PandoraPartyProject

シナリオ詳細

裏武器屋さんの水遊び

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・作っちゃったものは仕方ないのでー
「いやー……出来ちゃいましたねー……」
「そりゃ我も協力したんだし当然だろうが」
 ここは練達某所、『裏武器屋』と書かれた古臭いネオン看板を掲げる工房の中。一見寂れた倉庫にも見えるこの建物は、シャッターを潜ればそこは万博。様々な技術、素材、設計を用いられた"発明品"が散乱していた。
 そして、その博覧会の中心に現在鎮座しているのは異形の人型。頭部、胴体、脚部に違和感は無いが、驚くべきはその大きさ。その前に立つ水色の長髪の女──夢野幸潮(p3p010573)と比べ、その身長、凡そ2倍。しかも腕は3倍。手の代わりにカラフルにカラーリングされた水鉄砲が先端に装着されている。
「私のぐうたらタイムに遠慮なく乗り込んできた時は殺そうと思いましたけど、この水遊びロボ[ヴィーナス]が作れたので許しましょう」
 この『裏武器屋』の主、平賀綺蘭はメカアームで酒を煽りながらそう言った。
「はいはい我が悪ぅござんした。で、コイツどうする?」
「は? 用途決めずにこんなの作らせるとか馬鹿なんですか?」
「いや、俺は涼みにきたついでに夏だし水遊びとかしてえよなーって言っただけだが。お前が閃いたッ! とか言って作り出したから我はノリに乗っただけよ」
「……そーでしたっけ。じゃー、イレギュラーズ達にぶつけて性能実験しましょうか。うん。それがいいと思いますね。ええ」
「そういうことなら任せておけ。私に考えがある」
「考え?」
「さっき言ったろ? "水遊び"だよ」

・さぁイレギュラーズ共ォ!遊ぶぞォ!
「という訳で水遊び大会を開催する。水着は着たな?結構。絶対濡れるからな。着替えは大事だ」
 夢野幸潮によって月明かりの海に集められた貴方達。ローレットに出されていた依頼には『水遊び大会! 水着着用の上やってくるように!』という一文と、この場所、時間が書かれていた。
「まー、依頼って程大事な事でもないんですけどねー。私がつい作っちゃったあの子と遊んで欲しいんですよ。ウチで死蔵するのも勿体ありませんしー」
 横に並ぶ綺蘭がメカアームで指差した先にいるのは[ヴィーナス]。幸潮の付与したエフェクトにより、その見た目は……かなり人に近く改善されている。
「んじゃ汝らよ、コレを頭につけてくれ」
 手渡されたのは紙風船のついたカチューシャ。
「紙風船が潰れたら脱落です。皆さんが脱落する前にあの子を破壊できたらあなたたちの勝ち、あの子を破壊する前に全員脱落したら負け、そーゆー水遊びです」
「そして武器も綺蘭印の魔改造水鉄砲限定だ。カタチは色んなものがあるから好きなものを使ってくれ」
 そう言って幸潮が試しにハンドガン型の水鉄砲を木製の的に射ってみる。的が爆散した。
「他にもお助けガジェットとか用意してますのでー、お一人お一つまでご自由にお使いくださーい」
 綺蘭によってぽいぽいと机に投げ出される機械類。自分自身の発明品にしては扱いが雑だ。
「じゃ、準備が整い次第開始だぜ。精々頑張れよ」
「頑張って作っちゃったのでー、そーそー負けはしないと思いますが。どーなるか楽しみにしてますねー」

NMコメント

はい。どーも、わけわかめです。
夏って事で水遊びなシナリオです。
なんで夜かって?綺蘭が夜型だからです。
綺蘭について詳しくはイラストページ参照(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/69961)

【依頼概要】
水遊びロボ[ヴィーナス]を破壊せよ!
ただし装備は魔改造水鉄砲とお助けガジェットのみ!
紙風船が潰れたら脱落だ!
風では潰れないが水に当たるとヤバイぞ!

