民を勇気づける。
「こ、こっちだな……?!」
「そうです。気を付けて! あなたの背中にわたしがいます!」

 ガァン!
 フラーゴラが盾で弾いた背後には青あざをたくさん作った人が。「ココロさんお願い!」そうココロは任されて医療技術を行使する。ココロの立ち位置は市民の前線、敵の前。そこは彼女は譲らない。
 ココロを無視し市民を狙おうとする暴徒をココロは見逃さない。
「行かせない!」
 神秘的な小さな星が金平糖のように飛び、敵の注意を引く。ほたての海種パンチが炸裂する。か細い乙女の手のそれではない。結構これが頭に響く。二人で撃退した後ココロは治療に専念した。建物の陰からのぞく太陽がココロの金の髪をキラキラと照らし、まさに白衣の天使だ。
「治療、終わりました」
 ココロが患部だった部分をぺち、と触る。

成否

成功


第1章 第7節

フーガ・リリオ(p3p010595)
青薔薇救護隊

 『黄金の旋律』フーガ・リリオ(p3p010595)必死の形相で銀行内に突入していた。フーガが手をかざすと深く青い衝撃波が四方八方へ飛び散り敵を吹き飛ばす。ガラス細工のような綺麗な青と相反し、フーガは渾身の力を込めて攻撃し切り開く。
「退いてくれッ……!!」

 数十分前。
「銀行内にはイレギュラーズ1人と自治警察複数名……。そしてまだ銀行員が残ってる可能性も捨てきれない」
 フーガは遅れて到着したことを悔いていた。片手に持ったトランペットをなでる。トランペットは突撃の際に邪魔になるだろうと金色の光となってさらさらと風に乗って消えて行く。
 フーガは拳を握りしめ、
「銀行内に突っ込むぞ!」
 そう気合を入れた。

 そして現在。
 絶望の海を歌う調べは美しくも呪いを帯びていた。強盗たちはフーガの放つ呪いの歌を聞き倒れる。
「見えた!」
 自治警察の姿をとらえる。
「あと少し……!」
 青い衝撃と呪いの歌を使い分け、フーガは自治警察とイレギュラーズの元へたどり着く。
──ずっと信じてくれていたんだ。

「……なのに待たせてしまって、ごめんなさい」
 フーガが謝罪する。重ねて立て直しの神秘を行使する。自治警察やイレギュラーズの腹の底から力が沸き上がる。
 彼の味方はフーガは悪くないと言うだろう。それでもフーガはきっと謝った。そこが彼の魅力だ。

成否

成功


第1章 第8節

もこねこ みーお(p3p009481)
ひだまり猫

「ありがとうございますにゃー!」
 二足歩行の猫……否、ウォーカーの異世界からやってきた『お昼寝ひなたぼっこ』もこねこ みーお(p3p009481)がお辞儀をする。パンの配達業務中だ。
「にゃ、何か騒がしいって思ったら……」
「銀行のほうに強盗が出たってよ!」
「にゃにゃ!」

 一ヶ所に集められた銀行員。強盗を刺激しないよう大人しくしている。張り詰めた空気がただよっている。そこへぺたぺたとこっそり歩いて来る猫又が一匹(一人?)
「こっちですにゃ! 敵が来ないうちに逃げてくださいにゃー!」
 ざわ、とほっとしたような戸惑いのような色々な声が上がる。移動する銀行員。しかしひとりの男性が何もない場所で転ぶ。
「にゃっ?! 大丈夫ですにゃー?!」
「あ、ああ……すまない。腰が抜けちゃって」
「みーおを撫でて少しでも落ち着くと良いですにゃ」
 雉白のふかふかの毛並みが男性の手を包んだ。

「誰だ……?!」
「むむっ、銀行員さん逃げてくださいにゃ……!」
 強盗がみーおに向かう。銀行員たちに攻撃が向かないようみーおは注目を集めながら鋼のつぶての雨を降らせる。
「このっ……!」
「引き付けますにゃ。銀行員さん傷つけちゃ駄目にゃのですにゃー」
 みーおに立ち向かおうとも鋼の雨のカーテンが邪魔して進めない。間髪入れずにみーおは攻撃を繰り返す。
「ここは通さないですにゃー!」 

成否

成功


第1章 第9節

祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー

「自治警察さん達が来てくれて嬉しい」
──そして
──頼れる人が……僕以外のイレギュラーズが来てくれた……!
「待たせたなんてことはないよ……来てくれて、嬉しい。本当にありがとう。みゃー」
 祝音が礼をのべる。瞳には涙がにじむ。が、泣いている暇はない。涙をぬぐい気を引き締める。

