PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<濃々淡々>飴降りと『はろうぃん』

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 飴が降ってきた。

 なんとまぁ都合の良い話だろう。
 そう思わずにも居られないのだが、しかし。一足先にハロウィンを迎えてしまったような此のライブノベル――<濃々淡々>だ。
 季節も少しずつ移ろいはじめ今は秋を迎えようとしている所。木々には赤みが差し黄色い葉も付き始める。
 台風だって来るような平凡な世界ではあるのだが。平凡でない現象が起こるようになってしまった。
 夜の色がすっかり消えてしまったあの日以降。
「あれ?」
「……雨じゃない」
 空から滴るのは。
 雨ではなく、飴になってしまったのだ。
 毎度毎度というわけではない。それでは商売上がったりになってしまうことを懸念してくれたのだろうか。実際のところは神様に聞いてみないとわからない。けれど。
「たしか、西洋の方でははろうぃんってやつがあるんだっけか、飴屋」
「そうだね、傘屋。ハロウィン、やってみる?」
「できるのか?」
「まぁ、少し早いけど。季節は先取りして見るものだよ」
「そういうもんなのか? 俺にゃわかんねえ」
「ま、経験ってやつだね」
「腹立つなこいつ!」
 得意げに尻尾を揺らした絢を恨めしそうに睨んだ傘屋。
 ともあれ、和風世界でのハロウィンが行われることになったのだった。


「ええと、とりっくおあ、とりーとだっけ。洋語はまだ慣れないなあ」
 恥ずかしげに頬を掻いた絢は、猫の耳を隠すことはなく。
 かぼちゃを刳り貫いたようなかたちの箱を持って、現れた。
「ふっふっふ。俺だって境界案内人だからね。少しは世界を楽しくするために頭を使ってみたんだ」
 これまでは和風の文化しか楽しむことが出来なかったけれど。今よりももっともっと色んなことを知って、少しずつ素敵なところをつけたして、増やしていけたなら。
 そうすることができれば、今よりもっともっと楽しい世界が生まれて、さらに楽しい人生を送れるだろうと笑って。
 絢の目論見は生まれたのだという。
「飴が降ってきたんだ。この間空を直したときから」
 前回の依頼では、真っ白になった空に再び色を戻したのだけれど。
 その際に飴を入れておいたせいか、空から飴が降ってくるようになったのだという。
「でも、飴をただ降らせるだけってのも面白くないでしょう? 迷惑になっちゃうかもしれないし、それに、食べ物は美味しく食べないと」
 だから、彼はしたり顔でいうのだ。
「飴集め、ってどうかな?」
 曰く。
 飴を集めて、美味しいお菓子や食べ物と交換するイベントなのだという。
「掃除もできて飴やお菓子も食べられる、一石二鳥でしょ?」
 はつらつと笑った絢。その姿は無邪気な子供そのものだった。

NMコメント

 好きなものはハロウィン。ハロウィンの思い出? き、聴くんじゃねえ!!!
 どうも、染です。

●依頼内容
 飴を集める

 空から降ってくる飴を回収しましょう。
 沢山集めるとお菓子や使えるものと交換してもらえます。
 ※アイテムとして成果物がもらえるわけではありません。

 また、仮装をしての参加も歓迎です。

●飴
 空から降ってきます。まんまるなものがほとんどです。
 包装されており、また怪我をしないようにと言う配慮のためかゆっくり降ってきます。
 袋や網で捕まえるといいでしょう。

 ときどきめちゃくちゃ関係ないお菓子も降ってきます。

●世界観
 和風世界『濃々淡々』。

 色彩やかで、四季折々の自然や街並みの美しい世界。
 また、ヒトと妖の住まう和の世界でもあります。
 軍隊がこの世界の統制を行っており、悪しきものは退治したり、困りごとを解決するのもその軍隊のようです。
 中心にそびえる大きな桜の木がシンボルであり神様的存在です。
(大まかには、明治時代の日本を想定した世界となっています)

●絢(けん)
 華奢な男。飴屋の主人であり、濃々淡々生まれの境界案内人です。
 手押しの屋台を引いて飴を売り、日銭を稼いでいます。
 屋台には飴細工やら瓶詰めの丸い飴やらがあります。
 彼の正体は化け猫。温厚で聞き上手です。

 猫の仮装をしている、という風になっていますが、全然本物です。
 必要があればお供します。

 以上、皆様のご参加をお待ちしております。

  • <濃々淡々>飴降りと『はろうぃん』完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年09月25日 22時20分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
クウハ(p3p010695)
あいいろのおもい
レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)
青薔薇救護隊

リプレイ


 血色のドレス、もとい赤ずきんの正装たる大きな頭巾とエプロンを身に纏った『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)はたったったと桜舞い踊る街を駆ける。
「飴だーっ! 空から降ってくる飴を集めればいいんだよね? わかった!」
 ( ‘ᾥ’ )が駆け回る。あれ待ってなんか変換が。( ‘ᾥ’ )ちゃん。あの。変換のそこをどいていただけない?
 お願い。あのなんか。そうあれ。なんか冷蔵庫の中にあったチョコあげるから。ね?
 ……だめそう。もうだめです。今日は( ‘ᾥ’ )として描写させていただきます。

     三(  ‘ᾥ’ )まてーっ!