【ヴィーナスについて】
水に浮かぶ腕六本の水鉄砲ロボ。機械なので水と電気に弱いです。

【フィールド】
大人が入ると膝下くらいしか水に浸からない程度の浅いビーチです。

【装備】
ステータス的には皆さんの装備とスキルが殆どそのまま反映されます。その上からガジェットの追加効果が発揮されます。ただし演出上全ての描写が水鉄砲かガジェットを利用したものになるので、リプレイを書く際にはご注意ください。

【魔改造水鉄砲】
一般的な銃器類は網羅してます。HGからSRまで全て。

【お助けガジェット】
-JETフローター:浮遊する板。水の上でも問題なく走ります。仕組みは──謎です。騎乗、または騎乗戦闘があれば使いこなせるでしょう。
-エア・ルーラー:人体に装着するスラスター装備。装備すると、立体的な空中推進が可能に。簡易飛行を活性化している扱いになります。自前で飛べる場合は空中戦闘ペナルティが減ります。
-バリアオブアイギス(試作品):超高性能バリア発生装置。どんな攻撃も簡単に防いでくれるでしょう。ただし試作品なので一回だけしか使えません。
-アサシンマント(仮):光学迷彩マント。身を隠すのには最適。ただ、充電式なのでそう長くは隠れられません。
-星の水瓶:高密度水タンク。水が圧縮されて貯蔵されている為、水鉄砲の性能が向上します。主に威力と精密性、リロード速度が。
-ハレーボム(水)×5:水爆弾。着弾すると水を撒き散らします。所持者の属性やBSスキルの影響を受け易いです。
-セバスチャン:腰につけるドリンクホルダー。戦闘中でも内容物を口に運んでくれます。咽せたら自己責任。

【プレイングの書き方】
プレイング1行目に手に取った水鉄砲の形、2行目に使用するガジェット名を【】の中にを入れて記述してください。数はあるので他の人と被っても大丈夫です。また、カラーリングに拘りたい時はカッコの中で何色かも追記をお願いします。綺蘭が一瞬でやってくれます。

  • 裏武器屋さんの水遊び完了
  • NM名わけ わかめ
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月22日 22時05分
  • 参加人数4/6人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
毒島 仁郎(p3p004872)
ドクター・チェイス・ゲーム
海紅玉 彼方(p3p008804)
扇動者たらん
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

・そこに沢山の武器があるじゃろ?さぁ、選べ!
 綺蘭によって無造作に並べられた装備達。それを一瞥しながら『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は一言。
「そういやなんで夜なんスか?」
「ふぇ!? あ、えーと……昼は――」
「あぁ、一般人に迷惑かかんねぇようにってか。つまり、遠慮なくぶっ壊していいって事っスね」
「……まーそーです」
 単純にお天道様が嫌いなだけだとは言えず澱む綺蘭。その様子を見て勝手に納得した葵はスナイパーライフルとアサシンマントを一早く選び武器の使用感を確かめだした。
 その光景を見た『かみぶくろせんせー』毒島 仁郎(p3p004872)もバツが悪そうに言葉を切り出す。カチューシャがつけられなかったので接着剤で紙風船を紙袋の上に貼り付けたらしい。
「私ってば射撃系の技能を一切持ち合わせていないのですよねー。そんな初心者でも使いやすいものってどれですかー?」
「SMG――サブマシンガンあたりが使いやすいんじゃねえか?」
「ガジェットはちーっとばかし重くなりますけど何も考えずに水圧が強くなりますし星の水瓶がいーんじゃねーですかねー」
「ふむふむ……ではそれにしましょう!」
「悪の組織のロボットを倒す仕事……だよね? なんだかみんな、楽しそう、だけど……」
 『玉響』レイン・レイン(p3p010586)は装備を選ぶ仲間たちの様子に疑問を持ったようだ。……この状況に対し勘違いもしているが。
「だーれが悪の組織の科学者ですか全く…私は『裏武器屋』。健全ですよ」
「……違うの……?」
「まー立場とかスタンスがあるので否定はしませんがねー……で、何にします?」
「武器は、重くない方がいいから……この小さい銃と……コレは?」
「ハレーボム、使用者の特性を込めてブッ放す投げ物ですねー。炸裂すると込めた特性が爆発的に作用しますよ」
「じゃあ…これ。僕の特性が役に立てばいいな。上手くいくか分からないけど…僕自身でも、撃破を狙ってみるよ」
「はーい、頑張ってくださいねー」
 最後まで装備を眺めていた『レディ・ガーネット』海紅玉 彼方(p3p008804)もついに武器を決定したようだ。
「ん〜……それじゃあこのライフルを二丁貰うね! リロードが面白いし楽しそう!」
「ガジェットはどーします?」
「レインさんと同じハレーボムで! なんだか強そうだもんね!」
 そう言って彼方もハレーボムを装備し、浅瀬の方へと移動した。開戦の時はもうすぐ近くだ。
 
 ・Ready……?
「月夜の浅瀬に浮かぶ大絡繰。それに対峙するは4人の戦士──」
「そんなめんどくせー語りいらねーのでさっさと始めますよ」
 メカアームが繊細かつ高速に幸潮の手からピストルを引ったくる。
「おいコラ空砲返せ」
「よーい、ドンっ!」
 戦いの火蓋は運動会のように鳴り響いた銃声によって切って落とされた。ヴィーナスの目に光が灯り、下されたアームが蠢く。キャノンにガトリング、ランチャー、ライフルなどの兵器がガシャゴンとアームの先が変形し、自身の獲物を戦士たちへ晒す。
「ただの水遊びにしちゃ随分とヤベーもんが出てきたな……」
 日向がそう呟いたがイレギュラーズなら大丈夫だろう。何故ならこの依頼はカジュアルだからだ。
「水鉄砲で遊ぶだけだと思っていましたが……これはまた少しばかりゴッツイ武器ですねー! さて、どう遊び倒しましょうか!」
「彼方ちゃんのオンステージ、始まるよ!」
 毒島が文字通り鉄砲玉の如く特攻。ヴィーナスが完全に起動し切る前に接近する算段のようだ。それに並び海紅玉も海を踊るように突き進んでいく。
「大きい……けど、負けない」
 浅瀬とはいえ足を取られないよう気をつけながらレインも仲間達の広がりを見ながら少しづつ距離を詰め、いつでも援護できるように気を配る。
「一番槍は貰いましたよ!」
 ヴィーナスを射程に入れた毒島。全力で引き金を引くと高圧洗浄機よりも強力な水弾がヴィーナスへ殺到する。だが、死角から伸びてきた一本のアームによってその試みは破綻してしまう。鈍重な代わりに取り付けられたウォーターバリアである。アームの先端の棒が回転しながら水を放出することで1方向からの攻撃を防ぐのだ。そしてガトリングとウォーターサーベルが牙を剥かんとその矛先を向けるが──
「そんなのアリですか!? ヘルプミー!」
「毒島さんにばかり見惚れてたら私が後ろから決めちゃうよ!」
 バリア展開の死角をついて後ろに回った海紅玉。軽やかにジャンプし、発砲。反動によって空を舞い美しい宙返りをキメる。それに対しヴィーナスは前方のSMGへとバリアを向けている都合上跳躍による回避をせざるを得ない。足元にランチャーを撃ち込み回避運動、着水──破損。
「そのきれいな腕をフッ飛ばしてやる!!」
 初期地点でスコープを覗き待機していた日向。着地硬直の隙を付き狙い澄まされた威力約3000の水弾がウォーターバリアを一撃で吹き飛ばした。その光景に日向は乾いた笑いを漏らす。
「うっわ……え、威力何コレ? 人殺れるんじゃねーの?」
 HGでアレなのだ。SRの威力なんてこの通りだろう。しかし現実逃避はしていられない。ここは戦場。空いているライフルアームの銃口が日向へと向けられ、水条が放たれる。だが間一髪でアサシンマント(仮)を発動したお陰で水柱が立つのみで済んだ。
 しかしながら腕を一本落としたとて、ヴィーナスにはまだ5本も腕が残っている。ガトリングとランチャーによる制圧は前衛二人に対して同時に開始される。海紅玉は水を滑るように回避。毒島は海面へと発砲。避けられるのであれば仲間を生かす為邪魔をしようという算段だ。お陰で再び死角が生まれ、忍び寄っていたレインがハレーボムを投擲。水弾がヒットし、ヴィーナスの視界を火の蝶が奪う。軽く濡れていた二人にもハレーボムを投擲し紙風船の耐久を回復させた。原理は謎。
「上手くいった…!」
「ありがとうレインさん! 次は私も行くよ!」
 再び死角に潜り込んだレインとスイッチした海紅玉からもハレーボムの投擲が行われる。今度は眩い光と共に電撃が放たれ、ヴィーナスの躯体を麻痺させた。水圧も幾らか下がり回避の舞踏の中にも攻撃とリロードの時間が生まれたお陰で確かに耐久は減りつつある。アームの稼働部に数カ所ひしゃげているのが確認できる。
「こういう時にもアイドルとしてのステップが役立つなんて……楽しいね!」
「ええ、年甲斐もなく私の中の悪ガキがハッスルしちゃいますよ!」
 毒島の作った水壁遮蔽の隙間を縫って投げられた黒いハレーボムを、ヴィーナスはウォーターサーベルで切断。効果が発動しなかった……と思いきや、今度はキューブが発現し、サーベルを侵食。即座にパージして難を逃れたがこれで残るアームは4本。ガトリング、ランチャー、ライフル、メカハンド。この膠着状態を抜ける為、あと一つのアームを減らせれば。
「ええいこうなったらプランBです! 当たって砕けろ! 特攻ですよー!!!」
 回避ではなく肉体で受けで耐えていた毒島が、視界を防ぐよう正面から突進。当然ランチャーの直撃を受け、紙風船もろとも共に吹き飛ぶ……が、星の水瓶から充填されSMGにて圧縮された水も同時に暴発。解き放たれた水の勢いは殺人的で、メスのようにガトリングの付け根を切り取った。
「毒島さん、私達のために……今のうちに総攻撃だよ!」
 死んでいない。一番厄介だったガトリング掃射がなくなったため、急接近する海紅玉。ライフルの水弾を踊りで翻弄し、ランチャーの爆撃はひらりと躱す。両手のライフルは、何かをチャージ中のようだ。
「毒島……アンタの犠牲は無駄にはしないっスよ…!」
 まだ生きている。アサシンマントの充電が切れた日向はヴィーナスの背後に回っていた。息を潜め最早ガラ空きの胴体を狙うようだ。
「毒島さんの仇は僕達が…!」
 再三言うが紙風船が割れただけだ。レインも勇足で接近。だが、メカハンドが迫り──
「わ! 殺られる!?」
 思わず残るハレーボムを投擲。非常に大きな爆発が発生し、ヴィーナスは体勢を大きく崩す。
「やられた……?」
「ううん、私はまだ大丈夫!」
 大きく跳んだ海紅玉。ヴィーナスのすぐ上から二丁のライフルを向け、トリガーを引く。
「チャージ完了、発射ーーーーッ!」
 二つの極太ビームが二つの銃口から解き放たれる。浅瀬に叩きつけられるようにヴィーナスへはクリーンヒット。着実に減らされていた装甲耐久はもう粉砕寸前。罅からは動力源たるジェネレータの光が漏れる。
「ここだッ!」
 日向の狙撃がついに分厚い装甲を破砕。最後の抵抗にカウンタースナイプを行おうとするが――
「これで、トドメだよ…!」
 レインのハンドガンが割れた穴からジェネレータに水弾を叩き込み、機能停止。全てのアームがだらんと投げ出され、危うくウィリアムテルされかけた日向はホッと一息ついた。ヴィーナス、撃破成功。忘れないでーという声は敢えて拾わない。

・二次会ハイライトだヨ!
 残骸を片付けていた綺蘭。海紅玉から「綺蘭さん、今回使ったものとは別の、威力も安全な水鉄砲ってないのかな? 折角だしみんなでバトルロイヤルがしたいな!」と言われたのでしょーがないですねー……とリミッターをつけた水鉄砲を端材で作成。楽しい撃ち合いを朝日が登るまで楽しんだ。また、幸潮によって観戦のアテに持ち込まれていたスイカなど夏の風物詩は綺蘭の手により再分配され、皆にとっても楽しい最後の夏の思い出になっただろう。
「……来年はもうちょっと強固にしねーと……」
 朝日から隠れるようにそう呟いた、綺蘭にとっても。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

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