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シナリオ詳細

高機動繊維ダンボルガーZ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●天地無用、高機動繊維ダンボルガーZ!
 世間がピンチだ! 迫る魔の手だ!
 燃える孤児院背に受けて、幻想のパワーこの身に受けた、天地無用のエキサイト。
「高機動繊維ダンボルガーZ――ですわ!」
 孤児院の屋根で、身体全体でZの形をとった『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)をご想像いただきたい。
 胸んところにすっぽりダンボールを被った状態でご想像いただきたい。
 あと左脇っていうか丁度正面にくるところに天地無用ってシールがはってあるのもご想像いただけようか。
「あなたたちの悪行もここまでですわよ! 無敵の鎧をまとったわたくしの力を……その目に焼き付けるがいいですわ!」
 この、あいかわらず罰ゲームみたいな格好になったことにはワケがある。
 そのワケを今から話そうじゃあないか。

「我が社の新製品ダンボルガーZは無敵の鎧。あらゆる攻撃を受けてもびくともせず、あらゆる体勢をもち、パンチ一発で巨人を吹き飛ばします。そう、装着者を無敵の戦士にする夢の装備――になる予定なのです!」
 グッと拳を握って熱弁したサラリーマン。いや、職業じゃなくて本当にサラリーマンっていう名前の幻想商人である。なんか別の世界でそういう仕事をしていたこと以外覚えてないんだそうです。働き過ぎのノイローゼで。
 サラリーマンは黒縁眼鏡をキランとやって顔を上げた。
「ですがこう、なんていうでんしょうね? コスト? 的な? ものが? こうアレしまして、性能がギリギリ間に合わなかったといえなくもないと担当の者は申しておりまして」
 急にトーンダウンしたサラリーマン。
「ヴィジュアル面だけでも企画時の状態になんとか近づけたいというデザイナーの熱意はあるのですがコンプライアンス的に申し上げられるスペックとエンドユーザーのニーズにコミットしたこの……ねえ?」
 最後『ねえ?』で済ませるあたり、相当困っているらしい。
 正直ベースで言いますね、と断わった後、サラリーマンは90度の角度で頭を下げた。
「実はまるでなにも一切がっさい用意できませんでした!」

●コンプライアンス的問題
「えー、納品先の貴族に実際の性能を見せることになっているのですが、今のところ一切なんの機能も搭載できておりませんし、デザインも全く決まっていないものでして、当社で今用意できる最大限の装備として……こちらをテスターの方に装着していただいております」
 そこで、さっきのダンボルガーZである。
 ちなみに裏から見るとメヒエみかんってプリントされていた。
「えー、この状態でですね、サイクロプスの群れと戦っていただきます」
 ムリダナといって背を向けようとするイレギュラーズたち。
 サラリーマンがヘッドスライディングからのすがりつきという職人芸で引き留めた。
「おねがいしますー! ピンチなんですー! なんとか……なんとかしてこのクソザコ美少女というひとが天下無双の大活躍をしてる風に見せかけてください! おねがいしますー!」

GMコメント

 こいついつもサイクロプスと戦ってんな
 毎度おなじみクソザコ美少女がひでー目にあうシリーズ。
 yakigoteさんが『ビューティに段ボール着せてサイクロプスにぶつけよう』って冗談みたいなこと言うので、折角なので実現してみました。私も見たかったし。

【オーダー】
『ダンボルガーZ(クソザコ美少女)がサイクロプス相手に無双してるかのように見せかける』

 廃孤児院の屋根から登場するクソザコ美少女(E:ダンボルガーZ)を、貴族のひとがすごく遠くから観察しています。
 皆さんはそこにたまたま居合わせたみたいな顔をしてこっそりサポートしつつ、いかにもダンボルガーZの力で敵を倒しまくってるよみたいな状態を演出してください。
 クソザコ美少女を言葉巧みにのせたり攻撃と同時に射撃したりしていくのです。

【クソザコ美少女】
 名前のとおりクソザコな美少女です。
 『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)といいます。
 長所は打たれ強さと素直さ。短所はお馬鹿なところとスペックの絶望的低さ。
 今回はダンボルガーZが最強装備だって話を思いっきり真に受けてノリノリで参加しています。どう見てもただの段ボールなのに一ミリも疑っていません。ダンボールガ○ダム的なものを想像してください。ピンにならねえかなこれ。