「これだけ味方がいるのなら……!」
 祝音が狙うのは敵幹部。可能ならひとりでも撤退させたい。
「何だいちっこいの。やろうってのかい?」
 強盗のひとりボーナが不敵な笑みを浮かべる。祝音へと一歩近寄った……つもりだった。
「何?!」
 脚が動かない。
「糸切傀儡!」
 祝音の魔力を込めた糸が飛び交う。
「くっ……! なるほど。これじゃ雑魚は歯が立たない訳だ」
 祝音に合わせて自治警察が警棒を振るう。
「今だ! 攻撃!」
「このぉっ!」
 ボーナの反撃。ボーナにいくらかダメージは与えたが自治警察もダメージを負った。
「無理しちゃ駄目だよ! みゃー!」
 祝音が回復の秘術を唱える。温かな癒しが自治警察を包む。
「誰も、倒れさせないから……! 僕がいる限り! 負けない!」
「くそぉっ!!」
 ボーナは前へは進めず、攻撃は回復され効果が低減。祝音たちの猛攻に耐えかねたボーナ。
「おいっボーナ! どこ行くんだ!」
 敵幹部が撤退に追い込まれ強盗達に動揺が走る。ボーナに続き何人か逃げ出すものもいる。祝音の行動は強盗の力をいくらか削ぐことが出来ていた。

成否

成功


第1章 第10節

モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera

「おやフラーゴラさんじゃないか」
「あっ! モカさんちょうどいい所に……!」
 フラーゴラは『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)の姿を見つけると事情を説明する。
「ふむ……ここはうちの幻想国各店の売上を毎日入れてるメインバンクだから困るな。初期開業資金を融資してもらった恩もある。私も対処しよう」
「助かるよ……!」
 モカは任された、とばかりにウインク。

 モカがたどり着いたのは銀行の裏手。すうっと呼吸をするとモカの存在が希薄になる。足音はしない。最初から見ている者でなければわからない。例えて言うなれば幽霊だ。
「(ふむ。人質もまだいるな)」
 銀行員の肩を叩くと、銀行員は驚いたがモカの誘導に従い脱出。
 モカは続いて金庫前に忍び寄る。強盗はモカの様子にはまったく気づいていないようだった。
 モカが隙を見計らって攻撃。スズメバチが刺すが如く打撃を加える。あまりに高速で動くのでモカが何人も重なって見える。続いて毒手の攻撃。なだれのような攻撃に強盗は耐えかねる。
「こいつ……?! どこから来やがった?!」
 モカはトドメは刺さない。
「罪は償ってもらわなければな!」
「い、痛い! わかった、わかったから!」
「わかればいいんだ」
 降参する強盗に追撃の手を止めるモカ。
「さあ、次は誰かな?」
 ヒィッ、と強盗から悲鳴が聞こえた。

成否

成功


第1章 第11節

 アッボンディ盗賊団のプラチドが倒れる。プラチドだけではない。盗賊団の何人が倒れただろうか。
「クソッ、割に合わねえ仕事だ!」
「このままじゃやられちまう……!」
 銀行内部にいた強盗たちに不満が伝播する。資産を手に入れて利益を得る。それどころか味方の損傷が激しい。戦況不利だというのはあきらかだった。

「外の連中は何やってやがる!!」
「あの……それが……」
 銀行から少し離れた場所の暴動も鎮圧されつつある。沈静化に伴い銀行へとまた自治警察の姿も増える。
「〜〜〜〜ッ……! クソッ!」
 撤退。そうするしかない。認めたくはなかった。撤退の号令をアッボンディがかけようとした、その時。
「お仕置き、だよ……!」
 アッボンディは白い狼の少女、フラーゴラの姿を見たのは覚えている。そこから世界が暗転した。

「皆ありがとうねえ……!」
 フラーゴラが手伝ってくれたイレギュラーズにお礼を言って回る。自治警察官は盗賊団残党を捕獲しながらも、イレギュラーズへ満面の笑みを向ける。今度飲みに行かないか?などと声をかけ、イレギュラーズを讃える。
 銀行の資産は奪われず、銀行員や街の住人は無事。怪我人はあれど致命的な死者が出なかったのは幸いだろう。
「ワタシ……ひとりだったら、絶対どうにか出来なかったから。皆のおかげ……」
 フラーゴラと二、三言葉を交わしたあとにフラーゴラは街で後始末があると去って行った。
 こうして幻想の銀行強盗騒動は幕を引いた。

PAGETOPPAGEBOTTOM