 右の方に落ちてきた飴を掬いにエプロンの裾を広げて走っていく。がだめ。
 けれどめげるリコリスではない。あっ変換治った。

   ( ‘ᾥ’  )三まてまてーっ!

 これまたエプロンの裾を掠めていく。難易度は高くないはずなのだが頭巾が視界を邪魔して力が発揮されない。
 だってフードじゃないもんこれ。だめだとおもいます。

   ((( ‘ᾥ’ )))まーーーてーーー!

 怒りに震える( ‘ᾥ’ )。
 待てと叫ぼうとも飴が待ってくれるわけではないのです。かなしいね。

   ( ‘ᾥ’ )あっ!
「もしかしてこの状況…あ〜ん」
 何を思ったか立ち尽くし空に大きな口を広げる。

   ( ‘ᾥ’ )ぱくっ

   ( ‘ᾥ’ )モグモグ

 あーーーーっこまりますお客様!!!!!!!!!!!!!!!!!
 頬袋に飴を詰め込んだリコリスは頬袋をリスのようにたゆんたゆん揺らしながらハロウィンムードの街を駆けていく。
「……リコリス、それは」
「( ‘ᾥ’ )ふぇ? ひゃべてらいひょ?」(訳:えっ?食べてないよ?)
 そうだね。多分まだセーフだね。
 飲み込んでないならセーフ理論を提唱したリコリス。狼も胃袋に入れるまでは食べてないって言うんだろうな。もう染わかんない。
 せっかくのふりふりエプロンはリコリスの食事から服を守るエプロンとしての機能を全うしたらしいです。めでたしめでたし!


 召使いに頼んで着付けてもらった大正ロマン溢れる袴は『青薔薇の御旗』レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)をいつもとは違う雰囲気に。
 金の髪の毛を後ろで結い上げるはいつもの黒いリボン。これがないと始まらないのだ。
 兎にも角にもこれでハイカラさんの出来上がり。品のある美しさがレイアを彩った。
 車椅子に乗ればこれで十分移動できる、とのことでパッとフリルのついた日傘をさせば飴対策はばっちりだ。
「これで雨…ではなく飴を集めればいいんですよね」
 くるっと日傘をひっくり返してお椀状に持ってみる。美しい白の日傘の内側にころころと飴が積もっていく。
「こうすれば簡単ですね」
 和風の空から降ってくるのは飴、飴、飴。
 それからクッキー、チョコレート、綿あめ。
 甘いものがたくさん降ってくる。が、レイアを傷付けること無くふわふわと落ちてくる。まるで魔法のようだ。
 そしてどれもこれも婚約者の彼と食べたことがある。どうしてこんなときまで彼のことを思い出してしまうのだろうか?
「わぁ美味しそう。婚約者にもプレゼントできたらいいんですけど」
「じゃあ持って帰ってみるかい?」
「いいんですか?」
「もちろん。婚約者さんも喜んでくれると嬉しいな」
 無表情のレイアの顔がほころぶ。
 紙袋に沢山詰め込まれたお菓子はレイアとその婚約者たる彼の分。
 車椅子に座ったレイアの手には二つの紙袋。これでしばらくのティータイムは彼を喜ばせることが出来るだろうか。
 今から混沌に帰るのが楽しみなレイアなのだった。


「この世界にゃハロウィンの文化がなかったのか。そりゃ勿体ねェな」
 ふむ、と首を傾げた『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)はにっと笑う。
「大人も子供も妖も幽霊も、祭りの時は関係ない。特にハロウィンだとな!」
 騒ぎたい子供達や大人達、それから妖怪にも声をかけて