【サイクロプス】
 なんでかクソザコ美少女と縁のあるモンスター。
 2~3メートルの巨人で棍棒とか持ってる単眼のやつです。いっぱいいます。
 弱点は目です。
 クソザコ美少女はそれを忘れていますし、仮に教わったとしても当たる気がしません。

【クソザコ美少女成長記録】
※クソザコ美少女は依頼での出来事をもとにこっそり成長します。これまでの成長で得たスペックは以下の通り
『ファンブル低下』:慎重さを学びました。
『防技アップ』ハラパンに耐性がつきました。
『HPアップ』:ひどい目にあって体力がつきました。
『遠術』:前に出ない戦い方を覚えました。
『祈祷師/鼓舞』:応援団長を自負しています(タスキは宝物です)。
『料理(悪)』:雑草を沢山食べて味覚が崩壊しました。
『騎乗』:馬で死ぬほど振り回されて慣れました。
『クソザコ神』:おだてられるとなんでもやる子になりました。
『囮・砲弾適正』:いろんなものが顔面に飛んできますし、自分もよく飛びます。(NEW)

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 高機動繊維ダンボルガーZ!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年08月31日 21時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
ルネ・リエーヴル(p3p000726)
らびっとびーあんびしゃす
祈祷 琴音(p3p001363)
特異運命座標
原田・戟(p3p001994)
祈りの拳
ルチアーノ・グレコ(p3p004260)
Calm Bringer
クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)
煌めきの王子
Erectum(p3p006132)
イーフォ・ローデヴェイク(p3p006165)
水葬の誘い手

リプレイ

●いつも罰ゲームみたいな目にあってる子
「フーム……」
 唇に人差し指。とんとんと二回。
 Erectum(p3p006132)はアイパッチをしていないほうの目を細めた。
 眼球に映るはZの形になったクソザコ美少女……もといダンボルガーZである。
「あのビューティー様がサイクロプス相手に無双してるかのように見せかけることがオーダーでありますな?」
「いやそうッスけども……」
 『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)がサッカーボールを頭の上にのせたまま微妙な顔をした。
「段ボールはねえだろ、段ボールは。どうしてアレで無敵と思うかなぁ……」
 世の中にはヒモビキニみたいな面積で全身甲冑みたいな防御力をだす魔術装備とかごろごろあるので一概にダメとはいわないが、さすがにこの見た目には信頼性がなさすぎた。
「せめて普通の鎧くらい用意できたんじゃ……」
 両手で顔を覆う『らびっとびーあんびしゃす』ルネ・リエーヴル(p3p000726)。
「流石の私でも、今回切り抜けた所でいずれ大惨事になる未来しか見えません……とはいえビューティーさんを見捨てるわけにもいきませんし、一丁やってやりますか!」

 普通の鎧とか着せなさいよって誰もが思うところだが、あえてこんな(最低限)ロボっぽい見た目にしたことにはわけがあるらしい。
 そのわけを実感していたのが、『君に禦の誉』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)だった。
「ダンボルガーZ、カッコいいじゃないか!」
 考えたことがそのまま口に出るクリスティアン。
「正義に戦う無敵のアーマー! うーん、僕も着たい! 例え本当にダンボールだろうが、正義の使者として戦うだなんて最高にカッコいいに決まっている! 燃えてきたぞぉ!」
 わーいといってキラキラ光り始めるクリスティアン。
 発注者の貴族もこんなノリだったのかもしれない。
 その様子を日本酒ちびちびやりながら見ていた『とにかく酒が飲みたい』祈祷 琴音(p3p001363)がぷはーとため息交じりに瓶を閉じた。
「しかたないわねぇ、酒代のためにやるわぁ。まず何からしたらいいのかしらぁ?」
 一方で、『Calm Bringer』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)はものすごく悲しい顔をしていた。
 営業に納期そのままで三倍の仕事をしろって言われたエンジニアを見る目をしていた。
「こんなのプロの仕事じゃないけれど、この営業の人は板挟みにあっているだけで……直接悪いわけじゃないんだろうね。中間管理職の痛みじゃないけどその辛さはわかるよ」
 なんだろう最近ルチアーノすさんでるけど、嫌なことあったの? 聞くよ?
「皆が幸せな世界でいられるように、出来る限りの協力をしようか」

 一方その頃、遠く離れた安全な高台から、中世フランスから来たのかなってくらいクルクルしたウィッグをつけた貴族がオペラグラスを翳して豪華な椅子に座っていた。
「ンー、どうだいチミ。ボクのダンボルガーZは」
「ハイー、それはもう我々一同最大限の努力をいたしました」
「予算はもうないんだけどねーチミ、量産体制とってくれる? 仕様ちょこっと変えるだけだから大丈夫だよ?」
「(大丈夫かどうかをなぜお前が決める? ころすぞ?)ハイヨロコンデー」
 世界が変わっても似たようなしがらみにとらわれてそうなサラリーマンがいた。
 そういうのを見なかったことにして、現場へと歩き出す『祈りの拳』原田・戟(p3p001994)と『水葬の誘い手』イーフォ・ローデヴェイク(p3p006165)。
「再びビューティフル(逸材)と相見えるとは千載一遇の好機……」
 かつて絶妙にハラパンした思い出を噛みしめ、拳を握りしめる戟。
「我が拳の冴え、試させてもらおうか」
「エッ」
 なに言ってるのこの人って顔で二度見してから、イーフォは咳払いをした。
「クソザコ美少女ちゃん……いやビューティーちゃん……うん。イレギュラーズは依頼されたらなんでもござれってネ。ダンボルガーZをこれ以上ないほど強そうに仕立てて見せよウ!」

●サイクロプスってその辺にわんさか生息してるんだろうか
 ずしーんずしーんという派手な足音。
 孤児院の屋根でZポーズをとっていたクソザコ美少女もといダンボルガーZは『トゥ!』といって跳躍した。
 そして頭から落ちた。
 地面に頭を埋めてうあーとか言いながら足をじたばたさせるダンボルガーZに、なにやら声が聞こえてくる。
『きこえますか……きこえますか……』
「ハッ、この声は!? どこかで聞いたことg――」
『私はダンボルガーZのナビゲーションシステムよぉ』
「そ、そんなものついてますのね!」
 一瞬で信じるダンボルガーZである。普通疑う所だ。
 琴音は頭のはまったダンボルガーZの隣でびしびし遠術を打ちまくりながら語りかけた。
『ダンボルガーZは音声入力方式なのよぉ。必殺技の名前を叫ぶと発動するわぁ』
「ほ、ほんとですの!? ぷはあ!」
 頭を引っ張り出すダンボルガーZ。
 木の枝とか頭にさしてサッとかがむ琴音。
 土で作ったかまくらみたいなやつの中から、ルチアーノが丸めた新聞紙とかを口に当てて声をかけた。
『きこえますか……きこえますか……』
「はっ、この声は聞き覚えg――」
『僕もナビゲーションシステムだよ』
「二つもありますのね!」
 またも信じる。なんで二つもあるんだよって突っ込まない子である。
 一方のサイクロプスは『なんかおるわ。踏んだろ』みたいな気軽さで足を振り上げている。
「ひー! 来ましたわ! 来ましたわ! 死ぬ! 死んじゃいますわー!」
『両手を突き出して、爆裂グレネードと叫ぶんだ』
「それが必殺技ですのね!? 爆裂グレネード!」
 よいしょといいながら空気入れーみたいなレバー式のスイッチを押し入れるルチアーノ。
 ワイヤーを繋いで転がっていった爆弾がダンボルガーZの足下で爆発した。
「ほきゃー!?」
「グワー!?」
 同時に吹き飛んでいくダンボルガーZとサイクロプス。
『次はアサルトストライクって言って!』
「あ、アサルトストライクですわ!」
 マスケット銃を構えたルチアーノが銃撃を乱射。
 同じかまくらの中に身を伏せていた葵が手を伸ばしてバットバーストを発射。
 無数の銃弾がサイクロプスを襲い、飛んでいったコウモリ型エネルギー弾が大爆発を起こした。
 遠くでは貴族が『派手だねー』とかいって喜んでいる。
 ヒュウと口笛をふく葵。
「このままいけば敵を全滅――あっやべえなあれ」
 群がってきたサイクロプスがダンボルガーZをサッカーボールみたいに蹴り始めた。
 うあーと言いながら蹴り転がされるクソザコ美少女。
 伊達に酷い目にあってないせいか、意外と持ちこたえているらしい。
「やばいやばいやばい!」
「ルネ、目隠しして目隠し!」
「はい!」
 突如孤児院の屋根によじ登ったルネは、クジャクみたいな服を着てばっと腕を広げた。
 遠くで貴族が『あれー見えないなー』とか言い始めた。
「今のうちに!」
「えっあれでいいの!?」
「今のうちであります、一斉射撃! 目を狙うであります、目を!」
 Erectumが光線銃をかついでレーザーを乱射しまくった。
 めがーと言いながらのたうち回るサイクロプス。
 イーフォもそこに加わって銃を発射。魔術性の弾頭がはじけて殺傷力のある霧が広がっていく。
 後ろからそそそっと近づいていった戟が、サイクロプスの膝の後ろのあのくぼんでるところ(『ひかがみ』って言うよ)を殴りつけた。
 両手で目をおさえていたせいかアァンとかいってその場に尻餅をつくサイクロプス。
 Erectumが新聞紙を丸めて口に当てた。
『今であります! そこに落ちてる剣で切りつけるのであります!』
「えっ今度は誰ですの!?」
『ナビゲーションシステムであります!』
「三つ目ですわね!」
 たまたま(?)そこに落ちていた段ボールの剣を手に取ると、クソザコ美少女はへやーとか言いながら飛びかかった。
 飛距離が足らず肩の力も足らずなんか中途半端な所で空振りしたが……。
 丁度いいところでイーフォとErectumが銃撃。
 一発はサイクロプスの目にあたり、もう一発は弾頭が虚無のオーラとなって爆発した。
 近くで銅像(平和のためにYの字バランスをし続ける王子の像)に扮していたクリスティアンがサッと動いてファイアフライを発射。
 美と栄光のシンボルチャームがなんか無数のきらめきを放ってサイクロプスの目を潰した。
 グワーといって倒れるサイクロプス。
 ダンボル剣を振り切った状態で着地するダンボルガーZ。
 どこか遠くで、貴族が『ブラボー』と言って手を叩いた。

「……何事かと思って後をつけたら、スゲェっス。まさかあんな攻撃をぶっ放せるとは……。そうか……! そのダンボルガーは選ばれし者のみに力を与えるって聞くっス。まさかそれが……!?」
 持って回った言い方をして葵が通行人みたいな顔で現われた。
 後々顔を合わせたときに面倒くさくなるので全員ヒゲやカツラで変装してると思って欲しい。葵もロナウジーニョみたいになってると思って欲しい。
「敵をしっかり見て攻撃すれば突如サッカーボールが敵に発射されるはずっス!」
「えっなんでサッカーボールが」
「超能力的なアレッス!」
「超能力的なアレ!?」
「だ、ダンボルガーZ! 助けに来てくれたんだね!」
 民間人のふりしてごろごろ転がってくるクリスティアン。
 彼も後々面倒にならないようにペレみたいな変装をしてると思って欲しい。
「えっなんで皆さん知ってますの。これって確か開発したばかりじゃ……」
 段ボールの正面(メヒエみかんって書いてあるところ)をぺたぺた触るクソザコ美少女。
 葵とクリスティアン、もといロナウジーニョとペレは無言でコンマ7秒ほど見つめ合い、同時にダンボルガーZの両肩をそれぞれ叩いた。
「風の噂ッス!」
「誠意開発中って広告で見たんだよ!」
「なるほどですわね!」
 秒で信じるクソザコ美少女である。
「わー! これがダンボルガーZ! ほんものですかー!」
 ルネが大げさな演技で駆け寄ってくる。
 こっちも後々関わるたびに変装しなくていいようにバルデラマみたいになってると思ってくれ。なんでみんな海外サッカー選手なのかは知らない。
「ところでこんなものを拾ったんですけど……」
 ルネもといバルデラマが取り出したのは『ひっさつわざリスト』だった。
「こ、これは……!」
「はい……!」
「なんですの? 知らない名前が沢山」
 がくっとよろめくルネを、戟がそっとキャッチした。
 あ、戟は顔ばれしてることもあってラミレスみたいになってます。ここでなぜ野球選手。
「必殺技のリストだ。これを叫ぶことで技が出た筈だ」
「へー、みなさん詳しいんですのね。でもなぜそんなことを」
「CMで見た」
「CMで見たんですのねー」
「その通りよぉ」
「他にもコレとかお勧めだね」
「目からビームが出る仕様でありあます」
「ダンボルガーっていうんだ。カッコイイネ! あ、いざとなったらバリアも出るヨ」
 琴音(カブレラ)、ルチアーノ(ペタジーニ)、Erectum(デストラーデ)、イーフォ(ボルト)が集まってくる。なぜ一人だけ陸上選手。
「皆詳しいんですのねー」
「「CMで見た」」
「CMで見たんですのねー」
 とかやってると、後続のサイクロプスたちがわんさか襲いかかってきた。
「ひゃー! たすけてくださいダンボルガーZ!」
「相手を見て技名を叫ぶんだダンボルガーZ!」
「は、はい! やりますわ!」
 クソザコ美少女……もといダンボルガーZはうおーと言いながら(そしてカンペを読みながら)技名を叫びまくった。
「さあ、さけぶのです!」
「ダンボルガーアロー!」
 腕を突き出して叫ぶダンボルガーZ。
 影からめっちゃ弓をうちまくるルネ。
 なんでかわからんが全弾目にいったサイクロプスがめがーとか言いながらのたうち回った。誰だって目に爪楊枝が七本くらい刺さったらのたうち回る。
「次はこれ叫んでネ」
「はい、ダンボルガーブラックシャイン!」
 額に横ピースを翳すダンボルガーZ。
 イーフォが倒れたサイクロプスに漆黒の閃光を打ちまくった。
 びかびかした光がサイクロプスをこう、なに、カッした。
「ダンボルガーZありがとう! ありがとうダンボルガーZ!」
 わーいといって手を振るクリスティアン。背後から忍び寄ってそっとライトヒールした。一方的なライトヒールってたしか出来なかったきがしますが今回はできていいです。
「君のおかげで助かったよ! 君はこの街の恩人だ!」
「待つであります! まだ敵が……!」
 孤児院の先を指さすErectum。
 いつのまにかサイクロプスがのしのし隣の町へと向かっていた。
「このままではいけません。この技名を、魂込めて叫ぶであります!」
「こ、これですわね!」
 Erectumに言われるまま、ダンボルガーZはダンボル剣を手に飛びかかった。
「とやー! ダンボルパーティー!」
 突如ぼっふんとふくらむ謎の煙。
 琴音がビールジョッキ片手に飛びかかり、葵がサッカーボールを蹴りまくる。
 前方に回り込んだルチアーノはマスケット銃に仕込んだ徹甲弾を連続発射。
 弾はサイクロプスの目を貫き、サッカーボールは腹を貫き、ビールジョッキは脳天でガシャーンした(割れてないけど)。
 倒れたサイクロプス。はれる煙。剣を振り切ったまま立つダンボルガーZ。
「よし、最後の仕上げだ。ダンボルガーZに搭載されたダンボルガーダイナミックを使う時がきたようだ」
 謎の説得力を目力でつけつつ、戟がゆっくりと歩み寄っていく。
 なんか知らんけど妙に伸びた髪が煙みたいに立ち上っている。
「さいしょは、グー……」
「えっえっ」
「じゃん、けん」
 引き絞った拳が、目の輝きと共に放たれる。
 渾身のハラパンがダンボルガーZを打った。
「ぷきゅう!?」
 発射されるダンボルガーZ。
 振り返ったサイクロプスの目に、頭から突き刺さった。

 暮れなずむ町。
 光と影の中。
 サイクロプスの目に刺さったダンボルガーZへ、みな敬礼した。
 さっき作ったダンボルガーZの歌をうたいながら。
 それを見ていた貴族はぱちぱちと拍手して……。
「いいこと思いついた。これを全長20メートルくらいにしてよ。納期は守ってね」
「(こいつを殺して自分も死のうか)ハイヨロコンデー!」
 新たな闇が生まれていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

・クソザコ美少女は『いいなり』を覚えた
・クソザコ美少女は『つきささる(スーサイドアタック)』を覚えた
・クソザコ美少女は『ダンボルガーZ(防具)』を手に入れた

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