 住民達に声をかけ、乗り気の人を連れ飴集め。
 飴と引き換えに色々と交換できるなら多ければ多いほどいいだろう。
「おい、集め終わったらこっちに入れときな」
「ああ、ありがとう兄ちゃん!」
 集めるだけ集めて、馬車の中へと入れるように促して。これではお宝を奪っていく海賊のようだ、なんて自虐的な笑みがこぼれる。
 けれど今日のクウハは海賊ではなく義賊だ。
「ねーねーにいちゃん」
「あん?」
「これ入っていいの?」
「ああ、いいぜ」
 きゃあきゃあと笑い声をあげながら飴のプールに進んでいく子供達の笑顔を呑気に見守って。
 そのまま馬車を動かして絢の待つ交換所へと進んでいく。
 集めた飴は他のお菓子やジュースを交換して、子供達にあげたり配り歩くことに。
「おにいさんこれ、あたしに?」
「ああ。貰ってくれなきゃ悪戯するぞ」
 本来のハロウィンの文句とは少し違うが人々が笑顔なのできっと問題ない。
 でも悪いよ、なんておもちゃを拒むひとには、ポルターガイストが彼等を襲う。
「うわあああ?!」
「オマエが気に入ったから、お友達になりたいってよ。ほーら、受け取らないと……こうだぜ?」
「わあああ!!!! わかった、持って変えるから!!! 友達だから!!!!」
 桜の木の下まで馬車を走らせて。お祭り騒ぎは終わらない。
「神だって祭り事は好きだろう? 民が健やかに過ごす姿を間近で見せてやる事も神にとっては一種の慰めになるだろうさ」
 だからそう、このお祭り騒ぎをたんと楽しんで欲しい。
 新たなことを知る時はいつだって楽しいがついてくる。その気持ちは、いつだって特別なものだから。


「空から飴が降ってきて、しかもそれがルシェたちがお空塗ってからって……まさか世界お兄さんの飴!?」
「ああ、そうだよ。だってほら、おれの作った飴にそっくり」
「ほんとね! 変わったことが起こるかもしれないとは聞いていたけど、本当にびっくりすることが起きたのね……!」
 これは是非とも世界お兄さんに持って帰らないと! とふんすと両手で小さな拳を作った『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)。
「弟にも良いお土産が出来そう!」
 えいえいおー、と拳を突き上げて。キルシェの飴集めも始まった。

「絢お兄さん! トリックオアトリート!」
「ふふ、なにかの呪文かな? じゃあおれも、とりっくおあとりーと、って」
「うんうん、そうやるのよ!」
 得意げな黒猫のキルシェ。愛らしい尻尾が揺れる。
「折角だから今日は蜻蛉ママと絢お兄さんみたいに黒猫さんの仮装してみたのよ! ルシェの髪の毛が黒って不思議な感じだけどどうかしら?」
「とっても似合ってるよ。おれたちともお揃いだね。……で、ええと。お菓子……お菓子は、今はないなあ」
「じゃあ悪戯! 絢お兄さんのお耳もふもふよ!」
「う、うーん。悪戯ならしかたないなあ」
 照れたように顔を赤くする絢。しゃがみ、キルシェに頭を見せる。もふもふもふと触られて、キルシェが満足したら。今度は手首を掴まれた。
「絢お兄さんも一緒に飴集めましょう!」
「うん、いいよ」
 虫取り網を両手で握ったキルシェは、ふんっふんっと網を振る。
「ふふ! 話で聞いた虫取りみたい!」
「はは。楽しい?」
「どうかしら! ルシェはやったことなかったけど、網で動く物を取るって大変ね! 絢お兄さんは何で飴集めるのかしら?」
「そうだなぁ。困ってる人がいるから、かな」
「そうなのね! 絢お兄さんは、こういうえっと……洋風、なイベント初めてなのよね?」
「うん。なれないことばかりだけど、上手く終われそうでよかったよ」
「仮装はしてないみたいだけど、楽しかったかしら? ファントムナイトとはちょっと違うけどルシェは楽しかったわ!」
「うん。おれも楽しかったよ」
「あ、でもお菓子交換までがイベントよね! ちゃんと飴とお菓子交換して貰わなきゃ!」
「おっと、そうだった。じゃあこれはキルシェの分で、こっちが弟さんの分だね」
「ありがとう絢お兄さん!」
 後は持ち帰って友人たる彼に渡すのだと得意げに笑ったキルシェ。
「残りは交換してもらうけど、お菓子は何が貰えるのかしら?」
「そうだな、焼き菓子なんかもあるしあとはきゃらめる? もあるよ。好きなのを持って帰るといい」
 絢がキルシェをおんぶして、景品が見やすい位置へと連れて行く。いくつかの会話のやりとりの後に、キルシェは気付く。
「そうだわ! ルシェ絢お兄さんに悪戯かお菓子か聞かれたのに答えてなかったわ!」
「ああ、さっきの呪文かな?」
「そうよ! ルシェはトリート! ルシェからはクッキーよ!」
「ふふ、ありがとう。じゃあおれからはこれをあげるね」
 小さな黒猫にぴったりの赤色のリボン。それから、まんまるなキャンディ。
「ありがとう、絢お兄さん!」

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM